日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
64 巻 , 6 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 曵地 康史, 鈴木 一実, 豊田 和弘, 堀越 守, 廣岡 卓, 奥野 哲郎
    1998 年 64 巻 6 号 p. 519-525
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Vibrio fisheri由来のluxCDABEオペロンを有するPseudomonas cichorii IBRC82のレタス葉における増殖と移行をVideo-intensified microscopy (VIM)カメラを用いて経時的に観察するとともに病徴発現との関係を調べた。lux由来の生物発光は,接種部位でまず接種2日後に観察され,その後,速やかに周囲に連続的に移行し,葉脈を通じて移行した。褐変は,生物発光が観察された部位に生じ,つづいて腐敗へと変わった。顕微鏡観察において,生物発光は表皮や葉肉の細胞間隙や維管束で認められた。これらの結果から,レタス葉における腐敗病の病徴の発現・拡大がP. cichoriiの細胞間隙と維管束における増殖と移行に伴って生じることが示唆された。レタス葉ディスクにP. cichorii IBRC82を減圧下で注入したところ,接種12時間後にディスク全体に生物発光が,接種36時間後にディスク組織の崩壊が観察された。真核生物のタンパク質合成阻害剤であるシクロヘキシミドを処理すると,生物発光は観察されたがディスク組織の崩壊は認められなかった。これらの結果から,P. cichoriiを注入したレタス葉の崩壊には,P. cichoriiの増殖とそれに対応した宿主組織のタンパク質合成が必要であることが明らかとなった。
  • 塚本 浩史, 津田 盛也, 郷原 雅敏, 藤森 嶺
    1998 年 64 巻 6 号 p. 526-531
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    タイヌビエ(E. oryzicola)の幼植物体に対するE. monoceras JTB-808の除草活性に影響する要因について,温室内で滴下接種法によって調べた。本菌の除草活性は,水管理と関係していた。すなわち,湛水深および湛水期間を増加させると,高い除草活性が得られた。105分生胞子/100cm2を7cmあるいは9cmの湛水深のポットに接種したとき,接種21日後95%以上の植物体が枯死し,その乾重は95%以上減少した。7日間以上の7cmの湛水では,接種21日後にほぼ同様の結果が得られた。湛水期間を14日間まで長くすると,植物体は完全に除草された。低水深あるいは短い湛水期間では,効果的な除草活性とならなかった。低融点アガロースゲル中に固定した分生胞子をタイヌビエの第1葉に接種する方法によって,湛水下の病斑拡大について調べた。1, 2あるいは3日間,接種葉を冠水すると,接種10日後までに壊死した病斑は,それぞれ葉面積の14.3, 78.7および95.3%にまで拡大した。以上の結果は,宿主植物を冠水することが病斑の拡大を促進し,高い除草活性に結び付いていることを示す。
  • 中原 健二, 畑谷 達児, 上田 一郎, 家城 洋之
    1998 年 64 巻 6 号 p. 532-538
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    カンキツ試料からの核酸抽出は,それに含まれる多糖類やフェノール化合物のためにしばしば困難な場合があった。そこで,従来の方法を以下のように改良した。すなわち,2-メトキシエタノール抽出と臭化セチルトリメチルアンモニウム沈殿の代わりに2-ブトキシエタノールによる分画沈殿を行った。この改良により,従来法と比べほぼ同じ純度の,そして,より多くの核酸が安定して抽出できた。その抽出核酸は,カンキツウイロイド(カンキツエキソコーティスウイロイド,グループIカンキツウイロイド,ホップ矮化ウイロイドカンキツ分離株)の連続ポリアクリルアミドゲル電気泳動(sPAGE)およびDIG標識cRNAプローブを用いたドットプロットハイブリダイゼーションによる診断に適用可能であった。さらに,sPAGEによりグループIIIカンキツウイロイド(CVd-III)と思われるウイロイド様RNAが,日本のカンキツ試料から検出された。そのcDNAをクローニングして塩基配列を決定したところ,海外で報告されているCVd-IIIaおよびCVd-IIIbと完全に一致した。そして,そのクローンから作成したDIG標識cRNAプローブにより,他のいくつかの日本産カンキツ試料からCVd-IIIが検出された。これの多くには,他のカンキツウイロイドが重複感染していた。
  • 大津 善弘, 中島 一雄, Maitree PROMMINTARA, 富安 裕一
    1998 年 64 巻 6 号 p. 539-545
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ネパールの主要品種‘スンタラ’のカンキツグリーニング病の代表的病徴には退緑斑紋(I),葉脈が網目状に残る退緑黄化(II),主脈が緑色に残る退緑化(III),若葉の軽い退緑斑紋(IV),葉脈黄化(V),葉脈のコルク化(VI)と黄色斑紋(VII)があり,これらの葉各1枚からGOのDNAを検出した。本病の病原体GO (Liberobacter sp.)のカトマンズ株(ネパール),ゴルカ株(ネパール)およびナコンパトム株(タイ)の16SリボソームDNA (rDNA)断片および16S/23S rDNAスペーサー領域の塩基配列を解析した結果,これらの配列は3分離株の間でまったく同じであり,16S/23S rDNAスペーサー領域にはtRNAI1eとtRNAA1aの遺伝子が存在した。そして,これらの配列はL. asiaticumインド株,中国株と非常によく似ていることから,タイやネパールで発生しているGOはL. asiaticumであると推定された。L. asiaticumによる7種の病徴型のうちIII, V, VIは検出DNA量が多く,PCR診断に適すると思われる。これら7種の病徴の多くを同一樹上に観察することで肉眼診断の正確度が高まると思われる。また,病徴型III, V, VIIはアフリカのスイートオレンジにおける病徴記載とも一致しており,両カンキツに共通したグリーニング病病徴であると考えられる。
  • S.M. Khorshed ALAM, 富樫 二郎, 生井 恒雄, 上田 幸史
    1998 年 64 巻 6 号 p. 546-551
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    リファンピシン耐性の野菜類軟腐病菌Erwinia carotovora subsp. carotovora (RRS)をマーカーとして,ハクサイ葉上に生存している軟腐病菌の感染源としての役割を調べた。1997年4月30日および8月5日に山形大学農学部附属農場のハクサイ連作ほ場にハクサイ(松島交配W1116)を播種した。供試のリファンピシン耐性軟腐病菌を100mlのブイヨン培地で25°C, 24時間振とう培養後,遠心洗浄し,106cfu/mlの濃度の殺菌水懸濁液を作製した。この懸濁液を播種後20, 33, 47および60日のハクサイ葉上に株あたり2ml散布した。他方,懸濁液の菌濃度を108, 106, 104, 102および100cfu/mlのオーダーに調整し,播種後45日のハクサイ葉面に各濃度の懸濁液をそれぞれ株あたり2mlずつ散布した。ハクサイ葉面に散布した軟腐病菌は葉上で収穫期まで生存していたが,軟腐病は殺菌水を散布した対照区と同様に播種後50∼60日頃から発生した。被害程度は春播ハクサイの生育中期にリファンピシン耐性菌散布区で高い傾向を示したが,その他では差異がみられなかった。発病株の病斑および根圏からリファンピシン含有変法ドリガルスキー培地を用い希釈平板法により病原菌の分離を行ったところ,病原菌の散布時期や菌数に関係なく葉上に散布したリファンピシン耐性菌が病斑上と根圏から分離された。ほ場で軟腐病菌はハクサイ葉上から春播では播種76日後,夏播では33日後から組織1gあたり105∼106のレベルで検出された。これらのことから,軟腐病菌はハクサイの生育初期から葉上で腐生的に生存でき,本病の感染源の役割を持つことが明らかとなった。
  • 加藤 公彦, 大貫 正俊, 藤 晋一, 花田 薫
    1998 年 64 巻 6 号 p. 552-559
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    静岡県と愛知県のトマトにジェミニウイルスによる病害が発生した。静岡県のウイルスはタバココナジラミ(バイオタイプB)により伝搬されたが,汁液伝染はしなかった。宿主範囲は非常に狭く,わずかに2科5種の植物への感染が認められた。D. stramonium感染葉から部分純化したサンプルには,多数の双球形ウイルス粒子が観察された。ジェミニウイルスのDNA A成分を特異的に増幅するように設計されたPCRプライマーを用いたPCR法により,ウイルス感染植物から特異的なバンドが検出された。両県のウイルスはイスラエルのtomato yellow leaf curl virus (TYLCV)のmild isolateと塩基配列のホモロジーが非常に高かった。DNA A成分のゲノム構造はTYLCVと同一で,6つのORFにコードされるアミノ酸配列はTYLCVのmild isolateと95%以上のホモロジーであった。これらの結果より,静岡県と愛知県のトマトに発生したウイルスはTYLCVと同定され,イスラエルのmild isolateときわめて近縁であることが判明した。日本でTYLCVの発生の報告は初めてであるので,病名としてトマト黄化葉巻病を提案する。
  • 松本 工, 大木 理
    1998 年 64 巻 6 号 p. 560-564
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    葉脈モザイク症状を現す中国産ブドウ(Vitis vinifera cv. Abujiaoxi)を接木したSt. George (V. rupestris)等が葉脈えそと茎えそを現し,未記録病原による感染が示唆された。本病は23種の草本植物とSt. Georgeへの汁液接種では伝染しなかった。St. George等のえそ症状を示している葉と茎の超薄切片を観察したところ,篩部細胞に散在,集塊あるいは結晶配列した径26nmの小球形粒子とvesiculated bodiesが観察された。この小球形粒子は,所見の特徴からgrapevine fleck virus (GFkV)か近縁のウイルスと考えられる。また,篩部細胞の別の部位には,径110∼470nmの被膜に覆われた特異な大型粒子が観察された。
  • 中村 茂雄, 岩井 孝尚, 本藏 良三
    1998 年 64 巻 6 号 p. 565-568
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    宮城県内のモザイク症状ソラマメから分離したソラマメウイルトウイルス2 (BBWV-2) MB7株のゲノムRNAをクローニングし,その全塩基配列を決定した。RNA1はポリ(A)鎖を除いて5847塩基から成り,210kDa (1870アミノ酸残基)のタンパク質をコード可能な一つの大きなORFが存在した。このORF産物はコモウイルス,次いでネポウイルスのRNA1翻訳産物と相同性が高く,NTP結合モチーフ,プロテアーゼモチーフ,ポリメラーゼモチーフがコモウイルスのそれとほぼ同じ位置に見いだされた。ポリメラーゼ領域の相同性はコモウイルスと39.8∼41.0%であった。RNA2はポリ(A)鎖を除いて3589塩基から成り,119kDa (1064アミノ酸残基)のタンパク質をコードすることが可能な一つの大きなORFが存在した。このORF産物とコモウイルスのRNA2翻訳産物との相同性は20.0∼21.9%と低かった。
  • 折原 詳子, 山本 孝〓
    1998 年 64 巻 6 号 p. 569-573
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    アブラナ科野菜根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae Woronin)の休眠胞子に対する抗血清を作製し,酵素免疫検定法(ELISA, DIBA, TBIA)を用いて人工汚染土壌および罹病植物根組織から根こぶ病菌休眠胞子の検出を試みた。供試抗体は微量沈降法で2048倍希釈まで反応した。検出感度についてはELISAとDIBAでほぼ同じ結果が得られ,休眠胞子は抗原に用いた純化試料懸濁液で1×102個/mlまで,罹病根組織磨砕液では1×102∼1×103個/mlまで検出できた。休眠胞子密度が1×108個/g乾土になるよう作製した人工汚染土壌から調整した土壌懸濁液を希釈して供試した場合には,ELISA, DIBAともに1×104個/mlまで検出することができた。TBIAでは,罹病根組織内の休眠胞子を特異的に検出でき,罹病根組織内での休眠胞子の存在部位を観察することができた。また,抗血清は供試したSpongospora subterranea, Polymyxa betaeを含む他の19種類の土壌病原菌のすべてに対して交叉反応を示さなかった。
  • 萩原 廣, 我孫子 和雄, 井 智史, 清水 時哉, 小木曽 秀紀
    1998 年 64 巻 6 号 p. 575-578
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    In November 1997 powdery mildew of cyclamen was found in Nagano prefecture, Japan. White, powdery mycelial colonies appeared on petals. Artificial inoculation with the fungus was successful on cyclamen petals, but not on primula or begonia plants. Conidia were cylindric to doliform, 31-51×14-20μm, formed singly on conidiophores erected on aerial mycelium. Base of the conidiophores were almost straight but sometimes slightly curved. Lobed appressoria differentiated on germ tubes from conidia. No cleistothecium was observed. On the basis of the conidial stage, the fungus was identified as an Oidium sp. of the Erysiphe polygoni type.
  • 1998 年 64 巻 6 号 p. 579-584
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 64 巻 6 号 p. 585-592
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 64 巻 6 号 p. 593-604
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 64 巻 6 号 p. 605-614
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 64 巻 6 号 p. 615-635
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top