日本植物病理学会報
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27 巻, 3 号
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  • 平塚 直秀
    1962 年 27 巻 3 号 p. 95-98
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 末松 直次
    1962 年 27 巻 3 号 p. 99-101
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 三沢 正生, 加藤 盛
    1962 年 27 巻 3 号 p. 102-108
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    小粒菌核病罹病稲の倒伏と, 罹病組織の崩壊との関係について実験した。
    1. 罹病稲の倒伏は, 多くの場合出穂以後にみられる。この時期においては, 罹病部では柔組織が崩壊しているものが多く, 木質化組織も表皮より分離し, 稈を構成している骨骼組織の変化が大きい。
    2. 倒伏時における罹病部の細胞膜中葉ペクチン質は, 染色性が変化し, さらに溶解, 消失している場合もみられる。またセルローズでは, 粘度試験や偏光顕微鏡による観察結果から, この部のセルローズは結晶構造が全く変化し, 比粘度の低下も認められる。
    3. このような罹病部における諸変化の主要因は, おそらく病原菌の分泌酵素によるものと思われる。
    4. 細胞膜変質の原因物質として, 菌の分泌酵素を調べた結果, 本菌はペクチン分解酵素, セルローズ分解酵素を分泌することがわかつた。しかし両菌の分泌する酵素の作用形式には, 明らかな相違がみられる。小球菌では, ペクチンの液化型酵素およびCx型のセルローズ分解酵素が多く生成される。小黒菌では逆に糖化型のペクチン分解酵素とC1型のセルローズ分解酵素が多い。
    5. 稈の倒伏抵抗性は, 稈のヤング率によつて支配される。ヤング率はまた細胞膜のヤング率と密接な関係があり, 罹病による細胞膜の変質や, リグニン化組織の分離等が稈のヤング率減少の大きな要因となつている。
    6. 小粒菌核病罹病稲が倒伏しやすくなるのは, 菌の侵害による細胞膜の変質, それに連らなる稈のヤング率の減少が最大の要因と思われる。
  • 後藤 忠則, 大島 信行
    1962 年 27 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本論文はアブラナ科の帰化植物ヤチイヌガラシ (Radicula sylvestris Druce) が外観健全であるが, 幾種類かのウイルスを保毒しており, その一つのウイルスが, タバコモザイクウイルスの1系統であることを次の諸点から明らかにした。
    1. ヤチイヌガラシの中にTMV-Cが約9%, CMVと思われるもの約17%およびその他のウイルス約10%が保毒されていた。
    2. TMV-Cはアブラナ科植物に感染性で, 特にカブ (寄居) には良く全身感染し, 斑紋を生ずる。この他N. glutinosa, タバコ (サムスンおよびホワイト・バーレー), N. rustica, N. sylvestris, N. sanderae, N. alata, N. acuminata, N. debneyi, ササゲおよびヒャクニチソウに感染する。この中 N. glutinosa および N. rustica 上では TMV と全く同一の病徴を現わした。N. sylvestris には接種葉に局部病斑を生じ全身感染しない。なお, タバコ (アンバレマ) には非感染性であつた。
    3. このウイルスはタバコ (サムスン) 上での交互免疫反応試験において, 最初に感染していた TMVに干渉された。
    4. 物理化学的性質において90°C処理, 1,000,000倍稀釈でもなお病原性を失なわず, 汁液中で30日後にも病原性に変化がなかつた。
    5. このウイルスの形態は桿状, 大きさは約300mμであつた。
    6. 以上の点から推量して TMV-C は TMV の1系統と思われる。
  • VI. 諸種の抗ウイルス性薬剤の散布実験
    平井 篤造
    1962 年 27 巻 3 号 p. 115-121
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 主として薬剤の茎葉散布, 一部には土壌灌注法を用いて, 植物ウイルス病の全身感染および局部感染に対する抗ウイルス剤の効果を試験した。
    (2) TMV接種タバコ, TMV+PVX混合接種トマトに対しては, Actidione, thiouracil, Dextromycin などの茎葉散布は, 潜伏期間をやや長くし, 体内のウイルス量を減少させる作用がある。CMV接種トマトに対しては, 以上のほかに発病率をやや低下させた。
    (3) TMVの接種によつてインゲン・Nicotiana glutinosa 上にできる局部病斑, ならびにPVXの接種によつてトウガラシ上にできる局部病斑は, いずれも Actidione, thiouracil の葉への散布あるいは塗布によつて, かなり顕著にその形成が阻止された。
    (4) ツマグロヨコバイの伝染によるイネ萎縮病に対しては Actidione・thiouracil・2, 4, 6-triamino-5-phenylazopyrimidine (Py-41) などが, やや潜伏期間を長くする傾向が認められた。
    (5) thiouracil の土壌灌注によつて, TMV+PVXの混合接種によるトマトのネクローシス性の病気がかなり軽減された。
  • 平井 篤造
    1962 年 27 巻 3 号 p. 122-128
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. ZnEDC, NH4EDCを土壌灌注すれば, トマト苗葉のジャガイモ疫病菌による病斑伸展を阻止する。
    2. EDCを土壌灌注したトマト苗葉, または葉面散布してよく水洗したその散布葉の, 各葉汁液中には, イネごま葉枯病菌分生子の発芽を阻害する物質がある。この物質は透析によつて除かれる。
    3. NH4EDCと土壌灌注したトマト苗葉では, 非タンパクNおよび全酸量が増し, コハク酸→リンゴ酸→の経路が促進し, また酸素吸収が増進する。しかし核酸量には対照葉との間に差がなかつた。
    4. 希薄EDC溶液を室温に放置すると, イネごま葉枯病菌分生子の発芽阻害が増加する。このとき同時に277mμの紫外部吸収が現われ, ETMあるいはETDが形成されたことを示す。EDCを葉面に散布し, あるいは菌体と接触させて, ETMが形成され, またその形成が促進されることを証明した。
  • 病原菌の Pectin 分解力およびC源としての利用
    宮川 経邦
    1962 年 27 巻 3 号 p. 129-137
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) Penicillium digitatum およびP. italicum は asparagine-glucose を含む数種の培地で構成的, 適応的に pectin-methylesterase および polygalacturonase を産生した。
    (2) 両病原菌の培養滬液にみられるPGの作用するpH域はほぼ3.6∼5.5の間にあり, 両菌間にはわずかながら相違はあるが, 最適pH値は1カ所にみられた。
    (3) 両病原菌の培養滬液, 菌体内の protopectinase 作用 (植物組織に対する maceration) はP. expansum 等に比べると弱かつた。
    (4) 両病原菌ともPG作用の初期に D-galacturonid acicd とともに tri- および di-galacturonic acid が検出され, 反応の進行とともに D-galacturonic acid だけが検出された。
    (5) N源を異にした数種の組成の培地においても両菌ともC源として pectin を利用した。
  • 日野 稔彦
    1962 年 27 巻 3 号 p. 138-142
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) アズキモザイクウィルス (AzMV) はアズキにモザイク, レンゲに葉脈帯黄化を起す。タチナタマメ, ナタマメ, ライマメ, ジュウロクササゲ, ハタササゲは無病徴寄主であり, インゲンは接種葉だけに無病徴感染を起す。
    2) AzMVは55∼60°Cで10分加熱, 100∼1,000倍希釈, 20°C 0∼24時間保存で不活性化する。
    3) 圃場でモザイク病に感染したアズキの種子で伝染するウィルスはAzMVだけで, ササゲモザイクウィルス (ApMV) は種子伝染しない。
    4) AzMVとApMVとの交叉免疫反応で, AzMV感染アズキはApMVの感染を阻止する。
    5) 以上の結果から検討してAzMVとApMVとは同一ウィルス群に属するものと結論できる。
  • 樫原 幸春, 日高 醇
    1962 年 27 巻 3 号 p. 143-146
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    タバコ/キウリモザイク病の罹病時期と被害との関係, とくに収量および品質との関係を, 1954年より1957年までの4カ年にわたつて研究した。無接種区にくらべて, 量目は苗床期 (移植15日前) 区30%, 移植当日区55%, 移植後15日目区56%, 30日目区36%, 45日目区20%を減少した。品質ではそれぞれ30%, 39%, 41%, 24%, 0%低下した。45日目区では差がなかつた。これを単位面積当りの被害率で示せば, それぞれ51%, 71%, 74%, 51%, 18%である。最も早く接種した苗床期区が, 30日目区と同じであり, 移植当日区と15日目区とが最もひどく, 45日目区はずつと被害率が低い。これはタバコ体内のCMVの消長およびそれにともなう病徴の消長に関係していると考えられる。本病は被害率ではタバコモザイク病と同様の傾向であるが, 品質よりも量目の低下が著しい。天候の影響を考慮に入れるならば, 罹病時期によつて, 大体の被害額を推定することができるであろう。
  • 1962 年 27 巻 3 号 p. 158-163
    発行日: 1962年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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