日本植物病理学会報
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15 巻 , 2 号
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  • 明日山 秀文, 小室 康雄
    1951 年 15 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    紅丸ジャガイモの漣葉性モザイク病に就いて昭和21年10月より昭和23年7月迄に行つた實驗結果である。
    1) 原寄主上に於ける病徴は高温になると不明瞭になることもあるが,大體全生育期間を通じ生長點附近の6~7枚の葉にmottleが見られ,葉縁は波状を呈し,所謂crinkle mosaicの病徴を示した。streakは全期間を通じ一度も認められなかつた。
    2) 含まれるvirusの分析接種試驗の結果,牙蟲によつては運ばれないが汁液によつて運ばれるX virusと,汁液・牙蟲兩者によつて運ばれるY virusとの2種のvirusが重複して含まれていることを知つた。
    3) 分離したX virus, Y virusの兩種又はY virusだけを外觀健全な紅丸ジヤガイモに接種すると原寄主と同樣の病徴を呈し,これよりこの兩virusが少くとも病原virusである事が明らかになつた。
    4) 外觀健全な紅丸ジヤガイモは男爵ジヤガイモと同樣にX virusのmild mottle strainを含むと思われる。
    5) X+Y virus, X virus, Y virusをそれぞれトルコタバコ,ハナタバコ,グルチノザ,トマト,イヌホウズキ,ペチュニア,Datura,トウガラシ,ナス等に接種しその病徴を調べた。後の3種以外の植物はX virus, Y virus兩者に感染した。Datura,シシトウガラシ,ナスはX virusには感染するがY virusには感染しないようである。
    6) 長期貯藏及び收穫直後の塊莖よりその汁液によつて接種試驗を行つた所Y virusはX virusよりも感染率は低い。けれども塊莖汁液によつて傳搬されることが明らかになつた。
    7) 本實驗で分離されたX virusの耐熱性は70~75℃,耐稀釋性は100,000倍,汁液中での傳染力持續期間は72日以上であり,松風濾過板L3は毒力を減するが通過した。
    Y virusの耐熱性は55~60℃,耐稀釋性500~1,000倍,汁液中での傳染力持續期間1~2日で,松風濾過板L3は通過しなかつた。
  • 村山 大記, 山田 守英, 松宮 英視
    1951 年 15 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) 外觀健全な馬鈴薯に於けるXバイラスの檢出を血清反應と接種試驗とを用いて行つた。
    2) 男爵,紅丸,蝦夷錦及びその他16品種合計したものでは夫々94, 97.6~98, 100及び75%の割にXバイラスを保有していた。
    3) 農林1號,2號及び島系5品種合計したものでは夫々50, 83.3及び20%の割でXバイラス罹病株が檢出された。
    4) 實生株は26株中1株(3.8%)のみXバイラスを保有していた。
    5) 同一株の葉は塊莖に比しXバイラスの檢出率は高い。
    6) 補體結合反應は抗補體作用の強いために沈降反應より鋭敏でなかつた。スライド法は沈降反應に比しかなりバイラスの檢出率が劣る。
    7) 接種試驗は沈降反應に比しバイラスの檢出率が稍低い。
  • 山田 〓一
    1951 年 15 巻 2 号 p. 61-66
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) 本病は未だ一般に關心を持たれていないが, 被害も甚だしく, 相當廣く分布し, トマトの重要病害の一つである。病徴は葉黴病と酷似し, 肉眼で區別することは困難である。東海地方では7月中旬頃よりトマト生育の末期まで發生を續け, 特に末期に著しい。
    2) 病原菌は Cercospora diffusa に類似するが, 擔子梗に隔膜を有する點で疑問が殘つている。病名として煤黴病 (Cercospora leaf mold) を提唱する。
    3) 分生胞子の發芽は26℃附近が最適で, 最高は36℃附近である。
    4) 分生胞子の致死温度は50℃で5分と10分の間に, 菌絲では48℃で同じく5~10分の間にある。
    5) 菌叢は緻密で島嶼状を呈し, 發育極めて緩慢で且つ一般に突然變異的現象 (Saltation) を起す。
    6) 培養基上に於ける分生胞子の形成は, トマト莖葉煎汁寒天培養基上で比較的良く, 18~22℃附近で形成期間は長く持續し, 形成も最も良好である。一般に移植後日を經るに從つて, 胞子形成が衰える傾向を認める。
    7) 菌絲の發育は, 馬鈴薯煎汁寒天培養基上では, 最適温度26~28℃の間にあり, 最高温度は34~36℃の間である。
    8) 分生胞子は乾燥状態では, 12月上旬より翌年6月下旬まで生活力を保つが, 過濕の状態では, 約40日間で全く生活力を失う。即ち胞子は乾燥状態に保たれれば, 明かに翌年の第一次傳染源となる。
    9) トマト苗に對する接種は困難であるが一囘成功し, 再分離を行つた。發病に好適な條件は未だ不明である。
    10) 品種間耐病性の差は顯著ではないが, 1949年53種に對する自然發病状態の觀察では, ドワーフ・ストーン, マーグローブ及び草勢の強いF1が耐病性が強い傾向を認めた。耐病性そのものより, むしろ通風その他の環境條件が大きく影響するようである。
    11) 藥劑の分生胞子に對する發芽抑制作用は, ソイドは甚だ微弱であるが, ボルドー液は著しく, ファーメート, ザーレートがこれに次ぐ。
  • 北島 博
    1951 年 15 巻 2 号 p. 67-71
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The twig of peach infected by anthracnose fungus, Gloeosporium laeticolor, usually dies till March, and conidia may be formed on these killed twigs in April. On the twig, conidiophores develop sparsely and not mucilaginous, giving quite different appearance from acervuli on the fruits.
    Primary infection occurs on the trichomes of young peach fruit. Spore, stuck on the trichome, germinates within about 12 hours, and forms appressorium at the apex of germ tube and penetrates the cell wall. About 2 days later, acervuli develop over the surface of the trichome. Affected trichomes turn brown in colour. They are easily detatched and blown off by the wind. Accordingly these infected trichomes play an important role as a source of initial secondary infection. In addition, the fungus may invade into the young fruit tissue through the affected trichomes.
    The anthrachose fungus can also invade both young peach leaf and nectarine fruit, without forming appressorium at the entry point.
    On the young fruit, acervuli are formed 48 hours after inoculation. Acervuli on the leaf are faded brown in colour and pulverlent, while the acervuli on the young fruit are light brown or light salmon in colour and mucilaginous.
    Peach fruits may be infected at any time during their growth period from May to August, if the weathers are favorable to the dissemination of the pathogene. The conidia are hardly blown off by the wind unaccompanied with rain. But if it rains, conidia will be suspended in the rain droplets, which will be splashed by the wind. This infections of fruits on a peach tree spread conically, in a form of “Infection cone” (DUNEGAN, 1932). The conidia fallen on the soil surface may remain alive for about 7 days in summer.
  • 鈴木 橋雄
    1951 年 15 巻 2 号 p. 72-78
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) 本論文には異る温度の土壤に育成した稻穗首に對する稻熱病菌の接種試驗, 穗首表皮組織における本菌分生胞子の附着器形成, 侵入及び感染についての實驗並びに土壤の低温に基く稻熱病に對する穗首の感受性の増加と, その解剖學的特質との關係についての實驗結果を記載した。
    2) 供試品種は抵抗性の龜治及び無芒愛國, 感受性の雄町及び穀良都の4品種, 土壤温度は15.3~28.2℃(低温區)及び16.5~34.8℃(常温,標準區)である。低温區の稻は標準區に比べて發育が著しく劣り, 出穗數が少く, 且出穗期が遅延した。
    3) 低温區の稻が開花するのを待ち, 穗首に對して本菌の接種を行つた結果, 低温區は供試4品種間に殆んど差異がなく, 75~100%という高發病率を示したのに反し, 標準區は抵抗性品種が0~13.3%, 感受性品種が20~33.3%という低率を示した。
    4) 本菌を接種した穗首表皮組織につき附着器形成, 侵入及び感染状態を鏡檢した結果, 附着器が形成され, 侵入を蒙つた表皮細胞數は供試品種の如何に係わらず無氣孔條における長細胞が最も多く, 氣孔條における長及び短細胞これに次ぎ, 氣孔副細胞が最も少かつたが, 感染壞疽を起した表皮細胞數の率は氣孔條における長及び短細胞が最も高かつた。又標準區においては表皮細胞の種類の如何を問わず, 抵抗性品種は感受性品種より著しく少かつたのに反して, 低温區においては兩品種間に明瞭な差異が認められなかつた。而して供試品種及び表皮細胞の種類の如何に關せず, 低温區は標準區より著しく多かつた。
    5) 發病率の調査並びに附着器形成, 侵入及び感染について行つた實驗の結果, 土壤の低温は本病に對する穗首の感受性を著しく増加することが確かめられた。
    6) 穗首表皮細胞の外壁及び珪化層の厚さは, 供試品種及び土壤温度の如何に關せず, 無氣孔條における長細胞が最も薄く, 氣孔條における長及び短細胞これに次ぎ, 氣孔副細胞が最も厚く, 又土壤温度及び細胞種類の如何に係わらず, 抵抗性品種は感受性品種より著しく優つているが, 低温區においては標準區におけるほど兩品種間の差異は明瞭でなかつた。而して供試品種及び表皮細胞種類の如何を問わず, 低温區は標準區より著しく劣つていた。
    7) 無氣孔條における1長細胞列單位長さに散在する珪質化の明瞭な石英短細胞數を測定した結果, 標準區においては抵抗性品種は感受性品種より多かつたが, 低温區においては兩品種間に殆んど差異がながつた。而して供試4品種ともに低温區は標準區より著しく少いことが認められた。
    8) 稻熱病菌を異る温度の土壤に育成した稻穗首に接種し, 發病率並びに表皮組織における附着器形成, 侵入及び感染状態について實驗した結果と, その解剖學的特質の發逹程度を比較測定した結果とは全く相符合し, 兩者間には常に例外なく逆比例的關係の存在することが認められた。このような事實から考察すると, 土壤の低温に基く稻熱病に對する穗首感受性増加の一原因は, これら解剖學的特質の正常な發逹が阻碍されることに基因するものと思われると共に, これら解剖學的特質が, 本病に對する稻穗首の抵抗性の一本質とみなし得られるという曩に著者が到達した結論を全く裏書きしているようである。
  • 1951 年 15 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1951 年 15 巻 2 号 p. 82-108
    発行日: 1951/04/20
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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