日本植物病理学会報
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1 巻 , 3 号
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  • 末松 直次, 鍬塚 喜久治
    1920 年 1 巻 3 号 p. 1-12
    発行日: 1920/07/15
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 主要なる桃品種につき桃炭疽病菌の接種試驗を行へり。
    2. 本試驗の範圍内にては免疫性品種なし。
    3. 桃諸品種は種々の程度に於て罹病性を示せり。
    4. 日月桃及橘早生は有望なる耐病性品種なりとす。
    5. 支那系に屬する品種は大概耐病性にして、ペルシャ系のものは一般に罹病性なり。
    6. 桃炭疽病菌には生態學的品種なきが如し。
    7. 本試驗に於ては菌の適應を認むる事能はず。
  • 逸見 武雄
    1920 年 1 巻 3 号 p. 13-21
    発行日: 1920/07/15
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    (一)「ひらぎなんてん」の病害
    本病は葉に比較的大なる斑點を形成するものにして、東京附近に於て普通に發生を見るものの如し。病斑は通常橢圓形なれども、不規則なる形状を呈する場合稀ならず。最初灰褐色なれども、後には葉の上面に於て灰色に變じ、病原菌の胞子層其上に散生し、黒鮎状をなす。病斑は黒色又は黒褐色の周縁を有し、健病境界朋瞭なるもの多し。
    予は本病々原菌を新種と斷定し、本論文に於てGloeosporium japonicumと命名せり。
    (二) 亞麻の病害
    本邦に於ける本病害の發生は大正七年勝藤孝一氏により、初めて注意されたるに過ぎざれども、北海道には極めて廣く蔓延しつゝあるものの如し。予は昨大正入年三月石狩國栗山村産の亜麻種子を温室内に播種したるに、之より生じたる亞麻苗〓本病害を発生したるにより、直ちに病原菌を分離培養せう。予は殺菌せる土壌、殺菌せざる土壌竝に殺菌せる大形ペトリ皿中にて前記の種子を發芽せしめたるに、苗が3-5cm.に達したる時總ての鉢及び皿中に本病の發生を見たり。故に本病害は種子によりて傳播を助けらるゝ事疑ふの餘地なし。予は又同年五月札幌に於て圃場の亞麻苗に本病害多數發生し居るを目撃せり。
    本病害は亞麻苗の莖及び子葉に發生するものにして、莖の下部を侵襲する場合最も普通なり、苗はこれが爲に漸次に萎凋し、遂に枯死す。子葉に在ては多くは其表面に圓形又は橢圓形の褐色病斑を形成す。本病々原菌は大年七年八月愛耳蘭に於てPethybridge, Lafferty兩氏によりColletotrichum linicolum Pethyb. ct Laff. と命名せられたる菌に恰當す。予は本菌の純粹培養を以て無花果竝に林檎の無傷及び有傷果面に接種し、又菜豆及び樟の苗に接種試驗を施行せり。然れども他種植物への既往の接種試驗は悉く陰性の結果を示せり。
    (三)「しきみ」の病害
    大正七年四月二十二日原攝祐氏が岐阜縣川上村に於て發見し、標本を予に送致したる病害にして葉竝に小枝に發生す。葉には普通大形にして、圓形なる病斑を形成し、兩面より認め得。病斑の内部は灰褐色にして、周縁は褐色なり。從て健病境界は明瞭なり。病斑は又葉の縁部に生ずる場合稀ならず、斯の如さは概して半圓形を呈す。余の見たる被害枝は全く乾燥し、表面は灰白色にして、其上に病原菌の胞子層散生し、黒點状をなせり。
    余は本病々原菌を新種と斷定し、本論文に於てGloeosporium Illiciiと命名せり。
  • 栃内 吉彦
    1920 年 1 巻 3 号 p. 22-33
    発行日: 1920/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    病原菌の營養の關係は、菌の寄生性及び寄主植物の免疫性或は抵抗性に影響する點に於て、特に興味深き問題なり。余は亞麻立枯病菌の生理的研究の一部として、炭素源及び窒素源に關する試驗を行ひ、次の如き結果を得たり。
    本菌の炭素源としては各種の炭水化物、有機酸、高級酒精及びフエノール化合物を以て試驗を行ひたり。
    炭水化物にありてはイヌリン及葡萄糖ほ最適當にして、乳糖は最不適當なり。一般に多糖類は良好なる發育をなさしめてり。
    有機酸は本菌に對する炭素源としては不適當にして、菌の發育貧弱なうき、有機酸の分子構造の差が、其の營養價に比較的明かなる差違を生ぜしむる事は著しき事實にして、例へばマレイン酸とフマール酸とは同一の分子式を有し、僅加に其の構造式に於て異るのみなれども、菌の發育はフマール酸に於てよう良好なりき。又ラセミ酸を炭素源として與へたる場合に、本菌は右轉性酒石酸を多く消費し、培養液に左轉性を現ぜしめたり。有機酸のうちにては現珀酸は比較的適當なる炭素源なり。
    高級酒精のマンニツトは本菌に對し良好なる炭素源にして、フエノール誘導體は一般に有害作用を呈す。
    窒素源としては有機窒素化合物は無機含窒素鹽類よりも適當にして、安母尼體の窒素と硝酸體窒素との間には營養上の差なく、亞硝酸體の窒素は不適當なり。
    アミド類は一般に、本菌の窒素源として適當にして、就中アスパラギンは最も良好なり。
  • 卜藏 梅之丞
    1920 年 1 巻 3 号 p. 34-55
    発行日: 1920/07/15
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. The symptom of a new Bacterial disease, the Nankwabyo, of Gypsy-moth caterpillars (Lymanthria Dispar, L.) resembles very much to that of the Nankwabyo, a kind of flacherie, of silkworms. The disease generally appears at the time, when the worm has reached its fourth or fifth moulting skin.
    2. The disease is very infectious and is widely spread in our couutry. As a natural enemy to the Gypsy-moth caterpillar, it is togather with a parasiteic Hemiptera plaing the most importsnt role in the checking of the spread of this injurious insert in Japan, where as a consequence it is seldom to see such a devastation from the ravages of the worm as in America.
    3. The disease is caused by a new species of bacteria, -Bacillus Disparis Hori et Bokura. It is medium-sized, rod-shapid, 1-1.3 0.7-0.8 microns, with 6 to 8 peritri chiate flagella. Endspores not formed. By the Gram's method, not decolorized. Konjak-media not liquified. Fermentation is readily set up in dextrose, laevulese, saccharose, maltose and galactose. Optimum temperature is 30° to 32°C. When fed to Gypsy-moth caterpillars they die readily in one to eight days; but it is ineff ctive when fed to silk-worms as well as to Anomala rufocuprea Motsch., Pieris rapae L, Aphis sp. on a lily and Hemerophla atrilineata, Butl. on mulberry.
    4. To make a practical use of this bacteria for the extermination of Gypsy-moth caterpillars, spray on plants the worms are feeding, sterilizel Water in which the bouillon or soy-bean cake decoction culture of Bacillus Disparis is thoroughly mixed up. or it is more economical and convenient to make use of thk body fluid of the diseased or dead caterpillars instead of the pure cultures for the spraying purpose.
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