トマトうどんこ病に対するL-メチオニンの抑制効果を調査した.100 μg/mlのL-メチオニン溶液をトマト葉に噴霧処理し,その2日後にOidium neolycopersiciを接種した.接種7日後に発病度を評価した結果,L-メチオニン前処理区において発病が抑制されることが確認された.接種葉を光学顕微鏡で観察したところ,L-メチオニン前処理区では吸器及び分生子柄の形成数が減少していることが明らかとなった.さらに接種2日後のトマト葉におけるPR遺伝子の発現を解析した結果,O. neolycopersici接種によって誘導されるPR遺伝子の発現が,L-メチオニン前処理によって増強されることが確認された.以上のことから,L-メチオニンはトマトにO. neolycopersiciに対する抵抗性を誘導し,うどんこ病の発病を抑制することが示唆された.