日本植物病理学会報
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78 巻, 4 号
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原著
  • 河原崎 秀志, 後藤 正夫, 加藤 孝太郎, 木嶋 利男, 瀧川 雄一
    2012 年 78 巻 4 号 p. 293-300
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/29
    ジャーナル フリー
    2007年12月~2008年7月,静岡県において露地栽培されていたトマトおよびキャベツ,露地圃場や空き地に自生したオオナズナ,スカシタゴボウ,ヒメオドリコソウおよびタチイヌノフグリの根にニンジンこぶ病と同様の症状を示すこぶが認められた.罹病部からは,乳白色蝋状の集落を形成する細菌が高率に分離された.分離菌株の細菌学的性質および16S rDNA塩基配列はRhizobacter dauciと一致し,原宿主とニンジンに対する病原性が認められた.ニンジンこぶ病が多発した圃場に7科20種の野菜を栽培したところ,4科9種の根にこぶ形成が認められ,いずれの発病植物からもR. dauciと同様の集落性状を示す細菌が分離され,ニンジンへの接種により病原性が確認された.ニンジン分離菌株O1を24科77種の植物に直接接種したところ,20科46種にこぶ形成が認められ,いずれの発病植物からも接種菌が再分離された.以上の結果から,R. dauciは宿主範囲の極めて広い植物病原細菌であり,野外において種々の植物の根に寄生し普遍的に分布している可能性が推察された.
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