日本植物病理学会報
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6 巻 , 4 号
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  • 吉井 甫
    1937 年 6 巻 4 号 p. 289-304
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    稻熱病被害部に關し外部觀察をなしたる後葉稻熱,頸稻熱,節稻熱について夫々内部觀察の結果を記述せり。
    葉稻熱 被害組織をその被害程度によつて(1)崩壞部, (2)壞死部, (3)中毒部と分ちたり。崩壞部は多くは病斑の中央に位し,細胞内容は消失し,細胞膜も一部は消失し,表裏壓縮せられたるが如き扁平なる状態となり,内部には少量の粗剛なる菌絲を存し,又表面には多數の擔子梗を抽出せり。壞死部は外觀茶褐色を呈せる部分にして,崩壞部の外圍に位すること多く,又崩壞部内の維管束の周圍等に發見せられ,細胞膜は殘存せる細胞内容物と共に褐色に自然着色し又染色性を著増せり。一般に壞死部には菌絲の存在少なしと雖も,これと相接する中毒部との境界附近に於て著しく多量なること多し。中毒部とは多くは壞死部の外圍に存し,病原菌の直接又は間接の侵害を蒙りたるも而も末だ顯著なる變質を來すに至らざる部分を總括せるものとす。被害組織内に於ける菌絲は多量に存在する場合,又反對に菌絲の存在せざる場合もあり。中毒組織に於ける病的變化は複雜にしてこれらにつきて初期末期と分つて述べたり。
    これら觀察の結果を綜合するに,稻組織内に侵入せる病原菌は或種の有害物質を分泌し,これは病原菌の存在せざる附近の組織にも浸潤し,かくてこの部に於て中毒の症状を示し,原形質の膨滿,葉緑粒の縮小,退色,細胞膜の變質となり,次いで原形質は均質砂粒状或は泡沫状崩壞を示すに至る。かかる際に病原菌の菌絲が直接にその細胞内に又は近接組織に侵入せる場合には内容物は次第に分解吸収せらるるに至り,極めて急速に壞死状態を通過して崩壞状態となつて終るものとす。然るに病原菌の侵害急激ならざるか又は中毒部の位置により,中毒現象の餘り甚だしからざる際には,被害組織内に殘存せる核,葉緑粒等は細胞膜と共に著甚に變質して着色し,ここに外觀上黒褐色なる壞死帶を生ずべし。即ち一種の擬心材化現象なり。この部は後に至りて崩壞状態となることあるも,時にそのまま殘存することあり。
    頸稻熱 出穗期に於て發病を見る莖部の稻熱病の多くは頸節部及び小穗梗節部の被害なり。これは,これらの部位に於ける外部形態の錯雜せる結果,病原菌胞子の滯溜し易き爲なるが如し。即ちこれらの部位には鱗片状苞葉,鹿角状毛茸,小穗梗の分岐等形態的に錯雜せるものあり。頸稻熱の内部組織の病變は大體に於て葉稻熱のそれと相類せり。これに關し病斑中心部附近及びそれをやや脱れたる處の部に分つて述べたり。
    被害甚だしく爲に白穗と化せるものに於ては,病斑中心部附近に於て諸柔組織は崩壞甚だしくその間に菌絲の縱横走せるを認む。髓腔に於ては周壁より蜘蛛巣状に菌絲の蔓延せるあり。莖周在の厚膜組織,内在維管束鞘は未だその形態を保てるも内容消失し,その内腔に菌絲の存在せるを見る。鞘内の諸組織は甚だしく破壞せられたり。之に反し頸稻熱に罹りたるも而もなほ花穗の登熟に大なる影響を認めざるものに於ては,頸部の同化組織,基本組織の被害の如何に拘らず,多くの内在維管束鞘内はなほ健全なるを常とせり。
    節稻熱 これは頸節に次ぐ下方の節即ち止葉の節に於て被害甚しきこと多し。病變は大體に於て頸稻熱の場合と同樣なるも,被害甚だしき時は,葉鞘はその生長線附近に於て離脱すべし。節稻熱のみの發生によつて白穗と化せるものに於ては,この節の上方部の莖は廣範圍に亘つてその内部組織は崩壞し,周壁の厚膜組織及び内在維管束の形骸のみを殘存せり。
    一般に莖部の稻熱病被害組織に於て特異とすべきものの一は被害組織内處々に澱粉粒の殘存せることなりとす。これは病原菌の性質に於て澱粉糖化力微弱なるものあるが爲と思考せらる。
  • Shigekatsu HIRAYAMA, Akira YUASA
    1937 年 6 巻 4 号 p. 305-306
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    著者等 (1935) は既に,モザイク病となつた煙草 (秦野種)の氣孔の孔邊細胞にもX-body及びその他の異常小體の見られることを報じたが,最近SHEFFIELD, F. M. L. (1936) は,モザイク病に侵された煙草の氣孔の孔邊細胞には細胞内異常小體は存在しないと述べてゐる。
    そこで著者等は再び同じ材料を調べ, X-body及びstriate material等が孔邊細胞中に明かに存在することを確め得た(寫眞1, 2)。研究に際しては醋酸カーミン法によつたが,これ等異常小體は醋酸によつて次第に侵されることもわかつた。SHEFFIELDはCARNOY液で固定し, FEULGENの核染色法とオレンヂG. とによる染色方法で觀察してゐるから,その操作中に孔邊細胞の異常小體は破壊されたものと想像される。
  • 島田 昌一
    1937 年 6 巻 4 号 p. 307-318
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 稻の葉面に損傷を與へ表層のクチクラ層を破る時は稻熱病菌に容易に侵され,その感染度然らざるものに比し著しく高し。
    2. 葉面を酒精を以て拭ひ病原菌胞子液の附着に便ならしむるも發病著しからず。
    3. 損傷を受けし稻は稻熱病菌に對する抵抗性を減少し,傷以外の部位も本病に侵され易し。
    4. 肥切れ苗の如き稻熱病に被害され難き苗き傷痍感染は容易に行はる。
    5. 損傷を與へしより日を經るにしたがひその組織の稻熱病菌に對する感染度は減少す。
    6. 稻相互の接觸により稻が損傷を受くる時は稻熱病に對する感染度を増す。
  • 平田 幸治
    1937 年 6 巻 4 号 p. 319-334
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 本報告はウドンコ菌の吸器の發育,構造と吸器嚢に就ての實驗,觀察の結果である。
    2. 分生胞子の發芽は生葉上では,酒精で處理し水洗したタマネギの塊莖又は植物の葉の表皮上に於けるより劣る。この害作用は寄主の葉にも認められる.
    3. 穿入菌糸の形成には植物細胞から滲出する物質の刺戟を要しない。
    4. 外部寄生性のウドンコ菌の吸器はErysiphe graminis型とE. cichoracearum型との2つに大別される。何れに於ても吸器の楕圓體の兩端に突起ができるが,前者では突起が外方に向つて指状に伸び,後者では囘旋しつゝ伸びて楕圓體の表面を蔽ふ。
    5. 極めて若い吸器は寄主細胞の原形質と直接に接するが.成長した吸器は透明な液體を含む吸器嚢によつて常に隔てられる。吸器嚢は最初一般に吸器の首部に近い所に現れ,次第に先端に及んで,吸器全體を取卷く。吸器の發育するにつれて膨張し,球形,楕圓形の緊張状態にある。
    6. 吸器嚢は中性鹽類の溶液では菌,寄主細胞が死んでも膨張しその形は崩れないが,アルカリ性溶液,無機酸には顯著な作用を受ける。多種の色素に染まる。
    7. 吸器が古くなると突起の構造が崩れ,吸器嚢は膨張状態を失ひ,後には吸器と寄主細胞の内容との境が見分けられなくなる。
    8. キリンサウに寄生する菌の吸器嚢は寄主細胞の原形質の形成物と思はれる極めて厚層の褐色の物質で取卷かれる。
  • 堀 正侃
    1937 年 6 巻 4 号 p. 335-338
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 明日山 秀文
    1937 年 6 巻 4 号 p. 339-342
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 堀 正侃
    1937 年 6 巻 4 号 p. 343-346
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 吉井 甫
    1937 年 6 巻 4 号 p. 347-348
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 田杉 平司
    1937 年 6 巻 4 号 p. 349-352
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 1937 年 6 巻 4 号 p. 374a
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 1937 年 6 巻 4 号 p. 374b
    発行日: 1937年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
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