日本植物病理学会報
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26 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 桂 〓一, 土倉 亮一
    1961 年 26 巻 5 号 p. 193-198
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本報文は Phytophthora capsici Leonian の游走子のう発芽の二型の発現と核現象について実験をおこなつた結果を報告した。主として塩酸ギムザ法によつて游走子のう内の核染色を試み, 発芽過程における游走子のう内の核の染色性が異なることを見出した。発芽前における游走子のう内の核は, 大型で少数のものと小型で多数のものとがあり, また前者の核数の分布は3∼28個, 後者は23∼49個以上で明らかに二群に分けられる。大型で少数の核を有する游走子のうの長さと核数との間には, 正の相関が認められるが, 小型で多核のものでは相関がない。1個の游走子のうから放出する游走子数の範囲は, 大体8∼28個, 平均19.46±5.33個であり, 大型で少数の核を有する游走子のう内の核数の分布3∼28個, 平均16.56±3.17個および15.43±4.16個を得たが, ほぼ一致する。核の二群は, 大型で少数の核を有する游走子のうが82.5∼85.7%, 平均83.9%, 小型で多数の核を有する游走子のうが14.3∼17.5%, 平均16.1%の率で生ずる。この平均値の比率83.9:16.1は, 游走子のうが形成と共に本質的に有する間接および直接発芽の比率と思われるが, またこの比率は既往の実験結果における游走子のう発芽の二型発現をみても, よく一致するようである。
  • 小室 康雄
    1961 年 26 巻 5 号 p. 199-205
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1) レタスのモザイク病について1954年から1961年の間に調査, 実験を行なつた結果である。主として東京付近で採集したレタス・モザイク株23株について, ソラマメ, ササゲ, タバコ, アカザ, レタスなどに汁液接種したところ, 4株からはキュウリ・モザイク・ウイルスが分離されたが, 他の19株からはレタスにのみ全身感染し, アカザに local lesion を生ずる汁液接種可能な1種のウイルスが得られた。
    2) このウイルスを8科22種の植物に汁液接種したところ, 3科7種のものに寄生性が認められた。レタス, ジニア, ノシュンギグ, アスターは全身感染してモザイク症状を示し, アカザ, アメリカアリタソウ, センニチコウには local lesion を生じた。しかしアカザ, センニチコウに local lesion をつくらない分離系もあつた。
    3) モモアカアブラムシ, ニガナノフクレアブラムシによつて伝搬がおこり, その伝搬様式は非永続型である。
    4) 物理的性質のうち, 耐熱性は50°C∼60°Cで55°C内外, 耐稀釈性は50∼500倍, 耐保存性は1∼2日であつた。
    5) このウイルスは病株に生じた種子から種子伝染し, ワイヤヘッドでは1%, インピリアル847では5%, グレイトレイクでは6%の発病を認めた。
    6) レタス上の病徴, 汁液接種, アブラムシ伝搬可能なこと, 寄主範囲, さらに種子伝染すること, 物理的性質などの点を綜合し, このウイルスは lettuce mosaic virus (Marmor lactucae) と同定された。
  • 山本 和太郎
    1961 年 26 巻 5 号 p. 206-210
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) Hypomyces solani Reinke et Berthold の不完全世代は Wollenweber & Reinking が Fusarium argillaceum (Fr.) Sacc. としていたが, Booth はこの種類ではなく, F. cuneiforme Sherbakoff であることを実験的に証明した。いずれにしても F. solani (Mart.) App. et Wr. とは無関係である。
    (2) Hypomyces solani Reinke et Berthold は, Hypomyces 属の基準種である Hyp. lactifluorum (Schw.) Tulasne の形態から考察すると, Hypomyces に属さない。Booth はこれを Nectriopsis 属に改め, Nectriopsis solani (Rke. et Berth.) Booth と改めているのは, 分類学上から妥当である。
    (3) Snyder & Hansen が Fusarium 属の分類で Section, Subsection, Species の各形態的特徴を無視し, 多数の種類を合併したが, これが完全世代の NectriaHypomyces 属の分類にも適用し, Section, Subsection, Species の形態的特徴をも無視し, 合併されることは分類学上の誤りであつて, 混乱をきたす。
    (4) Snyder & Hansen の考えている Hypomyces solaniFusarium solani はそれぞれ明確な種類の集合種であつて, 他の分類学者は1種とは考えていない。また Snyder & Hansen の Hyp. solani は Reinke & Berthold の種類とは違うようである。
    (5) 桜井と松尾氏らが Nectria elegans Yam. et Maeda を Hypomyces solani Rke. et Berth. emend Snyd. et Hans. の同種異名にしたのは誤りであつて, 両種は完全および不完全世代において形態と寄生性が全く相違し, 別種であることが明らかである。
    (6) Nectria elegans Yam. et Maeda の不完全世代を Fusarium elegans Yamamoto et Maeda nom. nov. と命名し, 誤つて命名された Fusarium solani f. xanthoxyli Sakurai et Matuo をこれの異名にしたいと思う。
  • (第2報) さし木時期と病徴発現との関係
    田浜 康夫
    1961 年 26 巻 5 号 p. 211-214
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    桑樹萎縮病の罹病枝条を9∼11月の間に採集して, 9月∼12月にさし木したものは100%発病したが, 同一条件の枝条を貯蔵して翌年1月以後さし木すると発病するものが減り, これを2月∼5月にさし木したものはほとんどすべて回復した。また1∼2月に採集し2∼4月にさし木したものはすべて回復した。そして5月新たに発病した枝条をさし木したものは100%発病した。それで桑樹萎縮病罹病枝条の中では1月以降4月ころまでは病原ウイルスが消失または減少しているものと考えられる。
  • 1961 年 26 巻 5 号 p. 215-219
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1961 年 26 巻 5 号 p. 219-223
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1961 年 26 巻 5 号 p. 224-231
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1961 年 26 巻 5 号 p. 232-236
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1961 年 26 巻 5 号 p. 236-243
    発行日: 1961/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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