ハイメキサゾール-
14C(3-hydroxy-5-methylisoxazole-3-
14C)を供試し,土壌中におけるハイメキサゾールの分解について検討した。ハイメキサゾール-
14Cは非殺菌土壌(田無土壌,野洲土壌)中で容易に分解され,
14C-分解物質としてCO
2, acetoacetamide, 5-methyl-2(3H)-oxazoloneが検出された。
14CO
2の生成量は日数の経過とともに増加し,逆にacetoacetamide-
14C, 5-methyl-2(3H)-oxazolone-
14Cの量は減少した。殺菌土壌にハイメキサゾール-
14Cを処理した場合,
14CO
2の生成量は微量であり,非殺菌土壌におけるハイメキサゾールの分解は,主に微生物の作用によるものと思われた。ハイメキサゾール-
14C処理土壌における
14CO
2の生成量は湿潤状態に比べ湛水状態において多く,また15C∼35Cの温度条件下においては,温度の上昇につれて増加した。ハイメキサゾールは
Bacillus subtilis, Streptomyces griseus, Aspergillus niger, Arthrinium sp.,
Penicillium sp.を純粋培養した土壌においても同様に分解された。ハイメキサゾールおよび(あるいは)その分解物質の一部は土壌に強く吸着され,1N HClによる抽出,およびそれにつづく1N NaOH, methanolによる抽出によっても溶出されなかった。キュウリの
Fusarium wiltに対するacetoacetamide, 5-methyl-2(3H)-oxazoloneの防除効果はハイメキサゾールに比較していちじるしく劣ることから,土壌中におけるハイメキサゾールの分解は解毒過程であると考えられる。
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