日本植物病理学会報
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63 巻 , 6 号
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  • 古屋 成人, 山崎 修一, 西岡 正憲, 白石 郁雄, 飯山 和弘, 松山 宣明
    1997 年 63 巻 6 号 p. 417-424
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    多種類のPseudomonas属細菌の各種植物病原細菌および糸状菌に対する抗菌活性能を調べた結果,大部分の細菌種が供試した指示菌の少なくとも1菌種に対して抗菌活性を示した。中でも特に, P. aeruginosa ATCC7700は供試したすべての指示細菌に対して極めて強い抗菌活性を示す物質を産生した。そこでATCC7700株のトマト青枯病に対する発病抑制効果を調べた。本菌でトマト幼苗の根部を浸漬処理した後, Ralstonia solanacearumによる汚染土壌に移植し,経時的に発病株の調査を行った結果,発病株はほとんど認められず,顕著な防除効果が得られた。この抑制効果は,高濃度(1010cfu/ml)の菌液で処理した場合に示された。また本菌は,トマト根部へ旺盛に蝟集する性質を有することが明らかとなった。さらに,クロロホルム蒸気処理, UV照射および熱処理により作製した死菌を用いた場合にも抑制効果を示した。これらのことから, P. aeruginosa ATCC7700による青枯病発病抑制には本菌の産生する抗菌物質以外の要因も関与していることが示された。
  • 兼松 聡子, 林 建樹, 工藤 晟
    1997 年 63 巻 6 号 p. 425-431
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    サイトカラシンE (CE)は白紋羽病菌によって産生される植物に毒性をもつ二次代謝産物である。本実験において,白紋羽病菌に感染したリンゴおよびナシの根からCEが検出された。CE産生能と病原力との関連を探るため,薄層クロマトグラフィーを用いたCEの簡便な検出法を開発し,本法を用いてUV照射によって得られたCE産生能変異株, 2株を選抜した。これらの変異株は野生型株の約4~7%のCE産生能しか有していなかったが,マメナシ実生に対して野生型と同等の病原力を示した。
  • 寺内 英貴, 真籠 洋, 吉川 信幸, 高橋 壯, 井上 成信
    1997 年 63 巻 6 号 p. 432-436
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    リンゴステムグルービングウイルスLi-23分離株(ASGV, Li-23)のゲノムRNAの全塩基配列を決定した。Li-23ゲノムは3'末端のポリA配列を除いて6496塩基からなり,2つの翻訳読み取り枠(ORF)を含んでいた。ORF1は分子量241,768ダルトン(242K)のポリタンパク質をコードし, ORF2はORF1の内部の別のフレームに存在し,分子量36,179ダルトン(36K)のタンパク質をコードしていた。Li-23ゲノムの塩基数とORFの配置は, ASGVのリンゴ分離株(P-209)とユリ分離株(L)のそれらと完全に一致していた。全塩基配列の相同性はLi-23とL間で98.4%, Li-23とP-209間で83.0%であった。Li-23ゲノムの完全長cDNAを,ゲノムの第一塩基から転写されるようにカリフラワーモザイクウイルスの35S RNAプロモーターの下流に連結した完全長cDNAクローン(pCT35SF)を構築した。pCT35SFをChenopodium quinoa葉にカーボランダム法で接種したところ, Li-23によるものと同様な症状が現れ,また免疫電子顕微鏡観察でASGV抗体と反応するウイルス粒子が検出された。さらにノーザンプロットおよびウエスタンブロット分析でゲノムRNAと外被タンパク質がそれぞれ検出され, pCT35SFが感染性を持つことが明らかになった。
  • 村上 浩二, 神前 健, 岡田 憲三, 松本 聰, 小柳津 広志
    1997 年 63 巻 6 号 p. 437-444
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    芝草の根や根圏土壌より糸状菌に対し拮抗性を有する細菌を分離した。それらの中で, Pseudomonas fluorescensと同定されたHP72株は特に強い拮抗性を示し,ゴルフ場の芝草病害を生物防除可能な菌として選抜された。また, HP72株に特異的な約800bpのDNA断片を用いて土壌中での挙動をモニタリングする方法を開発し, FIA-PCR法, MPN-PCR法と名付けた。モデル実験において, HP72菌株を土壌より回収できることを確認した。これらの方法を用いて実験室内の芝草ソッドやゴルフ場のグリーンでのHP72の生残性を調べた。実験に供した土壌中の土着菌の中にはHP72株に特異的な約800bpのDNA断片を持つものは検出されなかったために, HP72株は容易にモニタリングできた。地温が35°C以下の時は,少なくとも20日間は比較的高い菌数で生残した。また, HP72は土壌も接種後5日以内に根面の全蛍光性Pseudomonasの80%以上を占め,この状態は少なくとも20日間は続いた。一方, 1日の中で2時間以上地温が43°C以上に達する季節では, 7日以内に検出限界以下に減少した。室内実験においてHP72株が根に良好に定着しているとき, Rhizoctonia solaniによるベントグラスの葉腐病に対して化学農薬のisoprothiolance-flutolanilと同等の防除効果が認められた。
  • 大野 浩, 長谷 修, 江原 淑夫
    1997 年 63 巻 6 号 p. 445-449
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ササゲ(品種:黒種三尺)およびタバコ(品種:ky 57)に対するCMV(普通系)の感染性は懸濁緩衝液の種類, EDTA添加に関係なくpHが6.0, 7.0, 8.0の順に高い。この傾向はCMV RNAを用いた場合も同様であった。滅菌水に溶解したウイルスを接種後,直ちに接種葉をpH 6.0-8.0の緩衝液に浸漬した場合,感染性に影響はないことから, pHは植物細胞の感受性に影響を与えるのではなく,接種源に影響するものと考えられた。しかし,このpH範囲でウイルス粒子の形態に変化は認められないことから,摩擦接種の際表皮から滲出する物質との関係が注目され,タバコ葉を用いて検討した。その結果,表皮細胞液(表皮細胞滲出液,または汁液)中のRNaseの挙動と感染性におけるpHとの関係に相関が認められた。すなわち表皮細胞液のRNaseによるCMV RNAの分解はpH 6.0>7.0>8.0の関係であった。またこのRNaseは粒子内部のウイルスRNAを不活化することなくウイルス表面に結合し,その結合量(RNase活性)はpH 6.0>8.0の関係にあった。したがってpH 6.0におけるCMVの感染性低下の原因の一つには接種の際滲出する表皮細胞液中のRNaseの関与が考えられ,宿主細胞侵入後ウイルス粒子に付着したRNaseが増殖に阻害的に働くことが推定された。
  • 真籠 洋, 寺内 英貴, 吉川 信幸, 高橋 壯
    1997 年 63 巻 6 号 p. 450-454
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    リンゴステムグルービングウイルス(ASGV)の10分離株について,感染葉から2本鎖RNA(dsRNA)を抽出し, ASGV(P-209分離株)ゲノムの3'末端領域に対応するRNAプローブを用いてノーザンハイブリダイゼーション分析を行った。その結果,いずれの分離株でも3種類のウイルス特異的dsRNA(約6.5 kbp, 2.0 kbp, 1.0 kbp)が検出された。続いて, P-209ゲノムの異なる領域に対応する5種類のプラス鎖RNAプローブを用いて, P-209感染葉からのdsRNAを分析したところ, 5種類のウイルス特異的dsRNA [G-ds(6.5 kbp), ds1(5.5 kbp), ds2(4.5kbp), SG-ds1(2.0 kbp), SG-ds1(1.0 kbp)]が検出された。これらdsRNAのうち, G-dsはゲノムの複製型と考えられた。また, SG-ds1とSG-ds2はゲノムの3'末端側に位置していることから, ORF2および外被タンパク質(CP)遺伝子のサブゲノムRNAに対応するものと考えられた。P-209ゲノムの3'末端側領域(CP領域)のcDNAを発現ベクター(pET3a)に組み込み,大腸菌でCPを発現させた。ORF1タンパク質(2105アミノ酸)の1869番目のメチオニンからの発現タンパク質はASGV-CPとサイズが一致したことから,このメチオニンがCPの開始アミノ酸と推定された。
  • 竹内 徹, 澤田 宏之, 鈴木 文彦, 松田 泉
    1997 年 63 巻 6 号 p. 455-462
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イネ苗立枯細菌病菌Burkholderia plantariiおよびイネもみ枯細菌病菌B. glumaeに対して,特異的なPCRを利用した迅速で高感度な特異的検出法を開発した。B. Plantarii, B. glumae, B. gladioli, B. cepacia, B. caryophylli, B. andropogonis, B. solanacearamおよびPseudomonas corrugataについて, 16Sおよび23SリボゾームRNA遺伝子間に存在するスペーサー領域の全塩基配列を比較解析した。地理的由来の異なる菌株において同種内では, B. Plantariiでは93%以上の相同性を示し, B. glumaeでは種内変異は認められなかった。Burkholderia属細菌の種間では60~90%の相同性を, Burkholderia属細菌とP. corrugata, P. fluorescensまたはEscherichia coliとの間では59%以下の相同性を,それぞれ示した。以上の結果から,本領域は同種内では保存性が高く,異種間では変異が大きいことが明らかとなった。B. plantarii, B. glumaeおよびB. gladioliは互いに比較的高い相同性(81~90%)を示したことから,これら3種の塩基配列を比較して,種内で保存性が高く,かつ種間で変異性の高い配列から種特異的なプライマーを設計した。プライマーPL-12f (5'-AGCCAGTCAGAGGATAAGTC-3')とPL-11r (5'-CAATTGAGCCGAACATTTAAG-3')によるPCRでは, B. plantarii供試45菌株すべてから約180bpのDNA断片の増幅が認められたが,他の細菌では認められなかった。プライマーGL-13f (5'-ACACGGAACACCTGGGTA-3')およびGL-14r (5'-TCGCTCTCCCGAAGAGAT-3')によるPCRでは, B.glumae供試20菌株すべてから約400bpのDNA断片の増幅が認められたが,他の細菌では認められなかった。また,特異プライマーを利用したPCRによって,それぞれの病原細菌が感染したイネ苗から両菌を6時間以内で検出でき,本法がイネ組織内における両菌の迅速検出に有効であることが示された。
  • 草場 基章, 柘植 尚志
    1997 年 63 巻 6 号 p. 463-469
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Alternaria磁属菌には宿主特異的毒素を生産する7種の植物病原菌が存在する。これら病原菌の遺伝的類縁関係をミトコンドリアDNA(mtDNA)の制限酵素断片長多型(RFLP)分析に基づき調査した。供試菌として, 7種の宿主特異的毒素生産菌16菌株を含むAlternaria加属菌13種計27菌株を用いた。各菌株の全DNAを制限酵素BglII, HindIIIおよびXbaIでそれぞれ切断し, A. kikuchiana 15A菌株から単離したmtDNAをプローブとしてハイブリダイゼーションを行った。3種類の制限酵素で検出された多型を組み合わせて解析したところ,供試菌株群から18種類のmtDNA多型(M1~M18と命名)が検出された。宿主特異的毒素生産菌とA. alternataの基準株からは11種類の多型(M1~M11)が検出されたが,それらのうちM1, M3, M7およびM8型は異なる毒素生産菌とA. alternata基準株に共通して分布していた。一方,A. alternataと形態的に異なる他種菌からは,それぞれの種で異なる7種類の多型(M12~M18)が検出された。mtDNA型のRFLPパターンに基づき平均距離法により系統樹を作成したところ,宿主特異的毒素生産菌とA. alternataの基準株から検出された11種類のmtDNA型は,他種菌のmtDNA型とは明確に分岐した単一のクラスターを形成した。以上の結果は,宿主特異的毒素生産菌を同一種A. alternataの病原性に関する変異系統であるとする病原型(pathotype)説の正当性を強く示唆した。
  • Siang-Hee TAN, 西口 正通, 坂本 亘, 小倉 豊, 村田 稔, 宇垣 正志, 富山 雅光, 本吉 總男
    1997 年 63 巻 6 号 p. 470-474
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    マスクメロンにほとんど病徴を生じないキュウリ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の弱毒株SH 33bの全ゲノム塩基配列を決定し,親株SHのゲノムの塩基配列と比較した。その結果, 9つの塩基置換が見出され,それらのうち5つはアミノ酸置換を生じるものであり,それらの中に,単独で,または組合せにより, SH 33bの弱毒性に関係するものがあると考えられた。それら5つの塩基置換のうち, 2つは129kDaタンパク質と186kDaタンパク質との共通の領域にアミノ酸置換を生じ,他の2つは186kDaタンパク質のread-through領域において, CGMMV SHを含む数種のトバモウイルス間に高度に保存されている残基の置換に関係するものであった。残りの1つはコートタンパク質遺伝子の領域に見出され,保存性の低い残基でアミノ酸置換を生じるものであることが示された。
  • 岩井 久, 酒井 淳一, 花田 薫, 荒井 啓
    1997 年 63 巻 6 号 p. 475-478
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    passionfruit woodiness virus-奄美大島株(PWV-AO)のゲノムRNAの3'末端を含む領域約1.6 kbをクローニングし,外被タンパク質(CP)遺伝子および3'末端の非翻訳領域(NCR)の塩基配列を決定し,これらの配列をPWV-K, M, S,およびTBを含めた既報のポティウイルスと比較した。推定されたCPのアミノ酸配列の相同性は, PWV-K, -M, -S, -TBに対し75~77%であり, PWV-Kの-M, -S, -TBに対する相同性(82~84%)や, PWV-M, -S, -TB相互の相同性(95~99%)より低かった。現在容認されつつあるポティウイルスの分類方式すなわち, CPのアミノ酸配列の相同性が90~99%の場合に同種ウイルス内の別系統とし, 38~71%の場合に別種ウイルスとする基準に照らすと, PWV-AO, -K, TBグループ(-M, -S, -TB)の相互関係は,同種ウイルスとするには類似度が遠いものの,別種ウイルスと結論することはできなかった。またPWV-AOのCPの, SMV-G2ならびにWMV2の2系統に対する相同性が75.2, 72.9および73.6%であること,さらにPWV-AOのNCRにSMVやWMV2との共通配列AG-GTGG-----CCACCが存在することから, PWVはSMVやWMV2に近縁であることが示唆された。
  • 1997 年 63 巻 6 号 p. 479-485
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 63 巻 6 号 p. 486-493
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 63 巻 6 号 p. 494-506
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 63 巻 6 号 p. 507-516
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 63 巻 6 号 p. 516-527
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 63 巻 6 号 p. 528-534
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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