北見農業試験場における連・輪作試験地で連作によりインゲンの収量,草高が低下するいわゆる連作障害とみなされる現象が認められるが,この現象に植物病原菌が関与しているか否かについて検討した。
インゲン地下部あるいは土壌から分離し,インゲンに病原性が認められた
P. myriotylum,
P. spinosum,未同定
Pythium sp.のうち
P. myriotylumは連作区のみに見られ,連作区ではインゲンの生育中期にすでに感染していると認められた。
未同定
Pythium sp.は輪作圃場からほとんど分離されず,連作区のインゲン地下部組織および非根圏土壌から高頻度で分離された。組織からの分離率および土壌中の菌量は根の褐変が激しくなった生育初期から中期にかけて増加した。
以上の結果から,
P. myriotylumおよび未同定
Pythium sp.は連作区でインゲンの地下部に感染し,その生育中期までに根のえ死を起こし,その発育と地上部生育の低下をもたらし,連作障害とされる症状が現われると認められる。
卵菌類に選択的抑制効果をもつ殺菌剤ridomilを処理した連作土壌に栽培したインゲン苗の根は健全で,その生育も輪作土壌と同様になった。このことからも,少なくとも
Pythiumは連作障害の発生に関係していると考えられる。
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