日本植物病理学会報
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62 巻 , 6 号
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  • 野田 孝人, 山元 剛, 加来 久敏, 堀野 修
    1996 年 62 巻 6 号 p. 549-553
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1991年および1993年に全国各地のイネ白葉枯病罹病葉から分離した菌株について病原性検定を行った。1991年産の213菌株中レースIが133株,レースIIが79株,レースIIIが1株であった。レースIの133株中,標準菌株のT7174と同じ反応(抵抗性遺伝子Xa-11を有するIR-BB11に病原性)を示すIAは1株だけで他はすべてIBであった。レースIIはあそみのり(抵抗性遺伝子Xa-17)に対する反応の違いによって2つのグループに類別された。1993年産菌株では164株中レースIが92株,レースIIが55株,レースIIIが16株であった。レースIはすべてIBであった。また,レースIIは1991年産菌株同様,2グループに類別された。レースIIIは抵抗性遺伝子xa-5, xa-8, Xa-11を有する準同質遺伝子系統に対する反応型から4グループに細類別された。なお,1菌株(H9396)はこれまで確認されていない新しい反応型を示し,あそみのり(Xa-17)およびトヨニシキ(Xa-18)だけに病原性を示した。1993年の各レースの分離割合は1970年代の調査結果と類似しており,レースIが約60%,レースIIが約30%,レースIIIが約10%であった。
  • 池田 武文
    1996 年 62 巻 6 号 p. 554-558
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    マツノザイセンチュウを接種したクロマツにおけるマツ材線虫病の病徴の進展は,針葉の木部圧ポテンシャルから判断したクロマツの水分状態の変化から,二段階に分かれた。第一段階ではクロマツの水分状態はほとんど変化しないが,第二段階になると水分状態は急激に低下して枯死にいたる。木部仮道管でおこるアコースティック・エミッションの頻度からキャビテーションの発生頻度を評価したところ,第一段階の後半に低い頻度でキャビテーションが発生しはじめた。この時おこるキャビテーションは線虫接種前から第一段階前半にかけておこるキャビテーションとは異なり,同じ木部圧ポテンシャルに対する発生頻度が多かった。キャビテーションの発生頻度は仮道管中の水柱にかかる張力が強いほど多くなるので,第一段階後半になると,それ以前より同じ張力でもキャビテーションがおこりやすくなっていることを表わしている。第二段階になると一時期に集中して高い頻度でキャビテーションが発生して“runaway embolism”がおこることにより,木部の水分通導機能が一気に失われた。
  • 伊代住 浩幸, 駒形 智幸, 平八重 一之, 土屋 健一, 日比 忠明, 阿久津 克己
    1996 年 62 巻 6 号 p. 559-565
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キチナーゼ活性細菌Serratia marcescens B2株を用いてBotrytis cinereaによるシクラメン灰色かび病に対する防除効果を温室栽培条件下で検討した。B2株懸濁液(ca. 1×109cfu/ml)をポット栽培シクラメン(パステル系ヨハンシュトラウス)に噴霧処理した後にB. cinerea IH36(ベンズイミダゾールおよびジカルボキシイミド系薬剤耐性菌)の分生胞子懸濁液(ca. 1×105個/ml)を接種し,花弁における発病程度を調べた。B2株処理区の発病指数は無処理区に対して約60%低く,その効果はイプロジオン200ppmと同程度であった。次に,B2株のシクラメンにおける定着性を調べた結果,B2株密度は花弁および葉身では著しく低下したが,葉柄基部や地際付近の土壌に置床した葉片では増加を示し,定着が示唆された。B2株を前処理した葉片(径:12mm)にB. cinerea胞子を接種してシクラメン地際付近の土壌に置床し,これらの葉片における胞子形成を調べた。その結果,B2株処理葉片において85%以上の顕著な胞子形成阻害が認められた。
  • 佐野 義孝, 丹野 史典, 加藤 義直, 松原 旭, 小島 誠
    1996 年 62 巻 6 号 p. 566-571
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    日本において分離されたオオムギ黄萎ウイルスPAV分離株(BYDV Jpn-PAV)のゲノムRNAの全塩基配列を決定した。BYDV Jpn-PAVのゲノムは5667塩基からなり,そのウイルスセンス側に6個の翻訳読み取り枠(ORF)が存在した。得られた塩基配列と推定される各ORFのアミノ酸配列を,オーストラリア産(Vic-PAV)および北米産(P-PAV)のPAV2分離株,およびMAV分離株(MAV-PS1)のものと比較した。各ORFのうちRNA複製酵素をコードすると考えられているORF1とORF2においては,全ての分離株間で97%以上のアミノ酸が保存されていた。Jpn-PAVとMAV-PS1間の配列比較では,ORF3からORF6においてかなりの相違が見られた。Jpn-PAVと他のPAV2分離株間の比較では,特にORF6領域内で配列の相違が認められた。ORF6を除く各ORF間の比較では高いアミノ酸配列相同性が見られたが,Jpn-PAVのORF6はVic-PAVと61%, P-PAVと78%の相同性しか示さなかった。配列比較の結果,Jpn-PAVがオーストラリア分離株よりも北米あるいはヨーロッパ産のPAV分離株により近縁であることが明らかとなった。
  • 三谷 滋, 光明寺 輝正, 松尾 憲総
    1996 年 62 巻 6 号 p. 572-575
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    プロパルギルN-(6-置換-5-ヨード-2-ピリジル)カーバメート(6位:-CH3, -C2H5および-OC2H5,以下PMIP, PEIPおよびPEOIP)の灰色かび病菌に対する殺菌活性を調べた。PMIPはベノミル感受性,ジエトフェンカルブ耐性(S, R)菌株にのみ高い防除効果を示した。一方,PEOIPはベノミル高度耐性,ジエトフェンカルブ感受性(HR, S)菌株に最も高い効果を示した。またPEIPは試験を行った全ての株に効果を示したが,特にHR, SおよびS, R株に高い効果を示した。本系統ピリジン環6位の置換基の変換により,ベノミルあるいはジエトフェンカルブ感受性菌株に対して異なる効果を示すことが明らかとなった。
  • 野々村 照雄, 豊田 秀吉, 松田 克礼, 大内 成志
    1996 年 62 巻 6 号 p. 576-579
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    遺伝子標識法とin situハイブリダイゼーション法を組み合わせ,分化型の異なるF. oxysporumの識別法を検討した。実験には,トマト萎ちょう病菌,イチゴ萎黄病菌,メロンつる割病菌およびホウレンソウ萎ちょう病菌を使用し,それらの小型分生胞子にマーカー遺伝子であるGUSあるいはlux遺伝子を導入した。異なるマーカー遺伝子で形質転換した2種の分化型菌を組み合わせ,fluoresceinおよびrhodamineで標識したGUSおよびluxプローブをそれぞれの菌糸細胞に導入し,マーカー遺伝子の転写産物を検出したところ,それぞれの菌糸が対応するプローブの蛍光色で染め分けられ,両菌が容易に識別された。これらの結果から,形質転換菌を使用し,蛍光プローブによるin situハイブリダイゼーション分析を行うことによって,土壌中または植物組織中におけるこれら分化型を迅速に識別できるものと考えた。
  • 陳 〓焜, 陳 慶忠, 陳 隆鐘
    1996 年 62 巻 6 号 p. 580-583
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キバナカイウ(Zantedeschia elliotiana Engl.)に黄色の不整形およびえそ病斑を生じるうどんこ病が発生した。この病斑の表皮には灰色の菌体が認められた。観察した結果,病原菌の分生子柄は気孔から生じ,単生あるいは叢生して隔壁を有し,大きさは平均151.3×6.6μm。分生子は単生し,最初に形成される分生子は先端が細く尖り,棍棒形であり,その後に形成される分生子は先端が丸い長楕円形∼円筒形で,両分生子とも大きさは平均60.3×16.0μmである。分生子の発芽管の形状は細く,一本生じる。以上の形態的特徴から,本菌はLeveillula属菌の不完全世代であるOidiopsis sp.と考えられた。本報は台湾におけるキバナカイウうどんこ病の最初の記録である。
  • 小林 幹生, 東條 元昭
    1996 年 62 巻 6 号 p. 584-586
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ホウレンソウなどの幼植物に立枯れを起こすPythium aphanidermatumP. spinosumの繁殖体を,これらが分離された畑土壌を湿熱処理してPythium属菌を失活させた後,微生物を回復させた土壌に一定密度に導入し,非栽培条件下の野外に18か月間静置して菌密度の推移を調べた。P. aphanidermatumは気温等の季節推移に関係なく6か月目以降に徐々に菌密度を低下させたが,P. spinosumは夏期の高温・少雨条件の影響を受けて菌密度を大きく減少させた。土壌中での生育・生存形態は両菌とも卵胞子が大部分を占めたが,P. spinosumでは胞子のうが菌密度の増加期に認められた。これらの結果より,非栽培下の畑土壌中において,P. spinosumは,P. aphanidermatumに比較して菌密度が環境変化の影響を受け易いことが示唆された。
  • 那須 英夫, 横山 竜夫
    1996 年 62 巻 6 号 p. 587-592
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    モモ果実の表面に褐色∼黒褐色の斑点状,斑紋状を呈する病害が発生した。罹病果実から分離された菌のPSA培地上における菌叢は灰色∼黒褐色であった。素寒天培地上における形態は,菌糸は無色∼淡黄褐色,薄膜,表面は微細いぼ状,径1∼2.5μmであり,菌叢上に水滴を形成した。分生子柄は通常単生,真直か稀に屈曲,平滑,淡褐色,28∼120×2.5∼3.1(平均53×2.8)μmであった。分生子は単生または鎖生,0∼5隔壁,狭微卵形∼円筒形,薄膜,表面は微細いぼ状,淡黄褐色,5∼55×1.9∼3.1(平均25×2.5)μmで,出芽的に形成された。これらの形態的特徴により,本菌はStenella属菌と考えられた。ほ場でモモ幼果に本菌を接種すると,自然発病と同様の症状が再現され,当該菌が再分離された。本菌によるモモの病害は我が国では未記載であるので,病名としてモモすすかび病(fruit mold)を提唱する。なお,本病の病徴は果実の成熟にともない顕著となった。
  • 有本 裕
    1996 年 62 巻 6 号 p. 593-596
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    レモン(Citrus limon (L.) Burm. F.)果皮を附傷し,蒸留水にPenicillium digitatum Sacc.分生子を懸濁して接種すると傷の65%で緑かび病が発生した。しかし,附傷後ただちに水洗した傷(附傷水洗部)に接種すると100ヵ所のうち3ヵ所(3%)でのみ感染が起こった。この附傷水洗部にレモン果皮を磨砕し,遠心分離して得た果皮液上層(油性)画分とともにP. digitatum分生子を接種すると附傷水洗部の93%から感染が起こった。TLCおよびHPLCにより油性画分から感染促進物質の一つを無色,芳香液体として得,MSおよびNMR分析によりリモネンと同定した。標品リモネンとともに接種した附傷水洗部の感染率は93%であった。リモネンはP. digitatumの分生子発芽および発芽管伸長を促進しなかった。一方,果皮液を遠心分離して得られた下層(水性)画分は分生子の発芽および発芽管伸長を著しく促進したが,感染は促進しなかった。P. digitatum分生子を接種して培養しても緑かび病の発生しなかった附傷水洗部の傷面の壊死細胞中を進展している菌糸が認められたことから,リモネンはP. digitatumが果皮組織内へ進展する過程で重要な働きをしているものと思われた。
  • 1996 年 62 巻 6 号 p. 597-605
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 62 巻 6 号 p. 606-616
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 62 巻 6 号 p. 617-636
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 62 巻 6 号 p. 637-644
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 62 巻 6 号 p. 645-651
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 62 巻 6 号 p. 663
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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