日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
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75 巻, 3 号
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会長講演
学会賞受賞者講演
原著
  • 山崎 修一, 酒井 淳一, 上曽山 茂, 花田 薫
    2009 年 75 巻 3 号 p. 156-163
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/02
    ジャーナル フリー
    大分県のサツマイモから分離されたSPFMVに類似する性質を示すウイルスは,アサガオでの症状がわが国で既報のSPFMV-S, -O, -Tが示す症状と明らかに異なっていた.本分離株は,RT-PCR-RFLPによりSPFMV-S, -O, -Tとは異なるバンドパターンを示した.また,本分離株の外被タンパク質(CP)を含む3ˈ末端部分をRT-PCRで増幅して,その塩基配列を決定した結果,そのCPは313アミノ酸より構成されており,SPFMV-C,SPFMV-CH2,SPFMV6およびSPFMV-SORと90%以上の相同性を示したことからSPFMVであることが確認された.さらに,これを元にした分子系統樹により,本分離株はC系統グループに属することが判明した.わが国において,C系統に属するSPFMVの同定はこれが初めてであり,本分離株を今後SPFMV-Bungoと命名したい.
  • 井上 博喜, 山内 稔, 宮川 久義
    2009 年 75 巻 3 号 p. 164-169
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/02
    ジャーナル フリー
    直播栽培の種子処理技術として開発されてきた鉄コーティング処理について,イネ育苗期に発生する病害に対する防除効果を調査した.苗立枯細菌病,もみ枯細菌病あるいは褐条病を保菌したイネ種子を播種直前に鉄コーティング処理すると,2週間後の病害の発生が抑制されていた.また,ばか苗病,ごま葉枯病,いもち病に対しても,同様に発病抑制が認められた.4種類の鉄粉でコーティングを行ったが,いずれの鉄粉においても,苗立枯細菌病,もみ枯細菌病,褐条病のすべてに防除効果が認められた.以上のことから,イネ種子の鉄コーティング処理は育苗期に発生する病害に抑制効果があり,直播栽培だけでなく移植栽培による箱育苗にも利点があることが明らかとなった.
病害短信
平成21年度日本植物病理学会大会講演要旨
エラータ
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