日本植物病理学会報
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25 巻, 2 号
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  • 吉井 甫
    1960 年 25 巻 2 号 p. 71-74
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/02/19
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  • 三沢 正生, 加藤 盛
    1960 年 25 巻 2 号 p. 75-79
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本報告はイネ小球菌核病菌の菌核形成に関与する物質について実験した結果である。
    1) 本菌は継代培養によつて菌核形成能を喪失するものが多い。この喪失した能力は稲体中に存在する物質によつて回復する。
    2) 稲体中の関与物質は稲体各部に存在するが, 出穂期以後, その存在が明瞭である。その物質は水, アルコール, アセトン, エーテル, 塩酸, 硫酸, 水酸化ナトリウムによつて溶出されない。このような物質の一つに核酸がある。
    3) 菌核形成能を喪失した菌株はRNAによつて, その能力が同復する。RNAの有効濃度は4mg/l∼8mg/lの範囲である。DNAでは回復しない。RNA添加によつて菌糸のRNA含量は増加する。
    4) RNAにより回復した菌核形成能力は一時的なものであり, 2回以上移植すると再び形成能を失つた。
    5) RNAは菌糸の蛋白質組成を変化させる。すなわち滬紙電気泳動法によつて調べた結果, 無添加区の菌糸にみられる負方向に泳動する蛋白質が消失し, 泳動型は菌核のそれに非常によく似てくる。
    6) 菌糸の脂質含量もRNAの添加によつて増加する。リパーゼ活性にも同様の変化が見られる。菌核および菌核形成母菌糸には脂質が非常に増加しているので, 栄養菌糸に見られる脂質の増加は菌核形成への準備行為と考えられる。
  • 2. 病斑周縁組織のβ-amylase ならびに invertase 活性について
    田中 寛康, 赤井 重恭
    1960 年 25 巻 2 号 p. 80-84
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/02/19
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    1. 水稲胡麻葉枯病々斑周縁組織ならびに罹病葉健全部組織の澱粉, 糖類含量ならびにβ-amylase, invertase の活性を測定し, 健全葉組織のそれらと比較した。
    2. 病斑周縁組織では澱粉含量は増加し, 糖類含量は減少するが, 罹病葉健全部組織では特に糖類含量の減少のみが観察され, 澱粉含量については明瞭な結果が得られなかつた。一方β-amylase の活性は病斑周縁組織において低下しているが, invertase の活性は逆にこの部分において増大している。罹病葉健全部組織では両酵素活性共あまり明瞭な変化を認めることができなかつた。
    3. 以上の実験結果から, 病斑周縁組織では澱粉の分解作用が抑制されるが, その中で特にβ-amylase の活性の低下が澱粉異常蓄積の原因の一つであると考えられる。
  • II. 胞子浮遊液の接種時間, エンドウ莢の ether および熱による前処理が phytoalexin の生成に及ぼす影響
    植原 一雄
    1960 年 25 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/02/19
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    1) エンドウ莢と Ascochyta pisi を用いて, 莢上に置いた胞子浮遊液の phytoalexin (PA) 作用と接種時間との関係並びに ether および致死直前の温度処理が, 莢のPA生成に及ぼす影響をしらべた。
    2) 莢上に8時間置いた胞子浮遊液はPA作用を認めなかつたが, 12時間経過したものでは本作用を認めた。また浮遊液のPA作用は接種時間の経過と共に増大し, 20∼24時間で最高に達しその後30時間まではその状態が持続すると思われる。
    3) エンドウ莢は1.1ccの ether を自然蒸散せしめた4.7l容のガラス円筒内で24時間処理することによつて, また40°Cで90分間処理することによつてそのPA生成能力を失つた。
  • 還元剤によるイネの抵抗性の低下について
    奥 八郎
    1960 年 25 巻 2 号 p. 92-98_1
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/04/03
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    イネ胡麻葉枯病菌をイネの葉鞘に接種する場合, 胞子懸濁液にアスコルビン酸あるいはグルタチオンを加えておくと病害感受性を増加する。本実験はこの原因解明のために行つたものである。イネと胡麻葉枯病菌の相互反応の結果イネ葉には phytoalexin 様物質が生産されるが, このものはアスコルビン酸, グルタチオンによつて不活性化されないし, そのような還元剤の存在は phytoalexin の生産を阻害しないので, phytoalexin は上記の原因ではない。
    胡麻葉枯病菌を接種した葉鞘の侵入初期では, 細胞は種々のrH指示薬で酸化的な色調に染色せられ, 発芽管の寄主に付着した部分が特に濃く染まる。また抵抗性の亀治の場合, 接種初期においても侵害細胞はメチレンブルーで緑色に染まる。罹病性の旭では緑色の部分が少なく, 大部分が青色に染まる。以上の結果から, 菌侵害部細胞(膜)に存在する物質が菌の酸化酵素によつて酸化された物質, 恐らくはキノンがアスコルビン酸やグルタチオンで還元あるいは不活性化され, これが菌の侵入に対する寄主の抵抗性を弱めているものと推定される。換言すれば, イネの胡麻葉枯病菌の侵入に対する抵抗性の1部には菌の酸化酵素の活性が関係していると思われる。
  • 安盛 博
    1960 年 25 巻 2 号 p. 103-104
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/02/19
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  • 1960 年 25 巻 2 号 p. 106-120
    発行日: 1960/07/25
    公開日: 2009/02/19
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