日本植物病理学会報
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6 巻, 1 号
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  • 河村 貞之助
    1936 年 6 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1) チューリツプ球根に寄生すると稱へらるるScl. bulborum (WAKK.) REHM.はチューリツプ球根には無關係と考へられる。
    2) チューリツプ球根の重大病害菌の1つたるScl. tuliparum KLEB.はScl. Rolfsii SACC.のSynonymと見られる。
    3) 菌核の藥劑試驗並に生活力に關する試驗は菌核を各特定條件においた後,菌核を切半したものをも考慮す可きである。
    4) チューリツプ球根には少くとも8 StrainのScl. Rolfsii SACC.が寄生し得る。
    5) チューリツプ球根を侵す白絹病菌はヒヤシンス,クローカス,シラー,グラジオラス,ダリア,カンナ,和蘭水仙,支那水仙,鐵砲百合の地下部に寄生力を有しなかつた。但しクローカス,シラー,ヒヤシンスの衰弱した状態の下では寄生する。
  • 安部 卓爾
    1936 年 6 巻 1 号 p. 15-26
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 本報告に於ては稻熱病菌各種培養系統の病原性竝に稻の品種と發病程度との關係に就きて,穗孕期の成稻葉及稻穗頸に對し,稻熱病菌培養系統9種を用ひて行ひたる接種試驗の結果を記述せり。
    2. 穗孕期の成稻葉に對する供試稻熱病菌各培養系統の病原性は稻苗に對するものに比し著しく低きも,各培養系統間には明かなる病原性の分化を認め得たり。培養系統XIII, XII, IXは病原性最も強く, XXIIは中間に位し, XX及XVIIIは弱き方にして, Vは最も弱し。又培養系統VII及XVIIは全實驗を通じて全然感染したることなく,斯かる成稻葉に對しては病原性を有せざるものの如し。
    3. 稻穗頸に對し病原性最強なるは培養系統IXにして, XIII, XII, XXIIの3系順次これに次ぎ, XX及XVIIIは中位にしてVは弱く, VII, XVIIは最も弱くして,成稻葉に對する接種試驗と同一結果を得たり。即ち稻穗頸に對して示す各培養系統の病原性にも亦,明かなる分化現象を認め得るものの如し。
    4. 山形,長野,岡山,福岡4縣産の稻16品種の穗頸に對して,培養系統V, IX, XVIIIの3菌を用ひて行ひたる接種試驗によるに,何れの品種に對しても例外なくIXが常に最大の病原性を示し, V及XVIIIは兩者の病原性に大差を認めざるも,大體に於てXVIIIの方稍々強し。
    5. 上記4縣産の稻數品種宛に就きて稻熱病菌培養系統IXに對する抵抗性の程度を比較したるに,イ號(山形縣),坊主玉川,無芒愛國(長野縣),龜治三號(岡山縣),愛國(福岡縣)の5品種は最大の抵抗性を示し,早生大野(山形縣),畿内早生六八號,同六九號(長野縣),光明綿(岡山縣)の4品種は抵抗性最も弱く,豐國,東郷(山形縣),畿内早生二二號(長野縣)の3品種はこれ等2群の中間の抵抗性を示せり。
  • II. メダケ,アヅマネザサの葉銹菌, Puccinia Kusanoi DIET
    明日山 秀文
    1936 年 6 巻 1 号 p. 27-29
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    Inoculation experiments with the teliospores of Puccinia Kusanoi DIET. from the leaves of Plcioblastus (Arundinaria) Simoni NAKAI and P. chino (FRANCH. et SAV.) MAKINO. showed that Deutzia scabra THUNP. var. crenata MAKINO (Saxifragaceae) is one of the alternate hosts. The aecial form produced on Deutzia scabra is identified with Aecidium Deutsiae DIET.
  • 渡邊 龍雄, 竹澤 光治
    1936 年 6 巻 1 号 p. 30-47
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 本論文は大麻の白星病を基因するSeptoria Cannabis (LASCH) SACC.の形態,生理及病理學的性質に就て實驗觀察せる結果を報告せり。
    2. 本病は6-7月の候最も多く發生し,其被害は下葉より漸次上葉に及び,嫩葉より成葉が常に侵され易し。病斑は黄褐色或は灰褐色を呈し,楕圓又は多角形なるも,之が擴大すると隣接の病斑と癒合し,一大病斑となり早期落葉を原因するものなり。
    3. 本病菌の柄子殼は病葉表皮下に生ず。之は球形或は扁平にして淡褐色を呈し,直徑27.5-115.5μあり。柄胞子は無色,絲状にして大さ12-46×2-3μあり,而も隔膜は普通3個,稀に0-5個あり。培養基上に形成せられたる柄子殻は,黒褐色又は黒色にして,直徑85-465μあり。その中に生じたる柄胞子の大さは病斑上のものと殆んど同一なり。
    4. 10種の培養基を用ひ本菌の培養上の性質を見たり。菌絲の發育の最も良好なるは馬鈴薯煎汁寒天にして,柄子殻及柄胞子の形成の最も良好なるは,大麻生葉煎汁寒天及稀薄醤油寒天なり。
    5. 本菌々絲の發育と培養温度との關係を稀薄醤油寒天,馬鈴薯煎汁寒天及ペプトン加用寒天を用ひて,種々の温度にて培養を行へり。何れの培養基上に於ても最適温度は25℃,最高は35℃附近,最低温度は9℃以下を示せり。
    6. 本菌々絲の發育と培養基の水素イオン濃度との關係を,リチャーヅ氏液を硫酸及苛性曹達を以て種々の階級に調節して培養せり。菌絲の發育の最適水素イオン濃度はpH 5.2に存し,菌絲の發育限度は酸性側に於ては, pH 2.2-1.8の間に,アルカリ性側に於ては, pH 9.8以上に存するものの如し。
    7. 本菌の柄胞子の發芽と培養基の水素イオン濃度との關係を見たるに,發芽率の良好なるはpH 4.2-8.2に存し, pH 2.2は低くなり, 9.8以上に於ても相當の發芽を示したり。
    8. 本菌の病原性を知るため,大麻生葉煎汁寒天上に生じたる柄胞子を以て浮游液を造り大麻に接種を行へり。其結果明かに病徴を現はし,潛伏期は6-7日なる事を知れり。
  • 堀正 侃
    1936 年 6 巻 1 号 p. 48-52
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 後藤 和夫
    1936 年 6 巻 1 号 p. 53-54
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 1936 年 6 巻 1 号 p. 64-76
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 1936 年 6 巻 1 号 p. 76-85
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 1936 年 6 巻 1 号 p. 86-96
    発行日: 1936年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
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