日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
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84 巻 , 2 号
Remark on 100th of JJP Series 6
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追悼文
総説
原著
  • 澤田 宏之, 瀧川 雄一
    2018 年 84 巻 2 号 p. 85-97
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/05
    ジャーナル フリー

    わが国に分布するトマト茎えそ細菌病菌の多様性の実態を把握するために,1980~2002年の間に,岩手,宮城,栃木,埼玉,千葉,静岡,石川,大分の8県で分離された21菌株を対象として多相分類学的な解析を行った.これら供試株をトマトに接種すると典型的な茎えそ症状が再現され,病徴や病原力に関して菌株間に顕著な差は認められなかった.また,いずれもグラム陰性,好気性で1~3本の極鞭毛を有する桿菌であり,King B培地で蛍光色素を産生しなかった.一方,16S rRNA遺伝子とrpoDの連結配列に基づく分子系統樹,および,MALDIバイオタイパーの分析結果に基づくデンドログラムにおいて,これら供試株や比較に用いた基準株は,以下の3つのグループに類別された:Group 1〔Pseudomonas corrugataPc)の基準株と供試株6菌株〕,Group 2〔P. mediterraneaPm)の基準株と供試株7菌株),および,Group 3(供試株8菌株).このうち,Group 1とGroup 2に関しては,その主要な生理・生化学的性質や菌種特異的プライマーを用いたPCR検定に基づき,それぞれ,PcおよびPmと同定することができた.これまでに国内産の菌株がPmと同定された事例はなく,本研究がわが国における初めての報告となる.一方,Group 3は単系統群として独立すること,2-ケトグルコン酸とd-アスパラギン酸の利用が陽性,メソ酒石酸とヒスタミンの利用が陰性となること,PCR検定でPcPmとは異なる結果が得られることから,新規分類群(新種,あるいは既知種の新亜種)の可能性が高いことが示唆された.そこで,現時点ではGroup 3をPseudomonas sp.と暫定的に表記した上で,わが国におけるトマト茎えそ細菌病の病原としてPmPseudomonas sp.の2つを新たに追加することを提案したい.なお,PmPseudomonas sp.(Group 3)は,Pcとともに,わが国における本病の発生に当初から関与していた可能性があるものの,その起源やわが国への侵入経緯に関しては全く情報がない.今後は,本研究で得られた成果を活用し,信頼性の高い検出技術を確立した上で,本病に関わるこれら3つの病原菌の起源,生態や分布の実態を解明することが必要である.

短報
  • 菊原 賢次, 橋本 文武, 松元 賢, 飯山 和弘, 古屋 成人
    2018 年 84 巻 2 号 p. 98-104
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/05
    ジャーナル フリー

    Recently, a heavy outbreak of Japanese pear rust caused by Gymnosporangium asiaticum developed in Fukuoka Prefecture, Japan. We carried out a retrospective cohort study of commercial orchards in Yame region to analyze the reason. Among the factors investigated, the use of non-sterol-demethylation-inhibitor (non-DMI) fungicides was only related to extent of disease severity in 2013 and disease incidence in 2014. However, DMI fungicides did not control rust well. These results suggested the possibility that DMI fungicide resistance developed in G. asiaticum populations there. Furthermore, our results indicated that retrospective cohort study is useful for the analysis of occurrence factors on plant diseases.

学会誌創刊100周年記念企画
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