日本植物病理学会報
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79 巻, 3 号
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会長講演
学会賞受賞者講演
原著
  • 澤岻 哲也, 田場 聡, 諸見里 善一
    2013 年 79 巻 3 号 p. 142-149
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/13
    ジャーナル フリー
    施設マンゴーの出蕾から開花,着果初期における炭疽病菌の潜在感染の有無および感染部位を明らかにするために,外見上健全な頂芽,花芽,花序および幼果を採取し,エタノール浸漬簡易診断法によって病原菌の検出と分離を試みた.その結果,全ての部位において鮭肉色の分生子塊形成が認められ,それらから計34菌株を分離した.これらの分離株は種特異的プライマーを用いたPCR検定により,23菌株がColletotrichum gloeosporioides,11菌株がC. acutatumと同定され,いずれもマンゴー果実(品種:アーウィン)に対して病原性を示した.炭疽病菌C. gloeosporioides S754のnit変異株(nit1株)を作出し,圃場レベルで接種を行い感染時期の特定を試みた.その結果,接種された頂芽(接種時期:1月),花芽(2月),花序(4月)および幼果(5月)由来の各潜在感染果実に出現した病斑部からnit1株が再分離され,幼果への接種において最も高い分離頻度を示し,頂芽への接種では低頻度であった.以上の結果から,2種のマンゴー炭疽病菌の潜在感染は,外観上健全な頂芽,花芽,花序および幼果で既に混在して成立し,感染後は開花,結実,果実肥大から7月の収穫に至る過程において長期間,植物組織内で潜伏し,収穫後の果皮上に病斑を形成することが示された.
短報
平成25年度日本植物病理学会大会講演要旨
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