日本植物病理学会報
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8 巻, 3 号
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  • 井村 純三
    1938 年 8 巻 3 号 p. 203-211
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 本論文には稻胡麻葉枯病病斑の擴大に及ぼす日光の影響に就きて行へる著者の實驗の結果を記したるものにして,本實驗は既報稻熱病(1)に於けると略々同樣なる方法によりて行ひたり。
    2. 本病病斑の擴大に及ぼす日光の影響は稻熱病に於けると略々同一の傾向を有するも,寄主の榮養阻害に對する本病病原菌の反應は稻熱病菌に比し稍々遲きが如し。
    3. 培養基上に於ける病原菌菌絲の發育に及ぼす日光の影響は稻熱病に於けると全く同一傾向を示し,日光の存在により菌絲の發育は抑制せられたり。
  • 平井 篤造
    1938 年 8 巻 3 号 p. 212-229
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 本論文に於ては蕉實白絹病菌Corticium centrifugum (LÉV.) BRES. の系統的位置,蕉實に對する病原性を明にし,次て同菌の發育に及ぼす2・3環境の影響及び急激冷却による本病の治病學的研究一半を記述せり。
    2. 著者の實驗せる範圍に於ては,蕉實白絹病菌は系統的にシロツメクサ白絹病菌より寧ろ大蒜白絹病菌に近きものの如し。
    3. 蕉實白絹病菌は適當なる條件に於ては菌核,菌絲及び有傷,無傷の各接種を問はず蕉實を侵し得。
    4. 蕉實白絹病菌の菌核發芽の適温は相當に廣くして, 24-36℃に亙り,又その發芽には少くとも97%以上の空氣關係濕度を要す。尚菌核發芽には空氣濕度が第一次的役割を務め温度の影響は寧ろ從屬的なるが如し。
    5. 蕉實白絹病菌菌絲發育の適温は32℃附近にして, 20℃にて急減, 11℃附近にて發育甚だ微弱なり。
    6. 本病の豫防には輸送中に發生する蕉實病害の綜合的豫防見地より見て, 11℃附近への急激冷却による低温輸送を有效と認む。
  • II 變異菌とフアーヂユの關係に就て
    岡部 徳夫
    1938 年 8 巻 3 号 p. 230-246_1
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    Thirty-two colony variants were obtained from the two different strains of Bacterium malvacearum which were isolated from the angular spots of cotton at Taihoku, viz. 9 variants (A-I in fig. 1) from culture strain 427 and 23 variants (A-W in pl. II) from culture strain 450. All the variants derived from the former are resistant to the phage which was isolated from the diseased leaves by MATSUMOTO and HUZIOKA, (4) while any of the latter are susceptible to it, though somewhat different in susceptibility and size. of plaque produced, generally more susceptible variants producing larger plaques (table 6). The plaques produced on the cultures of variants E, J, and M enlarge to a great extent with the increase of the incubation period (table 6). The phage in question proved to be consisted of at least two elemental phages. The one is active against all the variants, and the other is only active against those except E, J, M, O, and P variants (tables 7-8). The size and number of plaques are more or less decreased with the increase of the amount of bacteria used (table 11). The same is true with the temperature within a certain limit, although in this case the effect is more remarkable on the number of plaques. Resistant strains developed from the phage-bacterial cultures are not apparently different in morphological characters from their original susceptible bacteria.
  • 瀧元 清透
    1938 年 8 巻 3 号 p. 247-248
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 岡本 弘
    1938 年 8 巻 3 号 p. 249-250
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 明日山 秀文
    1938 年 8 巻 3 号 p. 251-260
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    (1) 小麥黒目粒は本邦各地に多少なりとも發生を見る。その混入は關東以北で生産された小麥に多く關西以南の小麥には殆ど痕跡的にしか含まれないやうである。
    (2) 麥類斑點病菌は從來北海道及び臺灣に發生する事が知られてゐたが今囘北海道,鴻巣,熊本産の小麥黒目粒から分離された。その他關東地方には大麥及び小麥に斑點病が多少發生してゐるやうである。
    (3) 黒目粒の病徴には數種の型がある。その中胚端の果皮及び種皮の黒褐色に變ずるものが最も多い。此の變色粒は概して健全粒より重い。少數混入せる變色萎縮粒は著しく輕い。
    (4) 黒目粒の發芽は著しく阻害されない場合が多い。又之より發芽した幼植物の中約半數は根,鞘葉等に異常を呈した。
    (5) 黒目粒又は夫より發芽した幼植物からHelminthosporium sativum, Helm. teres?, Alternaria sp., Pleospora sp., Chaetomella sp., 其他が分離された。然し海外の研究結果に比すれば分離される頻度は甚だ少い。
    (6) 分離菌を接種した結果, Helminthosporium sativumは根,鞘葉,葉,頴,子實に病斑を生じ黒目粒の有力な成因の一である事を認めた。Helm. teres に近い菌は根を侵すが穗に於ける感染は明かでない。Alternaria sp. は僅少ではあるが黒目粒を生じた。即ち數種の菌の寄生に依つて黒目粒を生ずるが,其外に菌の寄生を認めない場合も多く,黒目粒の成因は多樣である。
    (7) 斑點病菌Helminthosporium sativumに基因する黒目粒は萎縮せるものが少くなく,品質收量の低下を來す事は明かであるが,一方夫の發芽後の幼植物或は成植物に斑點病を起す源となる恐れがあり,注意を要する病害である。其他の原因に依る黒目粒では顯著な減損を認められないが,商品的價値を損じつゝある。
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