日本植物病理学会報
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42 巻 , 2 号
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  • 三浦 春夫, 片桐 政子, 山口 富夫, 上杉 康彦, 伊藤 弘
    1976 年 42 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    山形県内で,カスガマイシンのイネいもち病防除効果減退現象の見られる3圃場,および同現象の見られない3圃場の罹病葉または穂から,総計207株のいもち病菌を分離し,同剤感受性を寒天平板拡散法により検定した。
    阻止円直径によって示される感受性の分布から,同剤感受性菌と耐性菌は明確に区別され,それらの中間の感受性を持つ菌は見られなかった。耐性菌は同剤効果減退の見られる3圃場のみから見いだされ,その3圃場のいずれにおいても感受性菌が必らず混在していた。しかし,同一罹病部から耐性菌と感受性菌とが見いだされることはなかった。
    分離された耐性菌株群と感受性菌株群について,寒天培地上での菌叢生育,オートミール培地上での胞子形成数,胞子懸濁液の噴霧接種によるイネ葉上病斑の数および長さを比較したが,いずれの調査項目においても有意差を認めなかった。
    一方,イネいもち病菌保存株の胞子多数をカスガマイシン含有寒天平板に接種し,同剤耐性株が出現する瀕度を観察した結果,薬剤濃度100ないし500μg/ml間でその頻度は変らなかったが,供試菌株の種類により,またその培養条件により頻度は変化した。10年以上保存培養した菌株をさらに単胞子培養すると,耐性菌出現頻度が減少することが観察され,薬剤の存在しない保存期間中の菌の変異,すなわち自然変異による耐性菌生成の可能性が指摘された。
  • C.R. REDDY, S.H. Ou
    1976 年 42 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    アジア各地から採集したX. oryzaeの40菌株の生理的性質および生化学的性質を詳細に研究した結果,本菌には明瞭な生化学的タイプは存在しないことが明らかとなった。この事実は,さらに広域から菌株を集めてもそれらは,これまでに文献に記戴されてきたものよりもはるかに均一な反応を示すことを示唆する。本報告に記載された本菌の性状は,宿主植物を離れてX. oryzaeを同定したり,Xanthomonas属の他の菌種からX. oryzaeを類別する際の規準と考えることができる。
  • 大内 成志, 奥 八郎, 中林 英人, 岡 和徳
    1976 年 42 巻 2 号 p. 131-137
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    オオムギ品種コビンカタギとH. spontaneum nigrumのもどし交配から得られたisogenic lineを用いて,うどんこ病感染成立におよぼす接種前熱処理効果について調べた。感染成立頻度,菌糸長,胞子形成などから,熱処理効果には三相が存在することが明らかになった。第一相は45C-45分処理で顕著な熱誘導感受性の相であって,この効果は処理後24時間位で消失する。第二相は50C-53Cの処理でみられる誘導感受性の不活性化の相である。第三相は55C-60秒にみられる誘導感受性の相であって,この相は肉眼的に認められるコロニーが形成される点で,第一相の誘導感受性とは質的に異なるものと考えられる。一旦誘導された感受性が不活化される第二相の速度論的解折から,熱誘導感受性の不活化は一次反応式にしたがい,したがって宿主細胞の病原菌受容または拒否はall-or-none形式で決定されると考えた。
  • 小林 享夫, 佐藤 賢一
    1976 年 42 巻 2 号 p. 138-148
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本病菌Cercospora spiraeicola Muller et Chuppは南米グァテマラでシジミバナ(Spiraea prunifolia)上に記載されたもので,わが国ではテマリシモツケ(Physocarpus amurensis)およびケアメリカシモツケ(P. opulifolius)の葉を侵して著しい褐斑と早期落葉をおこす。人工接種ではシモツケ科のSpiraea属,Stephanandra属,Sorbaria属などには発病しない。日本産の菌はPhysocarpus属にのみ病原性を有しSpiraea属に陰性である点で若干の疑義は残るが,シジミバナの苗木がえられないこと,シモツケ科の植物上には本種以外に形態的に一致する種がないことから,やはりCercospora spiraeicolaに包括されるものと結論した。
    本病菌の分生胞子は病落葉上で脱落することなしに高い発芽率を保持したまま越冬し,これが翌春5∼6月に第一次伝染源となる。冬芽における潜伏越冬の可能性はほぼ否定された。感染から発病までの潜伏期間は春の低温期で約2か月,夏∼初秋の高温期で約1か月である。本病菌の分生胞子は25∼30Cを発芽適温とし空気湿度98%以上で良好な発芽を示し,92∼94%でも低率ながら発芽する。培地上では分生胞子の形成は認められず,ジャガイモ,麦芽,斉藤氏しょう油およびWaksman氏寒天培地上で良好な発育をする。菌そうは10∼35Cの間で生育し25∼30Cを適温とする。水素イオン濃度は,極端な酸性側を除いては,分生胞子の発芽および菌そうの発育にほとんど影響しない。
  • 但見 明俊
    1976 年 42 巻 2 号 p. 149-155
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)において黒さび病菌夏胞子堆の形成が遺伝的に制御されている様相を3実験によって調べた。これら3実験を通じて,オーチャードグラスにおいては黒さび病菌の接種により,nulliplex (aaaa)個体には大型の夏胞子堆が形成され,また,simplex (Aaaa)個体には小型の夏胞子堆が形成された。しかし,duplex (AAaa)個体およびtriplexもしくはquadruplex (AAAaもしくはAAAA)個体には夏胞子堆が形成されなかった。したがって,オーチャードグラスにおいて黒さび病抵抗性は,抵抗性が優性な1対の遺伝子によって支配され四染色体的に伝えられるという従来の説が支持され,また,抵抗性遺伝子には蓄積の効果が認められた。同時に,黒さび病抵抗性の表現型から,遺伝子型を推定し得る可能性が開かれた。
  • 張 茂雄, 荒井 啓, 土居 養二, 与良 清
    1976 年 42 巻 2 号 p. 156-157
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ランえそ斑紋ウイルス(OFV;新称)がAngulorea, Cymbidium, Dendrobium, Odontoglossum, Oncidium, Pescatoreaなど各種のランから見出された。OFVはいずれのランでも全身的えそ斑紋病徴を現わし,30C以上の高温時に汁液接種すると,タバコ,Nicotiana glutinosa, Chenopodium amaranticolorなどに局所壊死斑を生じた。OFV粒子はOsO4固定を追加した改変DN法で病斑組織から検出できた。また,病葉磨砕汁液をTriton X-100処理したのち分画遠心して部分純化された。部分純化試料は多量のOFV粒子を含み,Dendrobiumなどに高い感染性を示した。OFV粒子は被膜のない短桿形で,ネガティブ染色試料では約40×150nm,ピッチ約4.5nmのらせんcapsid構造を示したが,切片試料では32-35×100-140nmとやや小さく測定された。OFVの細胞内所見を切片像で調べたところ,まず核内にviroplasmができ,それが次第に発達しその周囲と内部にOFV粒子が産生集積し,次いで核内に充満した粒子が核膜に続く膜系のルートで細胞質に移行することが多数の電顕像から推察された。この細胞内所見と一致する膜に囲まれた粒子集団の像や一端が膜に吸着された粒子の像などはDN法によるネガティブ染色試料でも認められた。なお,感染細胞は最終的には壊死し,崩壊した膜系に包まれたOFV粒子集団が細胞内の随所に認められた。以上の結果から,OFVは被膜をもつrhabdovirusグループには属さない新しいグループのウイルスと考えられる。また、電顕所見よりみて、Dendrobiumのleaf spot virus (Petzold, 1971), Phalaenopsisのleaf spot virus (Lesemann and Begtrup, 1971),コーヒーのringspot virus (Kitajima and Costa, 1972),ならびにカンキツのleprosis virus (Kitajima and Costa, 1972)はOFVと同種または同系統のウイルスと考えられる。
  • 中島 哲男, 山口 勇, 見里 朝正
    1976 年 42 巻 2 号 p. 168-173
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. Sodium N-Lauroyl-L-valinateはいもち病菌菌糸の代謝系(呼吸系,蛋白合成系,核酸合成系,脂質合成系,細胞壁合成系)に対して100μg/mlでかなり強い阻害効果を示した。
    2. SH化合物の添加は本薬剤の菌糸伸長阻害効果に対してまったく影響を与えなかった。
    3. 100μg/mlの薬剤濃度において14C-グルコース,14C-アデニンのいもち病菌菌糸細胞中への取り込みが強くおさえられた。
    4. いもち病菌菌糸細胞中に前もって取り込ませた14C-グルコース,14C-アデニンは100μg/mlの薬剤を添加することにより細胞外へ漏出してきた。
    5. 本薬剤はいもち病菌菌糸細胞膜の機能に何らかの作用を及ぼしているものと考えられる。
  • 後藤 正夫
    1976 年 42 巻 2 号 p. 174-180
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナツダイダイとウンシュウの成木を用いてXanthomonas citriのA, BおよびC型の3つのファージ型を混合接種し,発病後病斑内における病菌濃度の消長を集落比および菌数の両面から比較検討した。ファージ耐性のC型菌はA型,B型菌と共存する場合,急速に減少して,やがて通常の病菌分離法では検出し得ないレベルまで低下した。ファージ型の病斑内消長とカンキツの種類との間には一定の関係は認められなかった。病斑内におけるC型菌の減少速度は還境条件,宿主の連続通過によって促進された。この原因について,X. citriのecotypes間におけるstabilizing selectionの可能性について考察した。
  • 加藤 智津代, 瓜谷 郁三
    1976 年 42 巻 2 号 p. 181-186
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    サツマイモの切断組織及びサツマイモ黒斑病菌感染組織(罹病組織)において,炭水化物量の変化を調査した。表面から内方へ向っての各組織における炭水化物の定量の結果,デンプンは各層において罹病組織の方が切断組織よりも減少が大であり,またデンプンの分解は,切断及び罹病組織共に内方に向うにしたがい少なかった。切断傷害における還元糖は内方に向うに従い増加したが,罹病組織においては表面に近い層においてむしろ減少した。スクロース含量は48時間後の罹病組織において第一層が減少した場合を除き,すべての層においてほとんど一定であった。炭水化物の変化を経時的に分析した結果,炭水化物群は,順位をもって代謝をうけること,すなわち還元糖が最初に,次にスクロースが,最後にデンプンが利用される事がわかった。
    炭水化物の経時的変化は貯蔵時期によって影響をうけた。すなわち10ヵ月貯蔵組織は2ヵ月貯蔵組織よりも,病傷害に対する炭水化物量の変化が小であった。
  • Ed F. WICKER, 横田 俊一
    1976 年 42 巻 2 号 p. 187-191
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    今日,五葉松類のCronartium stem rustとしてC. ribicola J.C. FischerとC. kamtschaticum Jφrstadの2種が知られている。本報告では,まず後者がJφrstadによって命名されたいきさつと,この2種は専ら夏,冬胞子世代の寄主によって区別されていることをのべた。
    1972年に北海道中標津町近くのストローブマツ造林地に発生したCronartium stem rustは接種試験と現地調査によって,シオガマ属植物(Pedicularis resupinata)とスグリ属植物(Ribes grossularia)の両者に寄生することが明らかにされた。
    北アルプスの立山で採集されたハイマツのCronartium stem rustの銹胞子は中標津のストローブマツのものと同じ性質を示すことも確かめられた。また,北海道に自生するハイマツ上のCronartium stem rustには,冬胞子世代が不明のものがある(内生型?)。
    筆者らは五葉松のCronatium stem rustの分類概念に生態学的な考えをとり入れなければならないと考えている。ハイマツと,C. ribicolaの寄生となる数種の五葉松類(Pinus sibirica, P. cembra, P. albicaulis, P. strobus, P. monticola等)との間の密接な系統学的関係は疑うべくもない。従ってC. kamtschaticumがハイマツだけをおかすとは考え難い。そこで筆者らは,現在C. kamtschaticumと命名されている銹病菌はC. ribicolaのecotypeではないかと想像している。ハイマツ上の内生型も同様で,本種の生態的な奥行きの深さを示していると考えたい。このようなC. ribicolaの種としての概念を確認するためには,十分計画された人工接種試験が必要である。
  • 田中 彰一
    1976 年 42 巻 2 号 p. 192-196
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Grape virusesの標準的な検定植物と認められているMission, Baco 22A, LN-33, Rupestris St. Georgeの4種を用い,1965∼1970年の間,わが国に栽培されている凡そ20品種のブドウを接木接種により検定した。その結果11品種がleafroll virusを保毒し,5品種がcorky bark virusを保毒していることを認めた。しかもその中2品種はこれら2種のvirusに同時感染していることが推定された。しかし本実験の範囲内ではfanleaf virusを検出することができなかった。なお所謂ブドウ蔓割病はcorky barkと密接な関係があるもののようである。
  • 太田 光輝, 森田 儔, 森 喜作, 後藤 正夫
    1976 年 42 巻 2 号 p. 197-203
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ハウス栽培のキュウリに斑点細菌病とは異なり,葉の縁枯れ症状を特徴とする一種の細菌病が発生した。病原細菌の病原性,細菌学的性状を斑点細菌病菌P. lachrymansと比較した結果,本菌をP. marginalis (Brown) Stevensの一系統と同定した。また本病をキュウリ縁枯細菌病と命名することにした。
  • 上村 昭二, 阿久津 美恵, 高日 幸義
    1976 年 42 巻 2 号 p. 204-215
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    土壌殺菌剤,ハイメキサゾール(3-hydroxy-5-methyisoxazol)の微生物による選択吸収について,in vitro及びin vivoでの薬剤感受性の異なる微生物を用い比較検討した。感受性菌Pellicularia sasakii及びFusarium oxysporum f. cucumerinumは,標識本薬剤を急速にとりこみ,菌体全体に分布する。吸収は,能動的と受動的吸収によって行なわれる。本実験の条件として,吸収作用と使用菌体量及び使用薬剤濃度との関係を検討した結果,生菌重量5g/使用薬剤量0.06μci (0.08μg/ml)/緩衝液量50ml/振盪培養5hrの条件で,経時的に吸収量の測定を行うことによって,菌種間の本薬剤の吸収作用を適正に比較しうることが判明した。
    感受性菌,P. sasakii, Rhizoctonia solani(培養型2, 1A及び1B) F. roseum及びF. oxysporum f. cucumerinumは,溶液中より本薬剤を多量吸収するが,非感受性菌,Saccharomyces cerevisiae及びPseudomonas cruciviaeは,吸収が少ない。同一種属内のin vivoでの感受性の低い菌,F. monlliforme及びR. solani(培養型3A及び3B)は,同種属の感受性菌よりも吸収が少なかった。
    薬剤吸収後,緩衝液で菌体を洗滌した場合,菌体にとりこまれた本薬剤は,非感受性菌では流失し易いが,感受性菌では菌体成分に結合し,流失が少ない。結合した薬剤は,菌体構成々分中のTCA (trichloroacetic acid)及びメタノール不溶性成分の分画中に,感受性菌では多量に検出されたが,非感受性菌では少量にすぎなかった。これらの結果から,ハイメキサゾールの選択毒性の発現の機序として,微生物間の薬剤吸収能の差異が主要な要因と考えられる。かつ,TCA及びメタノール不溶性の菌体成分々画中への薬剤の結合の程度が,ハイメキサゾールの殺菌作用発現の機序を示唆しているものと考えられる。
  • 山田 昌雄, 清沢 茂久, 山口 富夫, 平野 哲也, 小林 尚志, 櫛渕 欽也, 渡辺 進二
    1976 年 42 巻 2 号 p. 216-219
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 石崎 寛, 栗田 和明, 久能 均
    1976 年 42 巻 2 号 p. 220-222
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 西沢 良一
    1976 年 42 巻 2 号 p. 223-227
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Surface characteristics of the crown gall of Sedum erythrostictum and Bryophyllum daigremontianum were observed under scanning electronmicroscope; namely, smooth in the former and rough in the later. Smooth surface partly lignified turning into rough with age, so that both characters would not be hereditary ones. In higher magnification, the surface of smooth galls was not always smooth, but showed irregularly wrinkled structures or incised streaks.
  • 蓮井 裕二, 宮入 一夫, 奥野 智旦, 沢井 功, 沢村 健三
    1976 年 42 巻 2 号 p. 228-231
    発行日: 1976/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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