日本植物病理学会報
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72 巻 , 2 号
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学術報告
原著
  • 大藤 泰雄, 八田 浩一, 石黒 潔
    2006 年 72 巻 2 号 p. 93-100
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/09/14
    ジャーナル フリー
    コムギ縞萎縮ウイルス (WYMV) は, Polymyxa graminis により媒介される土壌伝染性のウイルスであるが, 病原性の分化が示唆されていた. そこで, これを病原型として類別するための判別品種として, WYMV-T株, M株の2つの分離株に対して罹病性か抵抗性かの違いに基づき, 「ナンブコムギ」, 「フクホコムギ」, 「北海240号」の3品種を選定した. すなわち, 「ナンブコムギ」はWYMV-T株とM株の両方に罹病性, 「フクホコムギ」はT株に罹病性でM株に抵抗性, 「北海240号」は両株に抵抗性であった. これら判別品種を用いて, 抵抗性検定圃場を含む日本各地の縞萎縮病発生圃場から分離したWYMV株をI~IIIの3つの病原型に類別した. T株に代表されるI型は, 主に東北地方以西の西日本に分布していた. M株に代表されるII型は岩手県以北の北日本に分布していた. 全ての判別品種をおかすIII型は福岡県で分離された. これら判別品種は日本のコムギ縞萎縮病抵抗性育種において今後有用と考えられる.
  • 生井 恒雄, 上林 千裕, 芦澤 武人
    2006 年 72 巻 2 号 p. 101-108
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/09/14
    ジャーナル フリー
    いもち病罹病イネ1株内のいもち病菌個体群の垂直分布実態を明らかにする目的で, 山形県庄内地方の地理的に離れた2ヵ所の水田で自然発病した各々2株の各種部位に形成された病斑からいもち病菌を分離し, Pot2 遺伝子型と病原レースの垂直分布を調べた. 供試イネ品種は ‘はえぬき’ で, 第7葉, 第10葉および止葉の葉身, 穂首, 籾の病斑から単胞子分離した菌株を解析した. その結果, 遺伝子型については, 一方の水田, 立川町大中島の1株からは4種の遺伝子型の菌が得られたが, 残りの株には2種類の遺伝子型が分布した. また, 他方の水田, 朝日村上平からの罹病株ではそれぞれ4種類, 7種類の遺伝子型の菌が分布するなど, イネ1株内に分布するいもち病菌の遺伝子型はかなり多様であることが示唆された. それぞれのイネ株における分離組織の位置と分離菌株の遺伝子型をみると, 籾, 穂首, 止葉からの分離菌の遺伝子型は下位の葉身からの分離菌のそれと異なり, 遺伝的に多様な菌株が分布する傾向がみられた. レースに関しては, 一方の水田, 立川町大中島の2株からの分離菌株すべてがレース007.0に属した. しかし, 他の水田, 朝日村上平の1株に分布したいもち病菌はレース007.0のみであったが, 他の株からは, 複数の組織, 同一病斑からもレース007.0と037.1の2種類の菌株が分離された. 以上から, 罹病イネの株内に分布するいもち病菌の個体群構成は遺伝的に多様であり, 1株内のいもち病菌遺伝子型の垂直分布の実態は株ごとに異なりかなり複雑であることが示された.
  • 藤永 真史, 守川 俊幸, 土井 誠, 米山 千温, Ibrahim Muna, 小木曽 秀紀, 宮本 賢二, 宮坂 昌実, 大木 健広, ...
    2006 年 72 巻 2 号 p. 109-115
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/09/14
    ジャーナル フリー
    From diseased leaves of Lisianthus plants [Eustoma grandiflorum (Raf.) Shinn.] with necrotic stunt symptoms Nagano and Shizuoka prefectures in Japan, we isolated two viruses with a diameter of ca. 30 nm and tentatively named them Nag-4 and Shiz-1, respectively. Both viruses reproduced necrotic spots on healthy lisianthus plants after mechanical inoculation. Based on virion morphology, double-stranded RNA analysis, molecular mass of the coat protein (CP) and serological tests, the viruses were closely related to species in the genus Tombusvirus. In a comparison of the amino acid sequence of the CP genes, Shiz-1 had high identity with that of Tomato bushy stunt virus-nipplefruit strain (TBSV-Nf), whereas Nag-4 shared less than 87% identity with sequences reported for tombusviruses, suggesting that the virus might be a new species in the genus Tombusvirus. This is the first report of tombusvirus disease on lisianthus in the world.
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