日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
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76 巻 , 3 号
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会長講演
学会賞受賞者講演
原著
  • 中山 喜一, 和氣 貴光, 青木 孝之, 森島 正二, 福田 充
    2010 年 76 巻 3 号 p. 135-141
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/15
    ジャーナル フリー
    トマトフザリウム株腐病菌のトマト花器および果実に対する病原性を検討した.本菌の分生子懸濁液を花器および果実へそれぞれ接種した結果,花器柱頭付近は褐変,枯死し,果実では無傷接種した果実の最大で34.8%が腐敗症状を呈した.果実の腐敗は,果頂部の花柱基部付近からはじまり,しだいに果梗部へ拡大した.採取した品種‘麗容’の果実へ本菌を有傷接種したところ,25℃で接種48時間後に接種部位の果頂部に褐変腐敗症状を認め,接種96時間後には発病果率が95.0%となった.また,摘葉に伴う茎の傷口から本菌が感染し発病に至ったと考えられる病斑がほ場で観察されるため,本菌の‘麗容’の茎に対する病原性を検討するとともに原病徴の再現を試みた.本菌を培養した土壌ふすまを品種‘麗容’および‘ジョイント’の茎へ接種した結果,両品種の茎の接種部位に褐色,不整形の病斑が形成され原病徴が再現された.両品種に対する分生子懸濁液の無傷接種でも病斑が形成された.以上から,本菌はトマトの花器,果実および茎に対し病原性を有することが明らかとなり,土壌伝染以外の伝染経路としてトマト茎だけでなく花器,果実などトマト地上部からの自然感染の可能性が示唆された.
  • 加藤 公彦, 本澤 洋江, 伊代住 浩幸, 貫井 秀樹
    2010 年 76 巻 3 号 p. 142-148
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/09/15
    ジャーナル フリー
    6量体キチンがイネ培養細胞に誘導するエリシター応答発光と過酸化水素間の相関解析を行った.6量体キチンの処理濃度0.03~1000 μMにおいて,エリシター応答発光と過酸化水素生成量は類似した発生パターンを示した.また,エリシター応答発光と過酸化水素生成量は共に,6量体キチン濃度に対して自然対数関数的に増加した.この結果から,エリシター応答発光と過酸化水素は,類似した発生様相を呈することが判明した.エリシター応答発光と過酸化水素の両者を,エリシター濃度を変動させる方法と病害抵抗性誘導剤のプライミング効果を利用した方法により発生変動させ,両者の量的相関を調査した.その結果,前者の方法では,両者の相関係数は0.95~0.97(p<0.01),また,後者の方法では0.90~0.93(p<0.01)で有意であり,6量体キチンが誘導するエリシター応答発光と過酸化水素は量的に相関することが判明した.
平成22年度日本植物病理学会大会講演要旨
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