一部非植物病原細菌を含む14属63種99菌株を用いてグルコース,スクロース,酒石酸ナトリウムおよびL-アルギニンの利用試験を8種類の基礎培地で行った.さらに9種類の炭素源を追加試験し,DyeのOY培地は炭水化物や糖アルコールの試験にも使えることおよび本試験で考案したBMC培地は炭水化物,糖アルコール,有機酸,アミノ酸の試験に共通に使えることを見出した.BMCの組成はNH
4H
2PO
4 0.4g, (NH
4)
2HPO
4 0.6g, KCl 0.2g, MgSO
4・7H
2O 0.2g, NaCl 5.0g, yeast extract 0.2g, 0.5% bromthymol blue [BTB]水溶液10ml,水990ml,寒天16g, pH 6.8である.この培地は0.5%グルコース添加BMCで1週間以内に陽性になるような細菌に限って使用できる.これより多くの栄養分を必要とする細菌,例えば
Clavibacter属などに用いる培地はさらに検討が必要である.また,異なる基礎培地で得られた結果を比較する場合には,栄養分の含量と培養期間に注意を払う必要がある.とくに,栄養分の不足あるいは過多によって見かけ上陰性の結果がもたらされる場合のあることに留意する必要がある.
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