日本植物病理学会報
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40 巻 , 5 号
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  • 中西 逸朗, 高日 幸義, 富田 和男
    1974 年 40 巻 5 号 p. 383-391
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ハイメキサゾール-14C(3-hydroxy-5-methylisoxazole-3-14C)を供試し,土壌中におけるハイメキサゾールの分解について検討した。ハイメキサゾール-14Cは非殺菌土壌(田無土壌,野洲土壌)中で容易に分解され,14C-分解物質としてCO2, acetoacetamide, 5-methyl-2(3H)-oxazoloneが検出された。14CO2の生成量は日数の経過とともに増加し,逆にacetoacetamide-14C, 5-methyl-2(3H)-oxazolone-14Cの量は減少した。殺菌土壌にハイメキサゾール-14Cを処理した場合,14CO2の生成量は微量であり,非殺菌土壌におけるハイメキサゾールの分解は,主に微生物の作用によるものと思われた。ハイメキサゾール-14C処理土壌における14CO2の生成量は湿潤状態に比べ湛水状態において多く,また15C∼35Cの温度条件下においては,温度の上昇につれて増加した。ハイメキサゾールはBacillus subtilis, Streptomyces griseus, Aspergillus niger, Arthrinium sp., Penicillium sp.を純粋培養した土壌においても同様に分解された。ハイメキサゾールおよび(あるいは)その分解物質の一部は土壌に強く吸着され,1N HClによる抽出,およびそれにつづく1N NaOH, methanolによる抽出によっても溶出されなかった。キュウリのFusarium wiltに対するacetoacetamide, 5-methyl-2(3H)-oxazoloneの防除効果はハイメキサゾールに比較していちじるしく劣ることから,土壌中におけるハイメキサゾールの分解は解毒過程であると考えられる。
  • 宇井 格生, 本間 善久
    1974 年 40 巻 5 号 p. 392-400
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    インゲン幼苗にR. solaniを接種し,1ヵ月後に地上部を切り取ると,地下部組織は徐々に衰弱,枯死し次第に分解する。この間胚軸,主根上部の病斑を培地上におき菌の分離をすると,接種菌が分離される病斑の割合は次第に低下し,112日後には分離されなくなる。これに反し各種糸状菌の分離されるものが著しく増加する。R. solaniの分離されなくなった病斑の残骸と,そのほかの地下部組織の残渣を取り出し,インゲン胚軸に接種すると,典型的なR. solaniによる病斑が現われる。すなわち,病斑組織に侵入した各種糸状菌は,病原菌の分離に際し培地上で拮抗を示すが,寄主組織中の病原菌は長期間生存する。
    用いた菌株はインゲン胚軸皮層部に境界の明らかな大型病斑をつくるが,菌糸は維管束,内皮には侵入しない。病斑内部には菌核状菌糸塊が形成され,それらはインゲン組織の崩壊後も病斑部の変色した細胞壁残骸にかこまれ長期間土壌中に残存する。地下部の衰弱に伴い,病斑内の菌は隣接細胞内にのび出し,根面に生存した菌糸とともに皮層細胞内に小さい菌核状菌糸塊をつくる。また,菌糸は内皮を通り中心柱に入り,維管束細胞内部にも侵入し,厚膜細胞内部はmonilioid cellで充たされる。地下部柔組織はぢきに崩壊するが,厚膜の維管束細胞は分解し難く残渣状となり長期間残存し,内部のmonilioid cellはそのままの状態で生存を続ける。
    根面や病斑組織内部に存在するR. solani以外の糸状菌も,インゲンの衰弱に伴ってその組織内に侵入し,一部は維管束細胞内にも侵入するが,R. solaniよりもおくれる。
  • 森田 昭
    1974 年 40 巻 5 号 p. 401-411
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    ビワがんしゅ病菌Pseudomonas eriobotryaeのバクテリオファージ51株を各地より分離したが,これらのファージは病原細菌に対する寄生性によって3系統に分けられた。芽枯れ病斑と枝のかいよう病斑から分離したファージをEP1,葉のハロー病斑から分離したファージをEP2,枝のかいよう病斑から分離したファージをEP3とそれぞれ命名した。
    EP1ファージは直径105nmの多面体の頭部と長さ170nm,幅31nmの尾部からなる精虫型である。EP2ファージもEP1ファージに類似した形をしており,多面体をした直径92nmの頭部と長さ118nm,幅27nmの尾部を有している。これに対し,EP3ファージは前2者のファージと異なり,多面体をした直径91nmの頭部と,長さ17nm,幅22nmの短い尾部を有している。
    Pseudomonas属の細菌41種を主体にした合計7属49種の各種細菌に対するEP1, EP2およびEP3ファージの寄生性をdrop methodで調べた。EP1ファージは寄主特異性で,P. eriobotryaeのみに寄生性を示し,EP2ファージはそれ以外にP. ovalisにも寄生性がみられた。EP3ファージはP. eriobotryae以外にP. striafaciens, P. moriおよびP. fluraに寄生性がみられた。
    クワ縮葉細菌病菌P. moriのファージはP. eriobotryaeに寄生性がみられず,一方,P. eriobotryaeはクワに病原性を示さなかった。
    P. eriobotryaeの分離菌123菌株をEP1, EP2およびEP3ファージに対する感受性によってつぎのような系統に類別した。
    系統I; EP1のみに感受性で,EP2, EP3に侵されない菌株
    系統II; EP2のみに感受性で,EP1, EP3に侵されない菌株
    系統III; EP3のみに感受性で,EP1, EP2に侵されない菌株
    系統IV; EP2, EP3に感受性でEP1に侵されない菌株
    系統V; EP1, EP2, EP3のいずれにも侵されない菌株
    これらの系統菌の分布には地域性がみられ,系統I, IIIは全国各地から分離され,系統II, IVは長崎県のビワの集団栽培地からのみ分離された。
  • 原田 幸雄, 沢村 健三, 今野 宏規
    1974 年 40 巻 5 号 p. 412-418
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    野外地表で越冬させた本病罹病葉上に春季子のう盤を発見し,子のう胞子の分離培養および接種試験の結果から,これが本病の病原菌Marssonina coronaria (Ell. et J.J. Davis) J.J. Davisの完全時代であることを確認した。完全時代の形態はNannfeldt (1932)の分類に従うとHelotiales, DermateaceaeのDiplocarpon属に一致するが,本属のいずれの既知種とも形態および寄主において異なるので,本菌を新種と認めてDiplocarpon mali Y. Harada et K. Sawamuraの学名を与えた。
  • 大口 富三, 山下 良夫, 浅田 泰次
    1974 年 40 巻 5 号 p. 419-426
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    べと病罹病ダイコン根の細胞壁にはリグニンが生成されるが,その隣接組織でペルオキシダーゼ活性が増加した。この増加したペルオキシダーゼのリグニン生成における役割を明らかにするために病態組織のペルオキシダーゼアイソザイムをしらべた。硫安塩析,等電点沈殿で調整された粗酵素の活性はべと病菌の接種後徐々に増加し,9日後に極大に達した。接種後9日目の材料から抽出した粗酵素をセルロースカラムクロマトグラフィーで分画したところ11のフラクションをえたが,それらのうち酸性および中性フラクションの活性は低下し塩基性フラクションは増加した。この粗酵素をポリアクリルアミドゲル電気泳動的等電点分画法により泳動すると病態組織では酸性アイソザイムの活性が減少し,塩基性および中性アイソザイムの一部の活性が増大した。
  • 大内 昭, 富永 時任
    1974 年 40 巻 5 号 p. 427-432
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    腐敗病細菌Pseudomonas marginalisによる組織腐敗の機序を知るために,N-6301株より純化したendo-PTEを細胞壁物質に作用させ,組織の崩壊過程で遊離する糖質を検討した。反応液をpH 8.0とし,30Cで90分間2.0PTE単位の酵素を作用させた場合,全糖質およびウロナイドの解離は粗繊維100mg当り,それぞれ約27.5mgおよび22.5mgと定量され,いずれも対照区の値の3∼4倍に相当した。これら各糖質の解離は短時間のうちに急速に進み,10分程度のいわゆる反応初期において,すでに90分後の値の78∼81%に達していた。遊離糖質におけるウロナイドの含量は約80%と計算され,20%程度の中性糖質を含んでいた。粗繊維から解離した糖質のうち,約95%が80%濃度のEtOHに不溶性の多糖質成分であり,可溶部はきわめて微量であることから,その大部分がペクチン質成分と推定された。
    EtOH-可溶性画分のうち,中性糖類は非特異的作用によって解離すると考えられ,酵素処理区および対照区において,収量および組成に著しい差異は見出せなかった。一方,本画分におけるウロナイド成分の収量は,酵素処理によって著しく高められ,とくに不飽和オリゴウロナイドの解離が顕著であった。それゆえ,これらの成分は供試酵素のtrans-eliminativeな作用によって溶離したと考察した。
  • 石崎 寛, 光岡 菊郎, 久能 均
    1974 年 40 巻 5 号 p. 433-438
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    ナシ黒斑病菌Alternaria kikuchiana Tanakaの培養菌糸に対するポリオキシンの影響を,光学顕微鏡で観察した。その結果,本剤の影響は次の4つのタイプに大別された。i)菌糸先端および菌糸側壁に特異的な球形膨化現象を起す。ii)比較的古い菌糸内に内生菌糸を生ずる。iii)比較的古い菌糸の隔壁形成を促進する。iv)菌糸塊全体の色素形成を促進する。このような観察結果は,ポリオキシンが菌糸細胞壁のキチン合成阻害作用のほかに,各種の生理作用を有していることを示唆している。
  • 奥田 誠一, 西村 典夫
    1974 年 40 巻 5 号 p. 439-451
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 関東各地に発生するミツバてんぐ巣病罹病株からマイコプラズマ様微生物(MLO)が見出され,それが病原と考えられた。このMLOは大きさ70nm~1μm以上で,MLOに典型的な微細構造を示した。これらに混って径20~50nmの細いフィラメント状粒子も認められた。
    MLOは出芽,細いフィラメント状粒子ときに二分裂で増殖することが示唆された。とくに,大型粒子から径70~100nmの小型粒子が出芽により多数産生されていることを示す像がしばしば観察された。
    MLOは篩管内またときに篩部柔細胞細胞質中に見出され,他の組織では見出されなかった。篩孔を通して篩管を移動することが示唆された。
    本病罹病株ではしばしば篩部壊死が観察され,壊死部で見出されるMLOは収縮し微細構造が不明瞭となったものが多かった。とくに壊死が進み著しく収縮した篩部では電子密度の増した粒子が観察された。
    2. ミツバ畑などで採集した7種のヨコバイ類のうち,ヒメフタテンヨコバイが本病を媒介することが示された。保毒したヒメフタテンヨコバイは死ぬまで,最長の例で50日間,媒介を続けた。虫体内潜伏期間は20~26日であることが示唆された。ミツバ体内潜伏期間は,25~30Cでは約20日で最も短く,温度が下がるにつれて延長し,15C以下の低温では病徴発現が認められなかった。また,本病はヒメフタテンヨコバイによってレタス,シュンギクおよびホウレンソウへも伝搬された。
    3. 本病を保毒したヒメフタテンヨコバイの中腸上皮細胞,同筋肉細胞および唾腺腺細胞のいずれでも細胞質中にMLOが見出された。
  • 樋浦 光男
    1974 年 40 巻 5 号 p. 452-453
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 横沢 菱三, 国永 史朗, 寺中 理明
    1974 年 40 巻 5 号 p. 454-457
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 荒木 不二夫
    1974 年 40 巻 5 号 p. 458-460
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The pathogenicity of Pyricularia oryzae and the inhibitory activity of fungicides against it with barley were very comparable to those of rice plant. The use of barley may be convenient for investigating the relation between infection behavior of fungus and disease development.
  • 内藤 秀樹, 越水 幸男
    1974 年 40 巻 5 号 p. 461-463
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    Partially emerged panicles were frequently observed in the paday fields where the Fusarium leaf spot was severe. Such symptoms in panicles were reproduced by injecting conidial suspension or extract of the fungus into the sheath cavity at the booting stage. Abortive grains also increased highly by the injection.
  • 奥田 誠一, 土居 養二, 与良 清
    1974 年 40 巻 5 号 p. 464-468
    発行日: 1974/12/25
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    Chestnut yellow was dsescribed as a graft-transmissible virus disease by Shimada and Kouda (1954). Electron microscopy revealed the presence of possible causal mycoplasmalike bodies in sieve tubes of diseased chestnut leaves.
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