トウモロコシ6自殖系統(H95rhm, R2040, Mo17Ht, H95, H93, Pa91)を用い,ごま葉枯病(病原菌
Bipolaris maydis race O)に対する部分抵抗性の要因を解析し,圃場での病勢進展との比較を行った。温室内幼苗検定により,病斑形成効率(IE),病斑面積(LA),胞子形成病斑割合(SLR)および胞子形成数(SP)を測定したところ,IEでは系統間差異はなかったが,LA, SLRおよびSPでは明らかな差異が認められ,特にLA値は圃場での病勢進展と最もよく一致した。自殖系統H93は圃場ではやや抵抗性を示したが,幼苗上の病斑拡大は非常に速く,大型病斑を形成した。しかし,H93はSP値が罹病性系統より低く,このことが圃場での抵抗性に影響していると結論された。このことから,幼苗を用いた抵抗性検定で圃場での本病に対する抵抗性を予測するためには,病斑拡大要因に加え,胞子形成要因も考慮することが必要であると推察された。
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