日本植物病理学会報
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50 巻 , 4 号
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  • 塩見 敏樹, 杉浦 巳代治
    1984 年 50 巻 4 号 p. 455-460
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    わが国に発生するヒメフタテンヨコバイによって媒介されるMLO(系統I・II・III), PPWMとアメリカに発生するAYMとの異同を虫媒接種試験で比較検討した。
    1. ヒメフタテンヨコバイおよびM. fascifronsは,系統I・II・IIIおよびAYMを高率に媒介するが,PPWMを媒介できない。キマダラヒロヨコバイはPPWMを高率に媒介するが,系統I・II・IIIおよびAYMを媒介できない。
    2. AMYをヒメフタテンヨコバイおよびM. fascifronsによって検定植物に接種した結果,発病植物の種類は一致した。
    3. 系統I・II・IIIをM. fascifronsによって検定植物に接種した結果は,ヒメフタテンヨコバイを接種した場合と一致した。
    4. 系統I・II・IIIおよびAYMを吸汁したヒメフタテンヨコバイの媒介虫率に大きな差異は認められず,獲得吸汁期間の長さに比例して増加し,7日間吸汁で80%前後であった。
    5. 系統I・II・IIIおよびAYMを吸汁したM. fascifronsの媒介虫率に大きな差異は認められなかったが,7日間吸汁でも同様にかなり低く,30∼40%であった。
    6. 系統I・II・IIIおよびAYMのヒメフタテンヨコバイ体内における潜伏期間は同様に14∼23日(平均18∼19日)であった。媒介は永続的と認められる。
    7. 以上の結果から,わが国に発生するヒメフタテンヨコバイによって媒介されるMLOは,PPWMと異なるが,アメリカに発生するAYMと同一グループに属するMLOと考えられる。
  • 土崎 常男, 仙北 俊弘, 岩木 満朗, Surapee PHOLAUPORN, Wanpen SRITHONGCHI, Nuanchan ...
    1984 年 50 巻 4 号 p. 461-468
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    汁液伝染性のウイルスがタイおよびマレーシアのモザイク症状を示すササゲから分離された。このウイルスの寄主範囲は比較的広かったが,全身感染する植物はマメ科に限られていた。粗汁液中の不活化限界は耐熱性55-65C (10分),耐希釈性10-4-10-5,耐保存性1-3日(20C)であった。ウイルス粒子の形態は長さ約750nmのひも状であり,アブラムシで非永続的に伝搬された。タイで分離された株はササゲ(ブラックアイ)で種子伝染(約2%)したが黒種三尺ササゲではしなかった。感染細胞の細胞質中には風車状および環状の封入体が多数認められた。3, 5ジョードサリチル酸リチウムを含む寒天ゲルを用い,血清学的性質を調べたところ,本ウイルスはblackeye cowpea mosaic virus (B1CMV)のFlorida株,bean common mosaic virus, azuki bean mosaic virus,およびcowpea aphid-borne mosaic virus (CAMV)の東京株の抗血清と強く反応したが,soybean mosaic virusの抗血清とは弱く,CAMVのMorocco株とpotato virus Yの抗血清とは反応しなかった。以上の結果から本ウイルスはB1CMVと同定された。またCAMVの東京株(土崎ら1970)はB1CMVのFlorida株の抗血清と強く反応したが,CAMVのMorocco株の抗血清とは反応しなかったことから本株はB1CMVであると考えられた。
  • 小林 貞夫, 山下 修一, 土居 養二, 與良 清
    1984 年 50 巻 4 号 p. 469-475
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    植物ウイルスを簡便に検出,定量する目的で,ロケット免疫電気泳動(RIE)法について検討した。すなわち,ムギ斑葉モザイクウイルス,タバコモザイクウイルス,シロクローバモザイクウイルス,インゲンマメ黄斑モザイクウイルス,イネ縞葉枯ウイルス,イネ萎縮ウイルス,キュウリモザイクウイルス,タバコネクローシスウイルスおよびサテライトウイルスの9種のウイルスとそれぞれの抗血清を供試した。各ウイルスは寒天ゲル(4mMバルビタール,20mMバルビタールナトリウム,0.05∼0.1%抗血清,2mM EDTA, 200μg/mlラウリル硫酸ナトリウム,1%アガーロース,pH 8.6)を用いて,染色法の改良により5∼7時間で定量できた。本法でムギ斑葉モザイクウイルス,タバコモザイクウイルス,イネ縞葉枯ウイルスはそれぞれ純化試料で0.5μg/ml, 1μg/ml, 0.05 (A260)から,感染植物汁液で256倍,320倍,128倍希釈から検出できた。また,ムギ斑葉モザイクウイルスは約250個の感染プロトプラストから検出できた。さらに,寒天ゲルに2種の抗血清を添加し,2種のウイルスを同時に定量できることも明らかとなった。RIE法は技法が平易で特異性が高く,短時間で定量でき,しかも染色後の寒天ゲルは保存できるため,各種植物ウイルスの検出,定量に広く応用できると思われた。
  • 片山 克己, 木村 貞夫
    1984 年 50 巻 4 号 p. 476-482
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    長崎県内のジャガイモ栽培ほ場で秋作後期,定期的に罹病植物体からPseudomonas solanacearumを分離し,そのbiovarを調べた。分離した209菌株のうち37菌株はbiovar II, 1菌株がbiovar III, 171菌株はbiovar IVであったが,発病後期になるほどbiovar II系統の分離比率が増加する傾向が認められた。静置培養条件下で両系統の増殖を比較した結果,16.5Cではbiovar IV系統に比べてbiovar II系統の増殖が速かった。また,biovar IV系統の35C, 4日間の増殖は24C, 7日間および16.5C, 14日間のそれに比較して良好であったのに対して,biovar II系統では16.5C, 14日間培養と35C, 4日間培養との間に増殖量の明瞭な差は認められなかった。なお,接種試験による病徴発現までの潜伏期間もbiovar II系統とbiovar IV系統の間には差異が認められなかった。P. solanacearumにはレース1のほか主にジャガイモを侵し,低温でも病原性を示すレース3が存在し,かつ,レース3はbiovar IIに当ると報告されているが,本試験で分離されたbiovar II系統は,我国で未報告のレース3に相当するものと考えられる。
  • 松本 勲, 浅田 泰次
    1984 年 50 巻 4 号 p. 483-490
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    べと病罹病性ダイコンの根は,切断傷害あるいはべと病菌の前接種により,その下部組織において同じ病原菌に対する誘導抵抗性が起こった。これらの組織では,べと病菌の感染に伴ってL-フェニールアラニンアンモニアリアーゼ活性及び細胞壁木化程度の増大がみられ,菌糸侵害に先立った組織での木化が起こった。キュウリの下位本葉を木化誘導因子で処理すると,上位本葉でも炭そ病菌の侵害に対して抵抗性を示した。この抵抗性誘導植物では,炭そ病菌を接種した場合対照区にくらべて細胞壁の木化が著しかった。これらの結果に基づき,全身的誘導抵抗性発現における木化誘導因子の役割について論述した。
  • 前川 啓二, 古澤 巖
    1984 年 50 巻 4 号 p. 491-499
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ブロムモザイクウイルス感染オオムギ葉のRNA依存RNAポリメラーゼを界面活性剤とイオン交換カラムクロマトグラフィーによって純化した。膜結合ポリメラーゼの可溶化後,DEAE-Bio-Gel Aクロマトグラフィーを行うことによって,酵素の鋳型依存性や特異性が増大した。そして本酵素は完全な基質依存性を示した。本酵素によって合成された産物をポリアクリルアミドゲル電気泳動とオートラジオグラフィーによって分析した。新しく合成されたRNAは鋳型として加えたBMV RNAと相補的に結合していたが,完全な大きさのRFでなかったことから,二重鎖の部分は短いことがわかった。このRNAポリメラーゼ活性はBMV感染組織中のみに存在し,BMV RNAに対してのみ高い鋳型特異性を示した。これらの事実から,この酵素の鋳型特異性はBMV遺伝子の産物によって制御されていることが示唆された。
  • 根岸 秀明, 小林 喜六
    1984 年 50 巻 4 号 p. 500-506
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    アズキ落葉病の発病におよぼすダイズシストセンチュウの影響について,種々の条件下で接種実験を行なった。
    接種菌数,接種線虫数,接種間隔,温度,土壌等の異なる条件の中でアズキ落葉病菌とダイズシストセンチュウを混合接種すると,本菌を単独で接種するよりも,著しく導管の褐変は増大したが,接種後1ヶ月では落葉症状等の外部病徴は現われなかった。同一接種菌数では,乾土1g当り接種線虫数30で褐変個体率は最大となり,褐変節数も最大となった。同一接種線虫数では,接種菌数が多いほど,褐変個体率も大きくなった。線虫接種後の菌を接種するまでの日数が長くなるほど,褐変個体率は小さくなり,褐変節数も少なくなった。温度と発病との関係では,褐変個体率は25C一定で最大であり,以下20C一定,昼温25C・夜温20C,昼温20C・夜温10Cの順となった。また,褐変節数も同様の傾向を示した。北大土壌,清川土壌,ポットエースの3種の土壌で,線虫と菌を混合接種した場合,褐変個体率は40∼50%と大きな差は認められなかった。
    接種後40∼45日の莢成熟期に入ると,線虫と菌を混合接種した個体では,下葉から順次,黄化,萎凋,落葉し始め,これ以後急速に上部に進展した。無接種,菌単独接種および線虫単独接種個体では,急速な落葉症状は見られなかった。
  • 百町 満朗, 角野 晶大
    1984 年 50 巻 4 号 p. 507-514
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. テンサイ工場排出土壌の遊離土,フリューム土から苗立枯病菌であるRhizoctonia solaniが多数分離された。
    2. 分離したR. solaniの大部分は菌糸融合によりAG 1に類別されたが,これらAG 1に属す大半の菌株は,我が国で従来知られていた1A, 1Bの菌叢とは明らかに異なり,1つの培養型を示した。
    3. 本培養型の菌叢ははじめ無色で後に淡褐色となり,培地は淡褐色に着色した。菌核は表面が滑らかで類球形,暗褐色または黒褐色,大きさは0.2∼0.8mm,培地上に極めて多数形成された。これらの培養形態は米国のAG 1 type 3と同一であった。
    4. AG 1内の同一培養型間の菌糸融合率は40∼60%と高いのに対し,異なる培養型間の融合率は30∼35%と低かった。
    5. 本培養型の菌糸はPDA上15∼32Cで生育し,生育適温は30C,生育速度は34.7mm/24hrであった。
    6. 本培養型の菌糸幅は6.69±1.92μmで1A, 1Bと大差なかった。
    7. 本培養型は1A, 1B同様,各種作物の幼苗に対して強い病原性を示した。
    8. 本培養型は,テンサイ工場排出土壌以外に北海道,栃木県,福岡県の一般畑からも分離されており,その分布はかなり広範囲なものと思われた。
    9. 本培養型を,R. solani AG 1の新しい培養型1Cとすることを提案する。
  • 佐古 宣道, 吉岡 浩助, 江口 克己
    1984 年 50 巻 4 号 p. 515-521
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    カボチャモザイクウイルス(WMV)とジャガイモYウイルス(PVY)のHCは,カブモザイクウイルス(TuMV)のアブラムシ伝搬に介在して有効である。HC源としてWMV罹病葉を前もって吸汁させ,膜越吸汁法により純化TuMVを獲得させた時,モモアカアブラムシは同時に2種類のウイルスを伝搬できた。モモアカ,ゴボウヒゲナガ,マメアブラムシはTuMVを容易に伝搬するが,マメアブラムシはWMVを伝搬せず,ゴボウヒゲナガアブラムシは稀にしか伝搬しない。しかし,WMV-HCを獲得させたのちに,純化ウイルスを吸汁させたゴボウヒゲナガ,マメアブラムシはTuMVを伝搬できなかった。罹病葉と純化ウイルスの連続吸汁させる方法を用いて,WMV-およびPVY-HCのモモアカアブラムシによる獲得・保有各時間を調べたところ,両ウイルスのHCとも獲得時間が短いほど,TuMVの伝搬を高率に補助した。HC保有時間は,あらかじめWMV-, PVY-HCを吸汁させたモモアカアブラムシをガラスびん内に放飼した時,7∼9時間,健全葉上に放飼した時,10∼30分であった。これらの結果から,アブラムシに獲得されたHCは吸汁時間が長くなると,その活性を失うと考えられる。
  • 小林 喜六
    1984 年 50 巻 4 号 p. 522-527
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    アズキ落葉病菌の病原性の強いType A株にN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンまたは紫外線照射処理を行うことにより突然変異株を誘導した。本誘導変異株は,Type A株の移植中に生じた自然発生変異株と諸性質がまったく同一で差が認められなかったが,親株とは生育・毒素生産・病原性等において明らかな差があった。本突然変異株は,培養〓液中に萎ちょう毒素グレガチンとは異なる代謝産物を生産した。本物質の単離・同定を行った結果,すでにいくつかの植物病原菌から単離されているアスコクロリンと一致した。本物質には植物毒性は認められなかった。
  • 小林 享夫
    1984 年 50 巻 4 号 p. 528-534
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 各種花木類の開花したばかりの新鮮な花弁も,すでに約60%が各種菌類の汚染をうけていた。
    2. 花弁汚染菌類のうち,灰色かび病菌が最も検出率が高く,主要な花弁汚染者である。本病菌による花弁の汚染は,季節的変動はあるものの1年を通じて認められる。
    3. 他の菌類ではAlternaria, Colletotrichum, Epicoccum, Macrophoma, PestalotiopsisおよびPhomopsis属菌が主な汚染菌類であった。
    4. 灰色かび病汚染花弁の多くは地上に落ちたのち大量の分生子を形成し,これが伝染源になって再び汚染あるいは感染をおこすものと考えられる。落花弁上の胞子形成には季節変動はみられず,常時各種の花弁上に大量の産生がある。
    5. 花弁の汚染と分生子形成から供試樹種は四つの群に分けられるが,総合すると,伝染源としての役割を果たす花弁上に分生子を形成するグループと,胞子形成がなく伝染源とはならないグループとの二つに大別される。それぞれのグループでは花または花弁の形質が異なる樹種を多く含む傾向がみられた。
    6. 飛散した落花弁の付着による健全茎葉への感染発病も少数ながら観察され,これもひとつの伝染源としての地位を占める。落花弁の付着に由来する発病例5樹種のうち,ビョウヤナギ,キョウチクトウ,キンモクセイ,ナツツバキの4樹種は本病菌の新宿主である。
    7. 各樹種から分離した灰色かび病菌菌株のPDA培地上に形成された分生子の大きさは10∼19×5.5∼10μmの範囲に入り,分離源の違いによる大きな変異は認められなかった。
  • 楠 幹生, 一谷 多喜郎
    1984 年 50 巻 4 号 p. 535-537
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 豊田 秀吉, 林 秀行, 山本 慶崇, 平井 篤造
    1984 年 50 巻 4 号 p. 538-540
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 小畠 博文, 尾崎 武司, 井上 忠男
    1984 年 50 巻 4 号 p. 541-544
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Thrips setosus Moulton was found to be a new vector of tomato spotted wilt virus (TSWV) at Gojo, Nara Prefecture. The insects were commonly observed on tomato plants, Sonchus oleraceus L. and Youngia japonica (L.) DC. naturally grown around tomato fields. Frequent occurrence of TSWV was observed in these two weeds around the heavily infested tomato fields. These weeds may play an important role as a overwintering host and a reservoir of TSWV at Gojo.
  • 山中 達, 中山 壮一, 生井 恒雄
    1984 年 50 巻 4 号 p. 545-548
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    A Pyricularia isolate from goosegrass, Eleusine indica (L.) Gaertn., produced perithecium like structures (PLSs) scatteringly around the inoculum on oatmeal agar. The PLS consisted of peridium, 134 (74-234)μm in diameter and beak, 84 (46-133)μm in width×528 (122-1313)μm in length. The PLS was morphologically indistinguishable from the perithecium produced at the junction of both mycelia by matings between the isolate and other isolates from some Graminacious plants. But, neither asci nor ascospores were produced in the peridium of the PLS. This isolate was considered to be hermaphroditic.
  • M.H. Rahabar-BHATTI
    1984 年 50 巻 4 号 p. 549-550
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 百町 満朗, 宇井 格生
    1984 年 50 巻 4 号 p. 551-553
    発行日: 1984/10/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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