日本植物病理学会報
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11 巻 , 3 号
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  • 岩田 吉人
    1941 年 11 巻 3 号 p. 101-113
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 圃場觀察に依れば南瓜露菌病の初期發生は胡瓜の其より相當期間後れるが胡瓜に露菌病の發生激甚なる時其に隣接せる南瓜畑に全く發病を認めなかつた。
    2. 胡瓜の露菌病病斑は型的に角形を呈し,病斑の大さは材料により平均4.7×3.4mm又は5.3×3.7mmを示したに比し南瓜の露菌病病斑は平均1.6×1.0mmで遙かに小形である。
    3. 胡瓜上の露菌病菌は接種方法に依り,殆んど或は全く南瓜を感染せしめざるに反し南瓜上の菌は胡瓜を感染せしめ病斑及分生胞子を形成した。又其他10餘種の栽培又は野生瓜類に對する兩菌の病原性を比較した所,兩菌は大體同様であつたが唯ゴキヅルに對し胡瓜上の菌は病原性を示し南瓜上の菌は陰性を示した。
    4. 南瓜上の露菌病菌の分生胞子懸濁水を以て胡瓜,甜瓜,越瓜等に噴霧接種すると南瓜露菌病病斑と同様な小形の病斑を形成した。
    5. 胡瓜上及南瓜上の露菌病菌は其病原性及病徴より異る生態種に屬するものと考へられる。
    6. 自然状態に於て胡瓜には通常の角形病斑の他に南瓜露菌病病斑に似た小形の露菌病病斑を發生するが病斑上の分生胞子形成は稀少に過ぎない。之は恐らく南瓜上の露菌病菌が胡瓜に傳染したものと思はれる。
  • 阪口 又輔
    1941 年 11 巻 3 号 p. 114-135
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 本報告は水仙の菌核病の病徴並に病原菌の形態,生理に就き記述した。
    2. 罹病水仙の病徴は最初葉先部黄變し,其後次第に全體に擴大する。そして常に水仙球根の外皮上に非常に微小なる菌核を形成する。
    此の罹病水仙球根を翌年更に栽植する時は,非常に生育が阻害せられる。即ち發育が遲く,早期に葉が黄變し,球根は縮小し,遂には萎凋枯死した。
    3. 本菌の菌核は圓形又は不整圓形にして,黒色又は暗褐色,大きさ80-70×165-121μあり。microconidiaは球形,平滑, 2.0-2.5μあり。子嚢盤の形成は見なかつた。
    4. 本菌の培養的性質に就ては10種の培養基で實驗した。
    菌絲の發育良好であつたのは馬鈴薯,菜豆,醤油,葱頭,ツァペツク氏,各寒天培養基であつた。菌核の形成には馬鈴薯,菜豆,ツァペツク氏,リチャード氏,乾杏各寒天培養基が良好で其の形成には20℃が最適温度の様であつた。
    5. 本菌の發育と温度との關係に就ては10種の培養基で實驗した。
    菌絲發育の最適温度は何れの培養基に於ても28℃であつた。又最低温度は0deg;C以下にあり,最高温度は32°-36℃の間であつた。
    6. 本菌の發育と水素イオン濃度との關係に就いては馬鈴薯寒天培養基を用ひて實驗した。菌絲はpH 1.9から10.1の間で發育した。そしてpH 4.8では最も良好であつた。菌核の形成は何れの濃度に於ても形成した。然し兩端程其の形成が遲く,且つ酸性程其の密度が少い。
    7. 本菌の發育と蔗糖との關係に就きては馬鈴薯寒天培養基を用ひて實驗した。菌絲は5-7%蔗糖に於て良好で, 30%でも充分發育し得た。然し濃薄何れに偏するも發育は漸次不良となる傾向がある。又菌核は無添加區のみ最も形成良好にして,濃度を増すにつれて漸次不良となり, 7%以上濃厚なる時は形成を見ない。
    8. 本菌の發育と鹽分との關係に就きては葱頭寒天培養基を用ひて實驗した。菌絲は無添加區に於て最も發育良好であつた。而し濃度を増すにつれて漸次不良となり, 8%にて全く發育停止した。菌核の形成は無添加區のみ最も多く形成し他は形成を見なかつた。
    9. 本菌は水仙の外,グラヂオラス,チューリツプ,葱頭等に病原性強く,特に土壤中に於て顯著であつた。
    10. 本菌の生活力は試驗管中に於て調査したが2ケ年以上に及ぶものならんと思はれる。
    11. 發病と水仙品種との關係に就きては筆者の調査した範圍では12の罹病品種を認めた。
    12. 輸入植物檢疫との關係に就きては1928年,横濱港に於て,和蘭より輸入したチューリツプに本菌を記録したるに初り,其後諸港に於ても屡々發見してゐる。
    13. 本病原菌はグラヂオラスの乾腐病たるSclerotinia gladioli (MASS.) DRAYTONと同一病菌であると思はれる。
    擱筆するに當り,終始御厚意を賜りたる狩谷植物檢査課長並に本稿の御校閲と御教示を賜りたる河村貞之助氏及び種々實驗上の御指導と御示唆を與へられたる黒澤英一氏に對し,茲に衷心より感謝の意を表する。
  • 木谷 清美
    1941 年 11 巻 3 号 p. 136-146
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1 稻熱病々斑には多くの場合1種の黄色細菌隨伴するものの如し。
    2 隨伴細菌のグルーブ,ナムバーは211.2222532なり。
    3 隨伴細菌の菌體は2~2.4μ×0.5~0.7μの大いさを有し,短桿状又は長楕圓形にして,周毛を有し,芽胞を形成せず。グラム陽性なり。
    4 隨伴細菌の最低發育限界温度は10℃~16℃の中間にありて,最高發育限界温度は40℃以上にあり。適温は28°~30℃なり。
    5 隨伴細菌は好氣性細菌なり。
    6 隨伴細菌は稻熱病菌分生胞子の發芽に對して抑制作用を有すれども,對峙培養に於ては菌絲の發育に著しき影響を認め得ざりき。
    7 隨伴細菌の共存は稻熱病の發病を抑制すれども,病斑の擴大進展に大なる影響なし。
    8 稻熱病菌分生胞子發芽の抑制が,細菌共存に基く發病減少の一大原因なるが如し。
    9 稻熱病菌分生胞子の發芽抑制竝に發病減少は生細菌の共存によつてのみ顯著にして,該細菌の殺菌により抑制作用は減退す。
    10 如何なる機構に基き隨伴細菌が稻熱病菌の發芽を抑制し,以て發病減少を招來するかは尚不明なり。
  • 岡本 弘
    1941 年 11 巻 3 号 p. 147-151
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
    1. 沖繩地方に於てみられる甘藷モザイク病にはその病徴に2つの型がある。その内,普通にみられるものは第2圖,第3圖の如きもの(I型)にして,第4圖,第5圖の如きもの(II型)は比較的少い。本試驗はI型病徴のものについて行つたものにして,以下はすべてI型病徴のものについての記載である。
    2. 沖繩本島に於てはI型のモザイク病は10月頃より翌5月頃迄が發病期間で夏期は罹病株も病徴があらはれず,氣温の降下と共に病徴發現し,翌年氣温の上昇と共に再び病徴消失する。病徴發現の最高限界氣温は23°~24℃附近と思はれる。
    3. 罹病株(病徴の發現してゐると否とに關せず)の藷よりの芽は發病適温下では大部分發病する。
    4. I型モザイク病はヴァイラスによるものにして接木によつて感染せしめうるが,その病徴發現迄の潛伏期間は甚だ長い。
    5. 發病葉の黄緑色或は淡緑色を呈した部分は表皮細胞は不整形にして葉肉部は葉緑體少く,柵状組織は甚しく異状を呈し,時には海綿状組織と區別し難くなつてゐる。
    6. 罹病株はその病徴發現期間は藷の減收を來すが潛伏期間は收量に影響がない。
    7. 26品種の甘藷について觀察した所,沖繩1號,同100號には普通に本病被害をみるがその他の品種には稀にみるか,或は全くみない。
  • 河村 貞之助
    1941 年 11 巻 3 号 p. 152-154
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
  • 河村 榮吉
    1941 年 11 巻 3 号 p. 155-156
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/04/03
    ジャーナル フリー
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