日本植物病理学会報
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32 巻, 3 号
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  • 明日山 秀文
    1966 年 32 巻 3 号 p. 109-110
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 平田 幸治
    1966 年 32 巻 3 号 p. 111-113
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 小室 康雄
    1966 年 32 巻 3 号 p. 114-116
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 村山 大記, 横山 竜夫
    1966 年 32 巻 3 号 p. 117-122
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 螢光標識抗体を用いてスライド法を試みた。
    2. TMV, PVX, PVYおよびRDVにおいて陽性反応が認められた。
    3. Box titrationによつてスライド凝集反応の鋭敏性がきわめて高いことが示された。
    4. 本法は従来のスライド法と同様に手技が簡単で,暗視野螢光顕微鏡による観察で特異的螢光を発する凝集物を明瞭に識別できた。
    5. 反応に必要な抗体量はきわめて少量で十分であつた。
  • 桂 〓一, 江川 宏, 土岐 忠昭, 石井 象二郎
    1966 年 32 巻 3 号 p. 123-129
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. スグキナ根こぶ病菌Plasmodiopora brassicae Woroninによる根の罹病部と健全部に含まれるジベレリンおよびジベレリン様物質の存在を調べた結果,存在しないことが明らかになつた。
    2. IAAおよびIAA様物質の存在を同様に調べたところ,ベンゼン,エチルエーテル可溶部にエンバク幼子葉鞘を伸長させる物質が存在したので,IAAと比較した。ペーパークロマトグラムと生物検定をくみ合わせた試験で調べたところ,罹病根には1∼2種,健全根には1種存在することが明らかとなり,そのうちの1種がIAAと推定される。
  • 小室 康雄, 岩木 満朗, 中原 守
    1966 年 32 巻 3 号 p. 130-137
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) 山梨,神奈川,長野,高知,鳥取各県で採集したトマトのモザイク,えそ症状株89株について主として数種検定植物に対する汁液接種によつてウイルスの種類を調べた。その結果,TMVが95%と非常に多数の株から分離され,CMVは24%, PVXは2%の分離率であつた。重複感染株は約20%あつて,その大部分はTMVとCMVの重複感染株であつた。
    2) 分離されたTMVの92%はタバコ(Bright Yellow)にlocal lesionをつくるだけで全身感染せず,かつインゲン(大手亡)にlocal lesionをつくらず,ここでトマト系と命名したものであつた。TMVの普通系は13%であり,トマト系と普通系の重複感染株は5%であつた。
    3) トマト系は抗TMV普通系血清とスライド法で凝集反応をおこし,耐熱性(90∼95°C),ウイルス粒子の形態でも普通系ととくに差がみられなかつた。タバコ(Bright Yellow)を用いて行なつた交叉免疫試験でも両系統が近縁なものであることが示された。寄生性の面では,タバコ(Xanthi)ではトマト系,普通系ともにlocal lesionをつくらず,上葉にモザイクをつくり,差がみられなかつたが,タバコ(Bright Yellow), N. sylvestris,ペチュニアではトマト系ではlocal lesionをつくるだけで全身感染しないのに対し,普通系ではlocal lesionをつくらず,全身感染しモザイクになつた。インゲンに対する両系統の寄生性は2)にあげたような差がみられた。
    4) トマト系は普通系に比べ,そのトマト接種葉における増殖がよく,かつトマト体内での移行もよいようで,トマトに対する寄生性の親和性が普通系よりも高い傾向がうかがわれた。
    5) このトマト系は従来TMVのtomato streak系と考えられていたものに同一または近縁と思われる。トマトのモザイク株からも多数分離されるところから,tomato streak系の名をさけ,Broadbentの用いているTMVのtomato virusにならつて「トマト系」と命名した。
    6) 1)にあげた89株の接種源のトマト上における病後のえそ症状の有無を中心にモザイク型(70株)とえそ症状(19株)に2大別し若干の考察を行なつた。その結果,モザイク型,えそ型それぞれから分離されるウイルスの種類別の分離率にとくに差がみられなかつた。
  • 岸 国平
    1966 年 32 巻 3 号 p. 138-144
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    静岡県においてメロンにー新病害の発生を認め,その病原ウイルスの寄主範囲,伝染,耐熱性などについて実験を行なつた。
    1. メロンの葉における本病の病徴には3つの型があり,えそ性微小斑点を多数生ずる場合(1型),えそ性大形病斑を少数生ずる場合(2型)および葉脈え死を伴う樹枝状病斑(3型)を生ずる場合とがある。茎および葉柄にはえそ性条斑を生ずる。
    2. 本ウイルスはマスクメロン,カンタループ,マクワウリには接種葉にlocal lesionを生ずるとともに全身感染し,スイカ,シロウリには接種葉にlocal lesionを生ずるが全身感染せず,他のウリ類および他科の植物には寄生性を示さなかつた。
    3. 本ウイルスは種子伝染を行なうが,ワタアブラムシによつては伝搬されなかつた。4. 本ウイルスの希釈限界は1:50,000∼1:100,000不活化温度は60∼70°C, 10分間,保存限界は22°Cで9∼10日であつた。
    5. 本ウイルスは現在までに報告されているウリ科植物を侵すウイルスのうち,若干の相違点はあるがwild cucumber mosaic virusに最も近い。
  • III. 菌株間における腐生能力のちがい
    宇井 格生, 生越 明
    1966 年 32 巻 3 号 p. 145-150
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 生態的に活動季節の異なるRhizoctonia solani 3菌株について,土壌中における腐生的性質の差異を検討した。
    2. バーミキュライト・トウモロコシ培地に培養した菌を,無殺菌土壌に種々の割合で混合し,inoculum potentialの異なる土壌をつくり,これら接種土壌を接種直後および室内に2週間放置したのち,それぞれ実験に供した。
    3. 接種した土壌中における菌株の腐生能力および生育の状況を,アマ茎の小片に対する菌の着生率(colonization率),Rao (1959)の寒天平板法による菌の検出率および,埋没スライド表面に付着した菌糸片数から比較した。
    4. 接種直後の土壌では,接種量の増加た伴う着生率,検出率の増加の傾向は,菌株により異なる。増加傾向から判断して,3菌株間で腐生能力(Garrett, 1956の定義による)はF-20が最も強く,次いでB-5, F-16である。
    5. 接種後2週間放置した土壌中における腐生的活動は,接種直後と比べF-20はほとんど変化しないが,B-5は明らかに低下し,F-16はいちじるしく低下する。ことに若い培養を接種源としたとき,その低下は極端である。しかし,F-16がこの間に死滅したとは認められない。
    6. これらの結果から,F-20は土壌中で高い腐生能力を持続するのに対し,F-16は基質のないとき短期間にその能力が低下し,休止状態となる傾向をもつ菌株と見なされる。すなわち3菌株の腐生能力はF-20>B-5>F-16の順となる。
  • 角名 郁郎, 山口 彦治, 北村 吉覇, 落合 道彦, 衣川 二郎
    1966 年 32 巻 3 号 p. 151-158
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本報において36種の3-methylpyrazole誘導体のイネいもち病,もんがれ病,しらはがれ病およびキュウリたんそ病に対する効果について温室内で試験した。
    イネいもち病に対する予防効果と3-methylpyrazole誘導体の化学構造との間には密接な関係があつたが,イネもんがれ病およびキュウリたんそ病に対する予防効果ならびにイネしらはがれ病に対する治療効果との間には関係は認められなかつた。
    ピラゾール核の1位に4-nitrophenyl基または4-halogenophenyl基を有し,4位にチオシアナト基を有しまたは有せず,5位にメチル基またはフェニール基を有する3-methylpyrazole誘導体はいもち病に対して高い予防効果が認められた。また4位にチオシアナト基を有するものは有しないものより効果が高く,5位にメチル基またはフェニール基を持つものは,4位にチオシアナト基を持たないものを除きほぼ同程度の効果であつた。
    3,5-dimethyl-1-(2-nitrophenyl)-4-thiocyanatopyrazole, 3,5-dimethyl-1-(4-nitrophenyl)-4-thiocyanatopyrazoleおよび3-methy1-1,5-diphenyl-4-thiocyanatopyrazoleはイネいもち病に対し予防効果が高く,分生胞子形成阻害効果も多少認められたが,治療効果は低かつた。圃場におけるベッド試験ではこれらの化合物はブラストサイジンSの効果に劣つた。
  • 角名 郁郎, 山口 彦治, 北村 吉覇, 落合 道彦, 衣川 二郎
    1966 年 32 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 1966/06/30
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本報においてピラゾール核の1, 3, 4, 5位に種々の置換基を有するピラゾール誘導体39種のイネいもち病,もんがれ病ならびにしらはがれ病に対する効果について温室内ポット試験で検討した。その結果いもち病に対する予防効果とピラゾール誘導体の化学構造との間には明らかな関係が認められたが,もんがれ病に対する予防効果およびしらはがれ病に対する治療効果との間にはその関係は認められなかつた。
    ピラゾール核の1位にアリール基を有する5-hydro-xy-3-methylpyrazole誘導体のいもち病に対する予防効果は,4位にチオシアナト基を有するものよりも有しないものの効果が高かつたが,3位のメチル基がアミノ基に置換した3-amino-5-hydroxy-1-phenyl-4-thiocyanatopyrazoleの場合は高い効果が認められた。またピラゾール核の4位にethoxycarbonyl基,シアノ基,5位にフェニール基あるいはアミノ基などを有する1-(4-thiocyanatophyl)-pyrazole誘導体に高い予防効果が認められた。
    イネもんがれ病に対して1-(4-chlorophenyl)-5-hydroxy-3-methylpyrazoleは予防効果があり,5-amino-1-phenyl-4-thiocyanatopyrazoleはしらはがれ病に治療効果が認められたが,ともに対照薬剤にくらべるとその防除効果は低いと推定された。
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