イネ縞葉枯ウイルス(RSV)の粒子および核酸について検討した。RSV粒子は電顕下で環状のひも状粒子として観察された。純化RSVより抽出した核酸をコンポジットゲル(2%ポリアクリルアミド-0.5%アガロース)で電気泳動したところ4本の一本鎖RNA (ss-1, 2, 3, 4)の他に同数の二本鎖RNA (ds-1, 2, 3, 4)が検出された。未変性条件下における一本鎖RNAの分子量は3.1, 1.5, 1.2および1.0×10
6,二本鎖RNAの分子量は5.0, 2.8, 2.1および1.7×10
6であった。ショ糖密度勾配遠心(10∼40%)を繰り返して粒子を分離したところ従来報告のM成分は2成分から成り,合計4成分(nB, B, M2, M1)であった。単離成分から核酸を抽出したところnB成分よりss-1とds-1, B成分よりss-2とds-2, M2成分よりおもにss-3とds-3,およびM1成分よりおもにss-4とds-4が検出された。ds-RNAを変性させて得たss-RNAの分子量が各成分中のss-RNAに対応すること,およびds-RNAをプローブとしたハイブリダイゼイションの結果から二本鎖RNAの片方は同一成分より検出される一本鎖RNAと同一であることが示唆された。
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