日本植物病理学会報
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39 巻, 2 号
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  • 北沢 健治, 冨山 宏平
    1973 年 39 巻 2 号 p. 85-89
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    厚さの異なったジャガイモ塊茎スライスの一側面に,ほぼ全面の細胞を侵す濃度の非親和性疫病菌レースの遊走子を接種した。スライスの厚さが薄いほど貫入から過敏感細胞死までに要する時間は延長し,隣接健全細胞が約10細胞層以下では感染を受けた細胞は死に難く,約30細胞層以上では細胞死の時間はほぼ一定である。
    感染細胞の褐変は厚いスライスでは速やかに起こることから見て,隣接健全細胞は感染細胞の過敏感死に重要な役割を果し,かつまた死細胞への菌封入に必要とされる物質の供給についても,重要な役割を果すと結論された。
  • (1) イネいもち病に及ぼすN-lauroyl-L-valineの影響
    本間 保男, 志田 俊郎, 見里 朝正
    1973 年 39 巻 2 号 p. 90-98
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    約150種のアミノ酸誘導体について,4-5葉期のイネ苗を供し,そのいもち病防除効果を検討した結果,7種類の有効物質を得た。その中からN-lauroyl-L-valineを選び,その化学構造と抗いもち病活性について検討し次の結果を得た。
    N-lauroyl-L-valineの構成成分であるlauric acid, L-valineの単独または混合では,いもち病防除効果はきわめて低いことが判明した。
    アミノ酸の異性体の間で活性を比較するとD≥L>DLの順であったが,それらの間には顕著な差は認められなかった。
    N-lauroyl-L-valineのNa, K, Ca塩およびメチル,エチル各エステルの間では,Na, K塩だけが遊離酸とあまり差がなかったが,その他のものはきわめて防除効果が低かった。
    valineを他のアミノ酸で置き換えた場合には,L-proline, L-methionine, L-leucine, DL-alanineなどにL-valineと同程度の効果が認められた。いっぽうlauric acid (C12)を他の脂肪酸で置き換えた場合には,脂肪酸部分の炭素数がC12より増加あるいは減少するにつれて防除効果が低下した。
  • B.K. GOSWAMI, S.P. RAYCHAUDHURI
    1973 年 39 巻 2 号 p. 99-102
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    タバコにTMV,ジャワネコブセンチュウの両者を接種し,タバコの生育阻害,その根部の根こぶ数,根部周辺のセンチュウ数の変動を中心に試験した。TMVのみを接種した区,センチュウのみを接種した区,TMV,センチュウの両者を接種しない3つの区をそれぞれ対照区とした。TMVとセンチュウを同時に接種した区-1区,TMV接種後,センチュウを接種した区-5区,センチュウ接種後,TMVを接種した区-5区の計11区とした。第1次接種と第2次接種との間隔は5日とし,5∼25日のそれぞれ5区を設けた。TMVとセンチュウの両者を接種した区は,全般に茎葉部,根部ともに3つの対照区に比べ,長さ,重量とも明らかに生育阻害を示した。またTMVを接種したタバコでは,その根部の根こぶ数,根部周辺土壌のセンチュウ数,ともにセンチュウのみを接種した対照区に比べ増加した。TMVとセンチュウの両者を接種したもの(上記11区)の中で,もっとも顕著にタバコの生育阻害,根こぶ数の増加,根部周辺土壌のセンチュウ数の増加のみられたのは,TMVとセンチュウを同時に接種した区であった。
  • Y. RATHAIAH, M.S. PAVGI
    1973 年 39 巻 2 号 p. 103-108_1
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    インドにおいて,ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)およびアマ(Linum usitatissimum L.)のleaf spotをそれぞれおこすCercospora carthami Sundaraman and RamakrishnanおよびC. linicola Pavgi and Rathaiahは土壌中の腐生的栄養菌糸および寄主植物組織残がいに埋在する子座で越夏し,ベニバナのleaf spotおよびゴマ(Sesamum orientale L.)のangular leaf spotをおこすRamularia carthami ZaprometovおよびCercospora sesamicola Mohantyはそれぞれ寄主植物組織残がいに生じた菌核で越夏し,いずれも次の作期まで生き残る。
  • II. 保毒虫が吐出したウイルスのイネ体内における転流とその増殖部位
    孫工 弥寿雄, 桜井 義郎
    1973 年 39 巻 2 号 p. 109-119
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 接種位置と病徴の発現位置との関係あるいは血清反応によるウイルスの分布調査結果により,保毒虫が吐出したウイルスはイネの吸汁部位では増殖せず,直ちに通導組織内を増殖部位へ転流するとみられた。この転流途中を氷冷,熱処理,多湿処理などの物理的処理や呼吸阻害剤,麻酔剤などの薬液処理をして,転流するイネの組織を,また,葉身切断法により転流する速度を追跡した結果,転流は30Cで師管内を1時間当たり25∼30cmの速度で下方に向って行なわれ,転流途中の吐出ウイルスは無毒のシロオビウンカで確実に回収されることが判明した。吐出ウイルスの転流の多少は,接種頭数,接種時間,品種などで異なり,品種ではRR品種よりSS品種の方が良好で,環境条件では断根,葉身折損,冷水,低温処理がいずれも転流を阻害することが判明した。
    2. イネ体内のウイルス増殖部位を明確にする目的で,組織化学的検出,血清あるいは螢光抗体法,病徴出現部位の探索により,ウイルス増殖部位の分布,増殖の経時変化を追跡した結果,ウイルスの増殖は細胞分裂中の組織で行なわれるものとみられ,この部位は保毒虫接種時の最上展開葉(n)より1枚上の葉(n+1)の葉鞘から細胞分裂中の葉原基(n+4)にかけて分布し,また,出現する病徴では2枚上の葉身からであるとみられた。
  • 第2報 完全時代の存在と子のう胞子の病原力について
    牛山 欽司
    1973 年 39 巻 2 号 p. 120-126_2
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    神奈川県内の温州ミカン園において,1969年10月に黒点病菌の完全時代(Diaporthe citri (Fawc.) Wolf)を認め,この子のう殻の形成時期,条件,子のう胞子の病原力について柄胞子と比較して検討した。
    1. 子のう殻は,地表に落下または樹上に残った比較的太い枯枝の木質部に形成される。子のう胞子からの分離菌は,ジャガイモ寒天培地上あるいは接種した枯枝に柄子殻を生じ,この枝を多湿条件下におくと子のう殻が形成された。子のう殻の切片を果実に接種すると黒点病斑を生じた。
    2. 2~3月にせん定し,あるいは枯死した枝をミカン園内に放置すると,未熟な子のう殻が8~9月に形成され,9~10月には成熟した。地表面においた枯枝のほうが地表15, 30cmのところにおいた場合よりも子のう殻の形成時期が早く,形成量も多い。実験室内において子のう殻の形成および成熟は,95%以上の高い湿度でのみ認められた。
    3. 果実に子のう胞子と柄胞子を接種した結果,両者は全く同様の発病傾向を示した。温度が高く,接種時間が長くなるにつれて発病程度が激しくなり,発病も早まる傾向が認められた。7, 8月の果実に接種したとき,両者ともほとんど同じ病徴を示したが,9, 10月に接種すると子のう胞子のほうがやや大型の円型の病斑を生じた。
    ほぼ同じ胞子数を用い果実に接種した場合,子のう胞子のほうが柄胞子よりも発病程度が激しく,子のう胞子の病原力は柄胞子のそれよりも強いようである。
  • 大森 薫
    1973 年 39 巻 2 号 p. 127-129
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The pycnospore formation of Diaporthe citri was markedly increased when the fungus was cultured under the continuous illumination of “black-light blue” (BLB) fluorescent lamp. The effective wave length was 324 or 355nm, obtained through interference filters. When the young colonies grown under the continuous darkness were exposed to BLB, α-spores were formed at relatively low temperatures and β-spores at high temperatures.
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 130-138
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 138-142
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 148-154
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 155-170
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 170-179
    発行日: 1973/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年 39 巻 2 号 p. 180
    発行日: 1973年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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