Xanthomonas citriのテンペレート・ファージはクロロホルム処理によって完全に不活化されたが,ビルーレント・ファージは同処理に安定であった。供試した
X. citri 87菌株96培養のうち81培養がCp1かCp2,または両者によって溶菌された。また
Xanthomonas属細菌43種136菌株中,7種9菌株(
X. begoniae, X. blepharidis, X. cucurbitae, X. phaseoli, X. phaseoli var.
sojense, X. marantae, X. translucens f. sp.
phleum-pratense)が
X. citriファージの少なくとも一つに感受性を示した。Stolp-Starr (1964)が分離したファージのうち,ファージph25は他のxanthomonadsに対するのと同様に,
X. citriの大部分の菌株に対しても溶菌作用を示す点で特徴があった。一般に土壌から分離されたファージには,寄主範囲がきわめて広く,かつ小型溶菌斑を形成するものが多いのに対し,病斑組織から分離されたファージには寄主特異性が高く,溶菌斑の大型のものが多かった。両者はまったく異なった範ちゅうに属するものと考えられ,
Xanthomonas属細菌のファージ・細菌相互関係を検討する場合,両者を区別して考察しなければならないことを示唆した。
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