日本植物病理学会報
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55 巻 , 1 号
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  • 萩田 孝志, 児玉 不二雄, 赤井 純
    1989 年 55 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    北海道内の食用および観賞用ユリの主要栽培地におけるウイルス病発生の実態を調査した。全般的にウイルスフリー球を植え付け,寒冷紗を被覆したほ場においては発生が少なかったが,それらを使用していない露地栽培したほ場においては発生が多く,その発生状況は地域および品種間差が認められた。病徴はモザイク症状が多く,えそ条斑症状は少なかった。食用ユリのモザイク株から病原ウイルスを分離,同定した結果,キュウリモザイクウイルス(CMV),ユリ潜在ウイルス(LSV)およびチューリップモザイクウイルス(TBV)の発生が認められた。CMV, LSVおよびTBVの各抗血清を用いて,ELISA法により病原ウイルスの検出を行った結果,食用ユリからはCMVが最も多く,また広く北海道各地から検出された。観賞用ユリからはLSVが最も多く検出された。ユリ(食用および観賞用)のモザイクおよびえそ条斑株はほとんどのものがウイルスに感染しており,その種類別には食用ユリからCMV,観賞用ユリからLSVが最も多く検出された。一方,多数の無病徴株からCMVおよびLSVが検出された。これらのことから,ユリのウイルス病は無病徴感染が多く,その診断法としては,ELISA法など血清学的検定法の導入が重要である。
  • 露無 慎二, 土田 進一, 中野 敬之, 瀧川 雄一
    1989 年 55 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ナス科植物をはじめとした多くの双子葉植物の青枯病病原細菌Pseudomonas solanacearumの抗糸状菌活性について基礎的検討を行った。平板培地上での対峙培養においては,供試7属8種の植物病原糸状菌すべてに対して阻止円を形成したが,酵母,細菌には形成しなかった。なお,この活性は野性型のみならず,いくつかの非病原性突然変異株においてもみられた。P. solanacearumの濃縮培養ろ液を糸状菌の液体培養液に加えて培養すると,糸状菌細胞の膨化が光学顕微鏡下で観察され,また糸状菌において高分子多糖質分画への14C-グルコサミンの取込みが特異的に阻害された。これらの結果よりP. solanacearumの抗糸状菌活性は,細胞壁多糖質合成の阻害によるものと推察された。
  • 柏崎 哲, 小川 奎, 宇杉 富雄, 大村 敏博, 土崎 常男
    1989 年 55 巻 1 号 p. 16-25
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    日本各地から採集したオオムギ縞萎縮ウイルス(BaYMV) 23分離株を,オオムギ判別品種に対する病原性によりI-1, I-2, I-3, II-1, II-2, IIIの6系統に類別した。III系統は新たに育成された抵抗性品種ミサトゴールデンに対し病原性を示した。これら6系統は同様の粒子長分布を示し,血清学的に同一であった。系統間でRNAおよび外被蛋白の分子量に大きな差は認められなかった。また外被蛋白をV8プロテアーゼで分解したペプチドの電気泳動パターンは各系統間で類似していた。これら系統の分布には地域的な差が認められ,その発生はおのおのの地域で栽培されてきたオオムギ品種と密接に関連していた。西ドイツで分離されたM系統は,日本の各系統と血清関係が認められず,病原性,RNAおよび外被蛋白の分子量,外被蛋白の分解パターンがいずれも異なっていた。よって,本ウイルスはBaYMVとは別種とすべきであると考えられる。
  • 宇杉 富雄, 柏崎 哲, 大村 敏博, 土崎 常男
    1989 年 55 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    オオムギ縞萎縮ウイルス(BaYMV),コムギ縞萎縮ウイルス(WYMV), wheat spindle streak mosaic virus (WSSMV)およびoat mosaic virus (OMV)の核酸および外被蛋白質の諸性質を調べた。これらのウイルスはいずれも大小2種類(RNA-1, RNA-2)の一本鎖RNAを有していた。BaYMVおよびWYMVのRNA-1およびRNA-2はそれぞれ2.6×106, 1.5×106であり,WSSMVでは2.6×106, 1.4×106, OMVでは2.8×106, 1.8×106であった。BaYMV, WYMVおよびWSSMVは分子量33,000の,またOMVは分子量30,000の単一成分の外被蛋白質を有していた。土壌伝染性ひも状ウイルスが2成分の粒子より成り立ち,2種類の核酸を有していること,また,Polymyxa graminisによって伝搬されることはこれらのウイルスがpotyvirusとは明らかに異なっていることを示している。よってわれわれは土壌伝染性ひも状ウイルスを分類するためにBaYMVを代表とするbarley yellow mosaic virus group,すなわちbymovirus groupの新設を提案する。
  • 渡辺 恒雄
    1989 年 55 巻 1 号 p. 32-40
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    九州地方の土壌に生息するPythium菌の種名と分布を明らかにするため,キュウリとルーピン種子による捕捉法を用いて菌を分離し,調査した。供試した25ヵ所の土壌(4∼9/県)中,24試料から1試料当り1∼7種のPythiumが分離されたが,福岡県の1試料からはまったく分離できなかった。分離した合計433菌株は,H-Zs(糸状胞子嚢から遊走子を形成するが,生殖器官は未形成の一群)を含む16種に分類・同定できた。最も一般的に分布していたのは,P. sylvaticumで,22ヵ所から201菌株が分離された。次いで,P. ultimumP. aphanidermatumの分布が広く,13∼17ヵ所から51∼91菌株が分離された。寒天培養覆土接種法を用いて16種の36菌株(未同定菌を含む)の接種試験を行ったところ,P. sylvaticumP. ultimumの各3菌株を含む合計10菌株はキュウリの萌芽率を60%以下に低下させ,また,P. aphanidermatum, P. sylvaticumおよびP. ultimumの各2菌株を含む9菌株は萌芽後の子苗の40%以上を枯死または罹病させた。コマツナでは,いずれの処理区でも85%以上の萌芽率を示し,萌芽前の被害は認められなかった。しかし,P. sylvaticum, P. ultimum, P. irregulareなど8菌株はいずれも萌芽後に40%以上の被害率を引き起こした。他の供試菌の病原性は,かなり強いものからまったく認められないものまで,さまざまであった。
  • 小岩 弘之, 小島 誠, 吉田 吉男
    1989 年 55 巻 1 号 p. 41-48
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    弱毒ウイルス感染の影響を明らかにするため,TMV-L(強毒ウイルス)TMV-L11A(弱毒ウイルス)をトマト(福寿2号)の葉に,それぞれ単独接種後,経時的に上位葉のクロロフィル(a+b), (a/b)の測定および感染細胞組織の電顕的比較観察を行った。その結果,接種後5日目では,TMV-L, L11A感染葉ともすでに細胞内に多くのウイルス粒子がみられクロロフィル(a+b), (a/b)には健全葉との差はみられず,葉緑体の微細構造にも著しい変化は観察されなかった。感染後10∼30日目では,両区とも健全葉と比べてクロロフィル量は低下し,その量は健全葉>L11A>Lの順を示した。L感染の影響を強く受けている葉緑体はしだいに膨潤し,包膜は壊れ,崩壊した。しかし,そのラメラ系には著しい変化はみられなかった。一方,無病徴のL11Aにおいても,葉緑体は感染の影響を受け,L感染葉の場合のように包膜が壊れ,崩壊した像も観察された。
  • 増田 税, 小鞠 敏彦, 高浪 洋一
    1989 年 55 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    キュウリモザイクウイルス(CMV)のサテライトRNA (Y-satRNA)のcDNAをカナマイシン耐性遺伝子とともに,Agrobacteriumを介したTiプラスミドバイナリーベクター法によりタバコの核DNAに導入した。単量体および二量体のcDNAコピーで形質転換したタバコはいずれもCMVを接種すると,サテライトRNAを生産するとともに本サテライトRNAに特徴的な鮮黄色病徴を呈した。CMVを接種しない転換植物は,サテライトRNAの塩基配列を持つ転写物を全細胞で生産しているにもかかわらず,外観上非形質転換植物となんら差異は認められなかった。In vitro転写RNAは,プラスミドの構築から予想された長さを持つことがノーザン分析(Northern blot hybridization tests)によって確認された。また,形質転換体から自殖種子を得,後代の植物について検定した結果,カナマイシン耐性遺伝子,サテライト遺伝子ともに,タバコの核遺伝子として遺伝し,発現されることが判明した。
  • Susamto SOMOWIYARJO, 佐古 宣道, 野中 福次
    1989 年 55 巻 1 号 p. 56-63
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    DIAによりZYMVの検出実験を試みた結果,このウイルスのニトロセルロース膜(NCM)への結合能は,試験した3種類の緩衝液間で,差異を認めなかった。ZYMVの抗原性は罹病葉の汁液を塗付したNCMを-20C, 6Cあるいは20C下で6ヵ月間保存したのちでも,失われず,DIAによりウイルスの検出ができた。罹病葉の汁液を塗付したNCMを生葉試料の代りに郵送する方法について試験し,罹病葉からNCM上に試料を塗付する簡易な手法を工夫した。7種類のプロトコールを用いたDIAすべてにより,健全と罹病カボチャ葉が識別でき,その検出限界は罹病葉の汁液で10-3∼10-5倍希釈であった。ZYMVに対するポリクローナル抗体を用いる直接法および間接法では,watermelon mosaic virus 2 (WMV-2)との交差反応が認められたが,二重抗体法では認められなかった。これらのDIAでは,papaya ringspot virus, type W (PRSV-W)との反応は認められなかった。ZYMVに対するモノクローナル抗体を用いて,これら3種類のDIAを試みたところ,いずれの方法でもポリクローナル抗体を用いたときと同じ感度を示し,ZYMVとWMV-2およびPRSV-Wを識別できた。
  • 加藤 昭輔, 岩波 節夫, 手塚 信夫
    1989 年 55 巻 1 号 p. 64-66
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    In 1986, a disease of anemone plant, showing the symptoms of stunting and witches' broom, was observed in Fukude, Shizuoka prefecture. Electron microscopy revealed the presence of mycoplasmalike organisms (MLOs) in the sieve tubes of the diseased plant. The MLO were transmitted to healthy anemone and garland chrysanthemum by the leafhopper Macrosteles striifrons Anufriev. Of 34 species plants in 15 families, which were inoculated by the infectious M. striifrons, 31 species plants in 13 families were infected with the MLO. Anemone witches' broom MLO described in this work had a wide host range similar to that of onion yellows MLO.
  • 松田 克礼, 豊田 秀吉, 大内 成志
    1989 年 55 巻 1 号 p. 67-68
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    マイクロインジェクション法を用い,オオムギうどんこ病菌の付着器および吸器に外来物質の導入を試みた。寒天ブロック上に置いたオオムギ子葉鞘裏面表皮にうどんこ病菌分生胞子を接種し,形成された付着器および吸器にシリコンオイルやFITC-結合アルブミンを注入した。シリコンオイル注入後,さらに培養し,接種48時間後における吸器形成率や二次菌糸形成率を調べた。付着器に注入したものでは,約15%の分生胞子が吸器を形成し,二次菌糸を伸長した。また,吸器に注入した場合には,約8%の分生胞子が二次菌糸を伸長した。以上の結果から,宿主植物上で生育するうどんこ病菌の付着器や吸器にも本法を適用できることが判明した。
  • 大木 理, 田中 尚智, 井上 忠男
    1989 年 55 巻 1 号 p. 69-71
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    サテライトRNAがサテライトRNAをもたないCMVに感染している宿主に移行して病徴を変化させうるか否かについて,宿主に明瞭な病徴をひき起こすサテライトRNAを用いて実験したところ,汁液接種,アブラムシ接種,刃物による接触,葉面による接触の4とおりの方法で容易に移行が起こることが知られた。また,用いた二つのサテライトRNAの間では干渉が認められ,サテライトRNAに起因する被害の回避に弱毒化したサテライトRNAが利用できる可能性が示された。
  • 大木 理, 中達 聡大, 井上 忠男
    1989 年 55 巻 1 号 p. 72-75
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ラッカセイの種子伝染発病個体から分離されたpotyvirusについて諸性状を調査した。宿主範囲はほぼマメ科に限られ,ラッカセイに斑紋と不連続な葉脈緑帯を現し,Chenopodium amaranticolorに局部感染し,インゲンマメ(品種トップクロップ)には感染しなかった。また,アブラムシによって非永続的に伝搬され,種子伝染率は最高43%に達した。ウイルス粒子は長さが約750nmのひも状で,感染組織内には風車状と管状の細胞質封入体が観察された。二重拡散法,免疫電顕法,ELISA法で血清学的類縁関係を調べたところ,精製ウイルス試料はpeanut stripe virus (PnStV)抗血清と強く反応し,ラッカセイ斑紋ウイルスならびにカブモザイクウイルスの抗血清とは反応しなかった。以上より,本ウイルスはPnStVと同定された。なお,本ウイルスの和名をラッカセイ斑葉ウイルスとしたい。
  • 北沢 健治, 柳田 騏策
    1989 年 55 巻 1 号 p. 76-78
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Inoculation experiments with Fusarium oxysporum isolates from Phaseolus angularis, P. vulgaris and Vigna sinensis revealed that each isolate was specific to their respective host plants. F. oxysporum f. sp. adzukicola f. sp. nov. was proposed for P. angularis isolates to distinguish from other formae speciales, f. sp. phaseoli and f. sp. tracheiphilum.
  • 1989 年 55 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 55 巻 1 号 p. 84-90
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 55 巻 1 号 p. 91-107
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 55 巻 1 号 p. 108-114
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 55 巻 1 号 p. 115-125
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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