イネもみ枯細菌病菌(
Pseudomonas glumae) Kyu 82-34-2から,ショットガンクローニングにより,DNA断片PG2I (5.7kb), PG80I (3.9kb)を得た。 PG2Iはドットブロットハイブリダイゼーションにより供試した本種の43菌株全てに高い相同性を示したが,他の25種99菌株にはほとんど反応しなかった。一方,PG80Iは
P. glumae 43菌株中5菌株には反応せず,かつ
P. plantarii 3菌株中2菌株に高い相同性を示したことから,PG2Iが
P. glumaeにより特異的であると考えた。そこで,PG2Iを制限酵素K
pnIにより2つの断片(PG2Ia, PG2Ib)に分割し,
P. glumaeに対する特異性を調べた結果,PG2Ia (3.1kb)が供試した全菌株に高い相同性を示し,
P. glumaeの特異的プローブとして有効であると考えた。PG2Ia, PG2IbおよびPG80Iに対する
P. glumae各菌株のハイブリダイゼーションのパターンから,供試菌株は籾由来の菌株で4群,イネ幼苗由来の菌株で2群,また緑豆のもやし由来の菌株で1群に分かれた。さらに,同一県内でも地区毎にハイブリダイゼーションのパターンが異なる菌株が分布していることが示唆された。
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