アズキ落葉病の発病におよぼすダイズシストセンチュウの影響について,種々の条件下で接種実験を行なった。
接種菌数,接種線虫数,接種間隔,温度,土壌等の異なる条件の中でアズキ落葉病菌とダイズシストセンチュウを混合接種すると,本菌を単独で接種するよりも,著しく導管の褐変は増大したが,接種後1ヶ月では落葉症状等の外部病徴は現われなかった。同一接種菌数では,乾土1g当り接種線虫数30で褐変個体率は最大となり,褐変節数も最大となった。同一接種線虫数では,接種菌数が多いほど,褐変個体率も大きくなった。線虫接種後の菌を接種するまでの日数が長くなるほど,褐変個体率は小さくなり,褐変節数も少なくなった。温度と発病との関係では,褐変個体率は25C一定で最大であり,以下20C一定,昼温25C・夜温20C,昼温20C・夜温10Cの順となった。また,褐変節数も同様の傾向を示した。北大土壌,清川土壌,ポットエースの3種の土壌で,線虫と菌を混合接種した場合,褐変個体率は40∼50%と大きな差は認められなかった。
接種後40∼45日の莢成熟期に入ると,線虫と菌を混合接種した個体では,下葉から順次,黄化,萎凋,落葉し始め,これ以後急速に上部に進展した。無接種,菌単独接種および線虫単独接種個体では,急速な落葉症状は見られなかった。
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