日本植物病理学会報
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22 巻 , 4-5 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • Hazime YOSHII, Shigeo YAMAMOTO
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 169-172
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1) The bath water seed disinfection method, which is widely used in Japan for the control of loose smut of wheat, Ustilago tritici, is as follows: After temperature of the bath water has risen to 45° or 46°C., the oven fire is put out. Wheat seed in a package is suspended in the hot water in a container with a slightly opened lid for about ten hours until the water temperature descends down to about 25°C. 2) Present experiments were carried out to ascertain the rate of decrease of water temperature under above stated method with bath-tubs of several different structures and water depths, and the time required for seed soaking for the control of loose smut of wheat. Three kinds of bath-tubs were used, namely, a mortar-tub, directly, heated with side oven, an iron-tub directly heated from below, and the common wooden-tub directly heated with side oven. Each of them had about 300 liters capacity. Wheat seed which had been inoculated with the fungus by the partial vacuum method of Oort was used. 3) The results obtained were as follows: i) The rate of temperature decrease at a definite time was proportional to the temperature of bath water at that time. ii) In case when the quantity of water was larger the rate of temperature decrease was smaller. iii) When the initial temperature of hot water was kept between 46°C. to 50°C., and the bath-tubs were filled with water, the difference of the rate of temperature fall due to the structure of bath-tubs was not so great as to disturb the practical use of the bath water soaking method. iv) It was found that five hours' soaking was sufficient for the control of the loose smut of wheat in case the initial temperature was kept at 46°C. v) No ill-effect for the germination of wheat seed was found when the initial temperature of bath water was kept at 46°C. and the fire was put out, even if the seed was soaked for ten hours.
  • 豊田 栄, 鈴木 直治
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 173-177
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    This paper deals with the changes in the respiration of leaf tissues infected by Piricularia oryzae. Rice varieties, Aiti-asahi (susceptible) and Kanto 53 (resistant) were used. Leaf lesions occurring on these varieties were classified into 5 types as shown diagramatically in Fig. 1. Lesions of the types 3, 4 and 5 were used for the experiments. Types 4 and represent the lesions on the susceptible var5ety and type 3 represents the lesion on the resistant variety. From each lesion, the central necrotic area is removed and a marginal zone of about 3mm width was taken as the material for measurement of the respiration rate. If the tissue is resistant, the respiration is stimulated to some extent, not exeeding over two times as that of non-infected tissue, while f the tissue is susceptible, the respiration is stimulated up to 4 to 5 times. The RQ gives usually 0.8 in the healthy, and 0.9 in the infected tissues. The diminution of Pasteur effect (shown by QairCo2/QN2Co2) is remarkeble in the susceptible tissue, but in the resistant tissue it is not affected. The respiration of resistant tissue is inhibited by 10-25 per cent by such metal enzyme inhibitors as NaN3, 8-hydroxyquinoline, and salicylaldoxime, while, that of susceptible tissue is not affected, suggesting that flavoprotein enzyme works as terminal oxidase in the infected tissue, in place of metal protein enzymes. The above mentioned change of terminal oxidase system in the infected tissue is probable because it is already known that P. oryzae produces two toxins, α-picolinic acid. and piricularin and that these are inhibitory to metal enzymes (Tamari et al.). The writers consider that the main cause of unusual stimulation of respiration and the diminution of Pasteur effect in susceptible tissue is the change of terminal oxidase, from metal protein to flavoprotein.
  • 浅田 泰次
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 178-182
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    1. 稲胡麻葉枯病菌の培養濾液内に正常及び秋落稲の健全部及び罹病部を入れその重量変化並びに溶出した窒素量を測定すると健全部及び秋落稲罹病部は重量減少,窒素の溶出が大で正常稲の罹病部は少なかつた。即ち正常稲の病斑部近辺では窒素化合物は不溶性になつていると考えられる。2. 感染に伴う稲葉内thiamine量の変化及びthiamine破壊物質の生成をみると秋落稲は最初からthiamine量多く,正常稲では感染初期に著しいthiamineの破壊が行われるが,秋落稲では破壊が少い。3. 正常及び秋落稲共に感染によつて呼吸が増大するが正常稲は呼吸に伴う燐酸のTurnoverが有効であり秋落稲では不充分で呼吸基質を無駄に消耗している。4. 無酸素下では病斑の拡大が全く起らない。
  • 見里 朝正, 石井 至, 浅川 勝, 福永 一夫
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 183-187
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    稲熱病菌を被検菌とした抗黴性抗生物質の定量法について検討したところ次の結果を得た。1) 稲熱病菌(農技研P. 2)を検定菌とした時の検定培地としてはyeast-starch培地がよい。2) Blasticidinは培地並びに試料のpHともに5.0に於いて最犬の抗菌力を示し,また阻止円の大きさは培地中の被検菌の胞子濃度により著しく左右される。最適胞子濃度は17~34×104spores/mlである。3) Blasticidinは濃度0.2~2.0mcg/mlの間で標準直線法によるカップ検定が可能である。4) Antimycin Aは濃度0.05~5.0mcg/mlの範囲で,またBlastmycinは0.05~0.5mcg/mlの濃度範囲で標準直線に基いた濾紙円板法による微量定量が可能である。
  • 日高 醇, 村野 久富, 神山 功
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 188-192
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    苗床でタバコにストレプトマイシンを散布して,その苗の生育および畑に移植してからの初期の生育におよぼす影響を検討した。苗床のタバコ苗に200mcg/mlのストレプトマイシン硫酸塩の水溶液を7日間隔で1~4回散布して,その後の生育状態を葉数,最大葉の長さおよび幅,全植物体の生体重および乾燥重によつて測定した。ストレプトマイシンを散布したタバコは,無処理区のものよりも生育がすぐれていた。苗床で125または250mcg/mlのストレプトマイシン水溶液を2回散布したタバコ苗を畑に移植したとき,畑における初期生育に良好な結果を示した。なおストレプトマイシン散布によつてタバコの発蕾を早めることも認められた。
  • 内藤 中人, 小島 義之
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 193-196
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    (1) 2, 4-D, 2, 4, 5-T, MCP, CPA,およびMPAのフェノキシ化合物添加寒天培地におけるオリーブ炭疽病菌菌叢は,ほとんどの供試濃度において,その周縁部が不規則な波状形態を呈した。これに反も他の薬剤では,標準無添加区と同様ほぼ円形であつた。
    (2) 2, 4-D添加培地における柿炭疽病菌,およびスエヒロタケの菌叢も,同緑の波状形態を示すが,稲胡麻葉枯病菌には,これがみられない。
    (3) 上述の事実,ならびに筆者ら既報の諸結果は,菌叢周縁部にみられる波状形態が“staling”型生長相の1特性であるというBrownらの見解とよく一致する。
  • 竹内 英郎, 井出 陽郎
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 197-200
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    4種の有機水銀化合物を土壌に注入した後土壌,及びその土壌の洗滌をくり返すことにより洗滌された土壌と洗滌液の殺菌力の変化する状況を比較検討した。
    1. CH3HgIは土壌に注入することによつて殺菌力の低下を起さない。またその土壌を洗滌しても完全に殺菌力を失うことなく,一部は土壌中に保持されて殺菌力を保持する。
    2. CH3OC2H3HgClは土壌に注入することによつて速かに殺菌力を失うがその洗滌液は殺菌力を有する。
    3. (C2H5Hg)2HPO4は土壌に注入すると殺菌力は若干低下し,その殺菌力は洗滌によつて徐々に低下し,洗滌水そのものは殺菌力を示す。
    5. を土壌に注入すると速かに殺菌力を著しく低下し,洗滌液もまた低い殺菌力を示す。
  • 梶原 敏宏, 岩田 吉人
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 201-203
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    キュウリ露菌病の病斑上での分生胞子の形成順序について観察を行つた。
    (1). 供試材料を装置後約2時間で分生子梗の形成が開始される。分生子梗が僅かに伸びてから伸長を停止するものがかなり見受けられるが,これらは分生胞子を形成するに至らなかつた。
    (2). 装置後6時間30分~9時間で分生子梗の分岐が始まる。分岐は次々に叉状に行われるが,分枝によつては分岐を停止するものもあるので最終の分枝(極枝)数は一定しない。
    (3). 装置後7時間20分~9時間40分後に分生胞子の形成が始まる。分生胞子は極枝の先端に1個づつ一斉に形成されはじめ無色であるが形成の半ば頃から着色する。分生胞子は50~70分の極めて短い時間で完成する。
    (4). 分生子梗が分岐中に悪条件にあえば直ちに分岐を停止して胞子形成を開始する。
  • 岩田 吉人
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 203
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 山口 洋一
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 204-210
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    Thielaviopsis basicolaの3菌株を用い,in vitroにおける菌糸の生長と胞子形成におよぼす栄養,温度およびpHの影響を研究した。
    1. T. basicolaはNO3-NをN源とするときは全く生長しないが,NH4-Nではかなりよく生長する。アミノ酸の多くはN源としてすぐれていた。菌糸の生長量と胞子形成量とからみれば,供試したN源のうちalanine, glutamic acidおよびasparagineが最もすぐれたN源であると思れる。
    2. N源が胞子形成におよぼす影響は,菌株によつて異なり,No. 13はNH4の無機塩をN源とするとき多量の厚膜胞子を形成するが,No. 11では少なく,histidineでは逆の結果を示した。またleucineではNo. 11は相当量の厚膜胞子を形成したが,No. 13はほとんど形成しなかつた。N源の影響は胞子の種類によつても異なり,No. 13ではNH4の無機塩をN源とするとき厚膜胞子が多く内生胞子が少なかつたが,有機塩では逆であつた。
    3. 液体培地にNa2HPO4またはCaCO3を加えるといずれも生長量を増加した。両者を併用すると生長量は,Na2HPO4の単用よりも増加したが,CaCO3の単用よりも減少した。合成培地のN源に(NH4)2 HPO4を用いたとき,固体培地ではかなりよく生長したが,液体培地では全く生長しなかつた。
    4. No. 11の生長の最低温度は8~10℃,最高は32℃と思われる。最適温度は固体培地ではpH 5.5~7.0のとき26℃, pH 5.0またはpH 7.5のとき22℃であるが,pH 5.0~7.0で18-26℃の範囲ではかなりよく生長する。菌糸の生長にはpHよりも温度の影響が大きいが,内生胞子形成にはpHの影響も大きいようである。
    5. pHは培養の始めに酸性側に変化し,後期にアルカリ側に変化することが多い。変化は培地によつて異なり,その幅は8℃から26℃までの温度では温度の高い方が著しい。
  • 酒井 隆太郎
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 211-214
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    1.この報告には篤鈴薯疫病菌に対する紫外線照射の影饗,特に胞子の形成について行つた実験結果を記した。紫外線波長は3129Å~5780Å(簡接照射)及び1850Å~5780Å(直接照射)で,照射距離は15cmである。
    2.菌糸は直接照射では30秒照射によつて異常を認め,90秒で空中菌糸の1部が桔死し,照射時間の増加に伴い被害面積が拡大する。間接照射の場合は特に明らかな影響は認められない。
    3.胞子形成は直接照射では5~10秒,間接照射では5~10分の照射によつて最も促進されたが,その効果は後者において大である。
    4.本実験の範囲内では紫外線処理により病原性に変化を認めなかつた。
  • 小室 康雄
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 220-224
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1) カボチャ・モザイク・バイラスの耐稀釈性は500~1,000倍,耐熱性50~55℃,耐保存性は5~10日であつた。
    2) 本バイラスとCMVとの間でキュウリ,カボチャを用いて行つた交叉免疫試験では両バイラス間に交叉免疫作用はみられなかつた。
    3) 前報の結果とあわせ既知の諸バイラスの記載と比較した所,本バイラスはLindbergら(1956)のMelon mosaic virusの1系統と認められる。Vasudevaら(1943)によつてインドで報告されたBottle gourd mosaic virus (Cucumis virus 3),アメリカで報ぜられたAycock (1951)のCantaloupe mosaic virus, Anderson (1954)のWatermelon mosaic virus (Marmor citrulli)は本バイラスと近縁な系統のようである。
    4) シロウリ,トウガ,スイカのモザイク株から本バイラスとほぼ同一或は近縁と思われるバイラスを分離した。
  • 高村 芳三郎
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 225-229
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    各種殺菌剤が稲熱病菌々体磨砕液のTTC還元に及ぼす作用について検討した。菌体は馬鈴薯煎汁添加栃内培養基に27℃ 72時間振とう培養したものを主として用いた。反応は28℃ 2時間。耐熱性50℃ 10分。コハク酸ソーダの添加で活性は高められた。またマロン酸は基質として同時に与えたコハク酸と等濃度またはそれ以上の濃度で強く阻害した。以上の結果から本実験のTTC還元に関与するのはコハク酸脱水素酵素系と考えられる。
    各種殺菌剤による阻害は水銀剤MEMC, EMPが10-5~10-7Mで最も強く,次いでPMA, MCが10-4~10-6M, PMTS, EMTSが10-4~10-5Mの順を示し,銅剤CS,有機硫黄剤TMTD, Zbは10-3~10-5 M, dinitro化合物DNPTC, TCDNBは10-3~10-4Mでそれぞれ阻害した。PCNBは影響がなかつた。アセトン,PEG-300等の溶媒も最終濃度1%以上では阻害がみられた。10-4M以上のシステイン添加で薬剤の阻害が再賦活された。
  • 平田 幸治, 富樫 邦彦
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 230-236
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1. 本報告はオオムギの諸品種の幼苗の第一葉な切取り,白渋病菌(日浦の生態型I)の分生胞子を接種してから,水またはCa塩類等の溶液(0.01又は0.015モル)に挿して,接種後2-3日目の感染状況を比較調査した結果である。
    2. 水に挿した場合に,罹病性,抵抗性のどの程度の品種においても,第一吸器(胞子が発芽してから最初に形成される吸器)が副細胞に形成されること(副細胞感染)が比較的に多く,感染数の90%以上を占めることもある。
    3. 副細胞感染は気孔の開閉運動との間に特に深い関係を認められず,副細胞の膜の厚さ,副細胞が開閉細胞と共に葉面から落ちこんでいることとも特別に関係はないようである。
    4. Ca塩類は罹病性,抵抗性のどの程度の品種に対しても罹病性を著しく高め,副細胞感染率を低くする。0.04又は0.07モル溶液は更に大きい効果を持つている。Ca塩類の作用はオオムギ白渋病菌の別の生態型(日浦氏のIX)に対しても,カモジグサの白渋病菌に対しても同様の傾向を示す。
    5. MgCl2は罹病性を高めるがCa塩類ほどではなく,BaCl2は罹病性を低くする。NH4塩類は罹病性を低くする場合があり,K, Naの塩類は罹病性に大して影響しない。LiClは罹病性を著しく低くする。
    6. Ca塩類とK, Na塩類との等量混合液では,Ca塩類単独の場合の罹病性程度にかなり近ずくが,LiClの溶液と混合した場合には罹病性に傾き難い。
    7. 葉片を暗所においたり,水洗してやや黄化したものでは感染数が多くなり,副細胞感染率が低くなつて,Ca塩類で処理した場合に似る。
  • 富山 宏平
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 237-242
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1) 馬鈴薯葉柄及び塊茎スライスの組織を5分間45~53.5℃の温湯に浸漬し,冷却後疫病菌を接種した。抵抗性はこの処理で著しく低下した。
    2) この処理は菌の侵入時間に影響しなかつた。また生細胞内の菌糸伸長速度にも影響しなかつた。
    3) 菌侵入後の寄主植物の過敏感死時間は著しく遅延した。
    4) 原形質糸の出現頻度は,この処理で著しく低下した。
    5) 塊茎スライスのR.Q.はこの処理で影響されない(少なくも20時間後に)。また呼吸はこの処理で著しく低下し,且つ処理終了後もなお低下を続け,ある時間後に再び回復し始める。
    6) 以上から疫病菌侵入に伴う寄主植物の過敏感死と代謝活性は密接な連関を持つと結論した。
  • 脇本 哲
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 243-250
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    稲白葉枯病菌ファージ(OP1ファージ)は蒸溜水と共に乾燥させるならば,冷凍真空乾燥,常温真空乾燥及び常温常圧乾燥などの何れの乾燥方法を選ぶともその直後に殆んどの活性を失い,以後貯蔵期間中にも次第に不活化する。然るにゼラチン,アルブミンなどの蛋白を10-3g/ml~10-1g/ml程度含んだ液と共に乾燥させる場合は冷凍真空乾燥により約60%,真空乾燥により約20%のファージ活性を維持し,また10-1g/ml程度の濃厚なゼラチン或はカゼインなどの加水分解物と混じて冷凍乾燥させた場合はファージの活性はよく維持され70%以上に及び,真空乾燥の場合も約50%生存する。馬鈴薯半合成培地と混じて乾燥させた場合は冷凍真空乾燥,常温真空乾燥の何れによるも約50%生存する。またゼラチン加水分解物中の個々の構成アミノ酸では2%液において比較的よく保護するが,その効果の1時的なものはGlycine, Alanine及びProlineであり,4日後においても尚保護効果を維持しているものはHistidine, Glutamic acid及びAspartic acidである。
    OP1ファージの乾燥に際し蛋白,またはその分解産物の添加により不活化から保護される機構は,蛋白及びペプタイドによる単分子膜の形成と共に,これらのファージへの或種の結合によりその活性基を保護するものと考えられる。そして種々の糖類及びCaCl2,NaClなどの無機塩類はこの作用を有しない。
    ファージ類の保存には,従つて蛋白を10-2~10-3g/ml含む液或はそれらの加水分解物或はまた馬鈴薯半合成培地と共に冷凍真空乾燥させるのが最も便利で確実である。
  • 黒崎 良男
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 251-256
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1. ゴマハガレ病の病斑の大きさの分布は正規分布に従わず,特異的な歪のある分布を示す。
    2. この分布はイネ組織の抵抗性と関係があると考えれば説明できるので,抵抗性をもととした分布函数の導入を試みた。
    3. 拡大抵抗性αtを次の如く定義した。
    但し,接種後の時間tにおいて伸長中の病原体Nt個の内,続くΔt時間内に-ΔNt個体だけが寄主の抵抗性のために伸長を停止させられたものとする。
    4. 抵抗性を上の如く定義すれば,病斑の長さの分布は次の確率密度をもつ。
    但しxは病斑の長さで,その単位長さを伸長するに要する時間を時間単位にとれば
    5. αt=f(t)としては次の指数函数が適当である。
    6. 導入した分布函数は実測値によく適合する。したがつて病斑の大きさの分布から抵抗性の時間的推移を推論することが可能である。
  • 黒崎 良男
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 257-259
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1. 前報で導入した病斑長の分布函数を抵抗性の異る他の寄主に適用したところ,実測値と計算値は比較的よく一致した。
    2. 拡大抵抗性を記述するには,平均病斑長の様な統計量では不充分であり,今少し動的にみる必要がある。葉位別にみた抵抗性を例にとりこの点を論じた。
  • 下村 徹, 西川 陽之助, 平井 篤造
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 260-264
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1) 浸漬法による第1次スクリーニングで選択した未知抗生物質の内,18標品について切取葉の葉面散布法による第2次スクリーニングを行つた。
    2) 第1次スクリーニングでかなり効果を示した抗生物質も,葉面散布法では何れも効果が減少した。しかしなお20%程度の阻害率を示すものが多少得られた。これらの標品をTMV感染の鉢植トマトに散布して,ウイルス阻害にやや有望と思われるものが認められた。
    3) 前報でとられたウイルスの分離方法を多少改良し,その方法について検討を加えた。
  • 野中 福次
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 265-267
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1. 穂首イモチ,節イモチ及び紋枯病が稲小粒菌核病の被害度に及ぼす影響を試験した。
    2. 節イモチは稲小粒菌核病の被害度を非常に助長するが,穂首イモチでは,ひどくイモチに侵された場合に被害度を軽減せしめる傾向がある。
    3. 紋枯病の被害度が軽少な場合は小粒菌核病の被害度に影響は見られないが,紋枯病の被害の大きいときは,小粒菌核病の被害度を助長する。
  • 後藤 正夫, 岡部 徳夫
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 268-273
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1. E. carotovoraの鞭毛抗原及び菌体抗原の熱による不活性化の問題を研究した。
    2. 12血清型の代表的菌株を用いて行つた実験では鞭毛抗原は58~78℃, 10分の加熱によつて不活性化し,抗原性を喪失する。この温度は血清型によつて一定し,±1℃の範囲内で再現し得る。
    3. 鞭毛抗原は普通2種以上の因子抗原から構成されているが,血清型によつては因子抗原の種類によつて不活性化温度を異にする。
    4. K血清型(Chr. 1菌株)の鞭毛抗原はk, a,及びc抗原から構成されている。a抗原は単独で存在する場合は63℃で不活性化するがk抗原(不活性化温度78℃)と共存する場合には75℃で不活性化する。抗原の組合せ如何によつて不活性化温度が異る例として注目に価する。
    5. 無鞭毛菌の一部の菌体抗原(P8株のc1, c3)は55℃ 10分の加熱によつて抗原性を失う。
    6. 100℃, 1時間の加熱死菌の注射によつて得たO血清の菌体凝集反応は,生菌注射によつて得たOH血清の菌体凝集反応に比べて一般に反応菌株の数が減少する。しかしD血清型はこの逆でD及びA血清型の菌体抗原と広く反応する。即ちこの血清型では類属凝集反応が耐熱性の菌体抗原によつて起り,他のE. carotovoraの血清型と逆の関係にある。
  • 西村 正暘
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 274-275
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    The faculty to produce fusaric acid in culture which is toxic to plant living cell was investigated by using the 25 strains belonging to 6 sgecies of the genus Fusarium. In F. oxysporum and F. maniliforme all the forma specialis were positive, but the other four Fusaria employed in the present experiment were negative.
    It might give an interesting problem in the study of pathological wilt-mechanism in pinat, that all the Fusarium belonging to oxysporum and moniliforme, have the faculty of fusaric acid production and then cause a systemic fusariose as wilting or damping off of host plant Moreover, application of investigating the faculty to produce such specific metabolite as fusaric acid in culture will be help in studying species relationship in Fusaria.
  • 後藤 正夫
    1957 年 22 巻 4-5 号 p. 276-279
    発行日: 1957/12/31
    公開日: 2009/04/21
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