日本植物病理学会報
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60 巻 , 2 号
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  • 後藤 正夫, 彦田 岳士, 中島 雅巳, 瀧川 雄一, 露無 慎二
    1994 年 60 巻 2 号 p. 147-153
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Pseudomonas, Xanthomonas, Erwinia, Agrodacterium, Clavibacter及びCurtobacteriumの合計189菌株を用いて銅耐性を調べた。硫酸銅1.25mM以上を含むBacto馬鈴薯・ブドウ糖寒天培地(Difco)よで増殖を示す細菌を銅耐性と判定した。この培地を用いた場合の硫酸銅の最小発育濃度(MIC)はカシトン・酵母エキス・グリセロールを用いた場合の1∼2倍,水溶液を用いた場合の約100倍高い数値を示した。銅耐性菌株は供試細菌から広く検出されたが,特にPseudomonas属細菌で多く,P. cepacia, P. gladioliなどrRNAII亜群の細菌はいずれも高い銅耐性を示した。銅耐性の程度は硫酸銅と銅水和剤の間で必ずしも相関性は認められず,また銅水和剤の間でも相違がみられた。P. cepacia, P. gladioli, P. syringae pv. actinidiae, A. radiobacter及びA. tumefaciensでは銅耐性菌株はすべてストレプトマイシンに対しても高い耐性を示した。A. tumefaciensでは生理型1の3菌株中3菌株,生理型2の8菌株中1菌株及び生理型未同定の2菌株中1菌株がそれぞれ銅耐性を示しな。A. radiobacterでも生理型1の1菌株が銅耐性を示したが,A. vitisの6菌株はいずれも感受性であった。
  • 君島 悦夫, 小林 慶範
    1994 年 60 巻 2 号 p. 154-161
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Phytophthora capsici菌株IFO 30696の菌糸磨砕液の上清を抗原として作製した3種のモノクローナル抗体(PC1A6, PC1B2およびPC1C5)の性状を解析した。ショ糖加用ジャガイモせん汁液体培地で培養した供試菌の菌糸にリン酸緩衝液を加え磨砕後,遠心分離(10,000×g, 15分)を行い,上清をELISAとウエスタンブロット法の試料とした。この上清をさらに超遠心分離(105,000×g, 2時間)して得た上清を,Sephadex G-200カラムクロマトグラフィーの試料ならびにプロテナーゼKおよび過よう素酸処理試験に用いた。その結果,供試モノクローナル抗体が認識するエピトープはそれぞれ異なっており,PC1C5はPhytophthora属菌に対し特異的抗体であることが判明した。ウエスタンブロット法での結果,各抗体はそれぞれ複数のバンドを検出したことから各抗体が認識するエピトープはSDS-PAGEにより分離された,分子量の異なる複数の物質上に存在している可能性が示唆された。Sephadex G-200カラムクロマトグラフィーで排除容量付近に容出された画分はいずれの抗体に対しても高いELISA値を示すとともにタンパク質および糖の呈色反応を示した。プロテナーゼKおよび過よう素酸処理試験の結果,PC1A6は糖に,またPC1B2およびPC1C5はタンパク質にそれぞれ特異的な抗体である可能性が示唆された。
  • 佐藤 章夫
    1994 年 60 巻 2 号 p. 162-166
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ジャガイモ塊茎スライスに培養した疫病菌菌叢から遊走子のう(胞子)懸濁液を微量なカチオン類を含む水で調製し,あらかじめ30∼36°Cの高温に処理したあと,10°Cの低温に48時間置いて発芽させ,発芽型に及ぼす高温処理の影響を調べた。無処理の胞子は間接発芽でのみ発芽可能な間接発芽型の胞子であったが,高温処理によって直接発芽でのみ発芽可能な直接発芽型の胞子に転換した。発芽型の転換は水温が高いほど早く,この傾向は20∼30°Cでも見られた。33°Cで16∼24時間処理すると95%以上の高率で直接発芽型の胞子が得られた。また,このようにして得られた胞子の懸濁液を3∼28°Cに48時間置いて発芽率を調べたところ,10∼17°Cの低温は高い発芽率を得るのに最適であったが,発芽速度の面からみると22∼24°Cが最適であった。これらの結果は,蒸留水を用いて実験され,若い胞子は間接と直接の両型の発芽能力を持ち,10°C前後の低温は直接発芽を強く抑制するとした従来の定説と顕著に異なった。
  • 吉川 正巳, 橋本 典久, 横山 竜夫
    1994 年 60 巻 2 号 p. 167-174
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1989年5月中旬に,京都府福知山市の定植2年目のアスパラガス圃場で,株に発生した激しい腐敗により収穫不能となる日本未記録の病害が発生した。褐色∼赤褐色腐敗が地下茎上部にある幼茎の芽部から始まって地下茎の内部組織へ伸展し,やがて株全体が枯死するが,根あるいは茎の維管束部に褐変は認められなかった。病斑部からの単胞子分離菌株はアスパラガスに病原性を示し,その形態的特徴から.Fusarium moniliforme Sheldon var. intermedium Neish & Leggett(テレオモルフ:Gibberella fujikuroi var. intermedia Kuhlman)と同定された。また,病名として株腐病を提唱する。
  • 加藤 肇, 真山 滋志, 関根 理江, 金沢 英司, 泉谷 有香, ウラシマ アルフレドS., 久能 均
    1994 年 60 巻 2 号 p. 175-185
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    いもち病菌には,従来知られていた洋梨型の分生子と同時に,小型の分生子を形成する菌株がある。気中菌糸に単独または数個が順次分岐してフィアライドを形成する。フィアライドは淡褐色,花瓶状,基部は球形ないし楕円球形,先端部は一端くびれ細くなってから外側に開いてカラー状(corallette)を呈する。一細胞,厚膜で基部に隔膜があり,長さ5.9∼12.5(平均8.9) μm,幅3.3∼7.2(平均4.5) μmである。小型分生子はカラー内の先端の細胞で分化し,続く小型分生子は別の分岐場所から分化してくる。最初先端の丸い棍棒状である。フィアライドの先端部に分化してきた数個の小型分生子が球状の塊を形成する。粘液に包まれた様相を呈する場合もある。個々の分生子はそのまま生長を続け,新月状になる。細胞壁は薄く,一細胞からなり,長さ5∼8(平均6) μm,幅0.5∼0.8(平均0.7) μm,一核を有する。形成に光は無関係であり,オートミール培地,ジャガイモ煎汁培地は有効であるが,ツァペック培地,ザックス培地は無効である。25°Cで移植1日目から形成が始まり交配能力の有る菌株,特に両性株に多く,交配型には関係なく,雌雄性との関係は不明である。シコクビエ(日本,インド,ネパール,ウガンダ産)イネ(ギネア,インド産),コムギ(ブラジル産),Oryza longistamiinata(コートジボアール産),クリーピングシグナルグラス(ブラジル産),メヒシバ属(日本,ブラジル産),レーマンラブグラス(以下日本産),ナルコビエ,ヌカキビからの分離菌株に広く形成された。交配能力のある菌株で形成されないものもある。
  • 権 純培, 佐古 宣道, 大島 一里
    1994 年 60 巻 2 号 p. 186-195
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    タバコモザイクウイルスラッキョウ系(TMV-R)の3′末端から2,000塩基の配列を決定した。この配列には30Kタンパク質(687-1493),外被タンパク質(205-684)遺伝子及び3′非翻訳領域(1-204)が含まれていた。このTMVの塩基配列を既知の6種類のtobamovirusと比較するとTMV-普通系(-OM, -vulgare)と高い相同性が認められた。TMV-Rと-OMの外被タンパク質のアミノ酸配列を比較すると158アミノ酸残基中に8個所で置換があり,そのうち3個所はN末端近くに,3個所はC末端近くに見いだされた。両系統の30Kタンパク質のアミノ酸配列の相同性は95.5%であり,全268アミノ酸残基中に12個所で置換があり,これらの置換はC末端領域に集中して見いだされた。TMV-Rはブライトエロー(BY)に全身感染できないことはすでに報告したが,本系統はBYのプロトプラストでは高い感染・増殖能を示した。以上の結果からTMV-Rの30Kタンパク質内で変換されていたアミノ酸がBYにおける,30Kタンパク質の機能の欠損を引き起こしていると思われた。
  • 岡本 晋, 奥 尚, 土崎 常男
    1994 年 60 巻 2 号 p. 196-201
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1990年から1992年に,北海道および関東地方を中心とした日本のコムギ栽培地域よりコムギ赤さび病罹病菌98菌株を分離し,Chesterの判別品種と付加的判別品種を用いてレース判別を行った。その結果,関東以西の地域では農林16号とアオバコムギにのみ病原性を有するレース1Bが広く分布するが,北海道では比較的多くの判別品種に対して病原性を有する様々なレースが分布することが明らかになった。この結果は過去60年間に日本において報告されたものとほぼ一致したが,レース8や73のように従来,報告のなかったレースも検出された。また,単一のコムギ赤さび病抵抗性遺伝子をもつ同質遺伝子系統19系統に対して接種試験を行った結果,従来の判別品種によって同定された11のレースは,同質遺伝子系統の反応によりさらに27に分けられた。試験されたすべての菌株に対して抵抗性皮応を示した同質遺伝子系統はLr24のみであった。
  • Jorge JHONCON, 三浦 雅彦, 露無 慎二
    1994 年 60 巻 2 号 p. 202-207
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Erwinia carotovora subsp. carotovora EC1株のゲノミックライブラリーより少なくとも4種のポリガラクツロナーゼを生産するクローンpEC301を選抜した。この5.8kbのEcoRI断片の制限地図を作成し,サブクローンの解析によって,1.8kbの断片でも4種以上のポリガラクツロナーゼを生産することが判明した。等電点電気泳動及びその後のポリガラクツロナーゼ活性染色によると,4種のポリガラクツロナーゼの等電点は9.5, 6.0, 5.6及び5.0であった。これらのポリガラクツロナーゼを生産するクローンはジャガイモ塊茎組織を崩壊する能力があった。
  • Jorge JHONCON, 酒井 富久美, 露無 慎二
    1994 年 60 巻 2 号 p. 208-215
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Erwinia carotovora subsp. carotovora (E.c.c.) EC1株では,1804塩基からなるDNA断片が等電点を異にする4種のポリガラクツロナーゼ(Peh)を生産した。この領域の塩基配列を両方向から決定したところ,他のE.c.c.菌株で報告されているPehと同程度の分子量42,646となる402個のアミノ酸をコードする翻訳領域(ORF1)が存在した。ORF1から読まれるアミノ酸の配列は既報のE.c.c.のPehと約90%の相同性を示した。また,26個のアミノ酸からなるシグナルペプチドと考えられる領域も見いだされた。この他,短いORFも存在していた。4種のPehを生産するためのORF1を除いた595塩基の役割について論じた。
  • 津田 新哉, 花田 薫, 藤澤 一郎, 亀谷 満朗, 都丸 敬一
    1994 年 60 巻 2 号 p. 216-220
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    日本で分離されたトマト黄化えそウイルスは,ヌクレオキャプシドの特性から2系統(O系統及びW系統)に大別される。2系統の精製ヌクレオキャプシドをBALB/cマウスにそれぞれ免疫し,系統特異的モノクロナール抗体(MCA)を作成した。得られたMCAの65株は,その反応性からO特異的なもの,W特異的なもの及び両者に反応する3タイプに分類された。代表的な系統特異的MCA(O特異的な277A及びW特異的な241)を用い,直接二重抗体ELISA (DAS-ELISA)によって検討した結果,検出限界は精製ヌクレオキャプシドでは277AはOD260=1×10-5, 241はOD260=3×10-4,またNicotiana rustica感染葉粗汁液では277Aは10万倍,241は3万倍希釈であった。5分離株(O系統3分離株,W系統2分離株)に対する反応特異性では,277AはO系統分離株のみと,241はW系統分離株のみと反応した。以上から,作製されたMCAによってTSWV各系統のヌクレオキャプシド上には共通抗原決定基と共に系統特異的抗原決定基の存在が明らかとなった。
  • 小林 享夫, 鬼木 正臣
    1994 年 60 巻 2 号 p. 221-224
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ジャワ島における工芸作物病害発生実態調査の過程で,観賞樹木ブーゲンビレア葉上にインドネシア未記録の斑点性病害を記録した。病原菌の分生子からの分離および接種試験による病原性の確認ののち,病原菌の形態等菌学的検討を行い,アメリカ,エルサルバドル,インドから報告のあるCercosporidium bougainvilleae (Muntañola) Sobers et Seymourと同定した。病名はその病徴から円星病と提案した(小林ら,1992)。
  • 反保 宏行, 豊田 秀吉, 野々村 照雄, 大内 成志
    1994 年 60 巻 2 号 p. 225-227
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    エレクトロポーレーション法によってハイグロマイシン抵抗性およびβ-グルクロニダーゼ遺伝子をイチゴ萎黄病菌に導入し,得られた形質転換菌を宿主植物に接種して,その病原性を検討するとともに,罹病植物からの形質転換菌の検出を試みた。形質転換菌をイチゴの感受性品種『宝交早生』に接種したところ,非形質転換菌と指様の発病が認められ,さらに罹病植物から再分離した病原菌は,ハイグロマイシン抵抗性およびβ-グルクロニダーゼ活性陽性であった。また,両遺伝子の染色体への組込みは,サザンハイブリダイゼーション分析によって確認された。以上の結果から,選択マーカー遺伝子を導入した形質転換菌を利用すれば,宿主組織内でのイチゴ萎黄病菌の挙動を効果的に解析できるものと結論した。
  • 増田 税, 林 由美子, 鈴木 匡, 桑田 茂, 高浪 洋一, 小岩井 晃
    1994 年 60 巻 2 号 p. 228-232
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キュウリモザイクウイルス(CMV)のコートタンパク(CP)とサテライトRNAを両方発現する形質転換タバコは,各々の遺伝子を別々に発現する個体よりも優れたCMV抵抗性を示す。この拡大された抵抗性のメカニズムを解明するために,サテライトRNAのCMVの感染率に及ぼす効果について解析した。2μg/mlのCMV濃度では顕著な感染阻止効果が認められなかったが,0.5μg/ml以下の低濃度でCMVを接種した場合に,サテライトRNA発現タバコで感染阻止効果が見いだされ,接種葉におけるCMVの感染点が減少した。このような感染阻止は,コートタンパクを発現するタバコで観察される抵抗性に類似した現象である。このサテライトRNAによる感染阻止効果は,CPとサテライトRNAを両方発現する個体で観察された強いCMV抵抗性の1要因になっているものと思われる。
  • 松田 一彦, 豊田 秀吉, 西田 隆次, 西尾 仁美, 道後 充恵, 角谷 晃司, 駒井 功一郎, 大内 成志
    1994 年 60 巻 2 号 p. 233-235
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    青枯病菌に対して選択的に抗細菌活性を示す3-インドールプロピオン酸(IPA)の代謝反応をトマト切枝を用いて調べた。薄層クロマトグラフィーを用いて分析したところ,トマト葉中にとり込まれたIPAは,時間の経過とともにIPAよりRf値の低い化合物に変換されることがわかった。新たに検出された化合物はトマト葉中でIPAが代謝されたために生じたものと考え,IPAを24時間処理したトマト葉から指代謝物を単離した後,化学構造を解析した。その結果,IPAの主要代謝物は1-O-(3-indolepropionyl)-β-D-glucopyranoseであると指定した。IPAは2.5μg/mlで青枯病菌の増殖を完全に抑制するのに対し,IPAの主要代謝物として指定されたグルコース配糖体は100μg/mlでも全く抗細菌活性を示さなかった。
  • 芹澤 拙夫, 市川 健, 鈴木 宏史
    1994 年 60 巻 2 号 p. 237-244
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Pseudomonas syringae pv. actinidiaeによるキウイフルーツかいよう病の越冬後期∼出芽期の枝や幹における発病要因を検討した。常発地域の圃場では春季の葉の発病との密接な関連性が認められたが,これに該当しない例もあり,罹病枝組織内での病原細菌の越夏と越冬,および春季以外の時期の枝や幹の感染が示唆された。病原細菌の増殖に対する宿主組織の抵抗反応はおおむね旬平均気温20°Cを境に変化し,これよりも気温が高い時期には高温ほど速やかに治癒組織が形成された。気温の低下に伴いその形成は徐々に鈍化し,少なくとも15°C以下では形成されなかった。その結果,越夏後の罹病枝組織内の病原細菌密度は減少し,さらに初秋の感染枝と同じく治癒組織形成により翌年の発病が大きく妨げられた。伝染源となる罹病樹の棚下に置いた苗では,秋季∼初冬に罹病樹の落葉前に傷感染が認められた。罹病樹の落葉後の苗の感染および無傷接種した腋芽と皮目からの感染はいずれも認められなかったことから,枝や幹は,秋期∼落葉期に葉の病斑から飛散する細菌により傷感染するものと推察された。感染後,病原細菌は皮層組織に潜在し,初冬∼早春に増殖と組織内での移行がみられた。
  • 山岡 直人, 山本 友美, 小林 一成, 久能 均
    1994 年 60 巻 2 号 p. 245-252
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    エンドウうどんこ病菌分生胞子の形態形成に及ぼす水分ならびに湿度の影響を検討した。空気中と水中で胞子を培養してその形態形成過程を比較してみたところ,形態形成のうちで顕著な違いは発芽管の伸長過程に現れた。すなわち,水中培養すると,発芽管は付着器を形成せずに徒長する現象が顕著に起こるようになった。本実験の結果より,空気中では下から発芽する胞子が多いのに対し,水中では上または横から発芽する胞子が多くなることが明らかとなった。また,発芽管の出現位置とその後の発芽管形態は相関し,いずれの条件で培養しても,上から発芽した場合にはほぼすべての発芽管が徒長した。下から発芽した場合,空気中では付着器になる場合がきわめて多くなったのに対し,水中においてはその率が低くなる傾向が認められた。以上の結果より,水中培養において高率で認められる発芽管徒長は,胞子からの発芽管出現位置と基質表面への発芽管伸長過程が水の影響を受けるために起こると推定された。
  • 吉田 克志, 大口 富三
    1994 年 60 巻 2 号 p. 253-256
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Effects of inhibitors of calcium-dependent metabolism on haustorium formation of Peronospora parasitica in Japanese radish root tissues were investigated. When the root tissues were pretreated with chlortetracycline, EGTA and Na3VO4, respectively, haustorium formation of the fungus was suppressed. The suppression by chlortetracycline was restored by addition of a calcium ionophore or a protein kinase activator. These results suggested that haustorium formation of P. parasitica might be closely related to calcium-dependent metabolic process in host.
  • 田中 秀平, 村井 健悟, 伊藤 真一, 勝本 謙, 西 泰道
    1994 年 60 巻 2 号 p. 257-259
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Clubroot disease was found on wasabi (Eutrema wasabi Maxim.) growing in drained paddy fields in Yamaguchi Prefecture. The clubroot incidence was high in wasabi plants transplanted from one of two nursery beds set in drained paddy fields, where the occurrence of clubroot on Cardamine flexuosa With., a cruciferous weed, was more frequently observed. In the inoculation test, the clubroot fungus from the weed showed high pathogenicity to wasabi as well as that from Chinese cabbage. It is suggested that the fungus from the weed affects wasabi in fields.
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