1987年から1995年までの9年間,209樹のキウイフルーツ花腐細菌病の発生と開花日を調査し,開花日からさかのぼって60日前までを10日ごとにステージ1から6に類別し,各ステージでの発病率と10種気象要因(気温,最高気温,最低気温,気温較差(最高-最低気温),湿度,最低湿度,日照時間,日射量,降水量および降雨日数)との関係について検討した。開花日と発病率との関係では正の相関(危険率5%)が認められた。ステージ別気象要因と発病率との相関で0.5以上の相関係数を示した要因は,ステージ2の気温,最高気温,湿度,降水量および降雨日数,ステージ3の気温差,湿度,最低湿度および日射量,ステージ4の最低気温,ステージ5の気温および最高気温の12要因であった。この12種要因を用い,変数増加法による重回帰分析を行った結果,ステージ2の降水量,ステージ2の最高気温,ステージ3の気温較差および湿度,ステージ5の気温の5気象要因に有意差が認められ,かつそれらの要因の寄与率は61.2%と極めて高かった。このことから,開花10日から29日前の気象要因,特に前述の5要因が本病発生に強く影響を及ぼすことが明らかとなった。
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