日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
78 巻 , 3 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
追悼文
会長講演
学会賞受賞者講演
原著
  • 金子 洋平, 中村 仁, 牛尾 進吾
    2012 年 78 巻 3 号 p. 159-168
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/04
    ジャーナル フリー
    ナシ萎縮病を引き起こす担子菌類のFomitiporia sp.の交配系は不明であった.よって,その病原菌の交配系を明らかにするために,材質腐朽組織から分離した2菌株から作出した子実体および1菌株の分離源である自然発生した子実体の合計3子実体から単担子胞子分離系統を作出し,対峙培養による交配試験をおこなった.担子胞子,栄養菌糸および単担子胞子分離菌株の菌糸の核数を調査したところ,担子胞子は概ね1核で,栄養菌糸の菌糸細胞は2~6個,単担子胞子分離菌株の菌糸細胞は1~6個を有する多核であった.このことから,一次菌糸と二次菌糸を核の数から区別することは困難であった.交配試験は各系統につき15~25菌株の単担子胞子分離菌株を用いて総当たりで行った.和合性反応はいずれの単担子胞子分離系統内においても数多く確認され,菌叢の接触部付近にタフトが形成された.単担子胞子分離菌株およびタフト分離菌株についてマイクロサテライトを標的とする(GTG)5プライマーによるDNA多型を検出したところ,タフト分離菌株が二次菌糸であることが明らかとなった.一方,不和合性の反応としては菌叢接触部付近にタフト形成はみられなかった.単担子胞子分離系統内交配パターンは不明瞭であったが,本菌は2極性あるいは4極性と推定された.また,異なる子実体に由来する単担子胞子分離系統間においては,ほとんどの場合で和合性反応を示した.以上のことから,ナシ萎縮病菌であるFomitiporia sp.はヘテロタリックな交配系を有することが明らかとなった.
  • 堀江 宏彰, 都外川 総明
    2012 年 78 巻 3 号 p. 169-177
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/04
    ジャーナル フリー
    鹿児島県徳之島,沖永良部島,与論島において2002年にカンキツグリーニング病が発生した.諸島間・島内でのカンキツの移動は2007年4月以降,法律により規制されたため,それ以降の感染拡大はミカンキジラミの伝搬に起因するという仮定が合理的に設定される.そこで,本病害によるカンキツ樹の感染危険率を評価するため,2007年4月から2011年3月までのデータを用いて,10,176地点にある63,295本を対象に時間・空間分布解析を行った.新たに感染樹が確認された地点のうち75%は,過去2年間に感染樹が確認された地点から徳之島が21 m,沖永良部島が90 m,与論島が241 m内に位置していた.また,これらの地域内の地点を伝染圧1度地点(伝染圧0.5以下),伝染圧2度(0.5–2.0),伝染圧3度(2.0以上)に分け,伝染圧評価値と2年内の感染樹発生との関係をオッズ比により評価した.その結果,感染樹の発生確率は伝染圧1度地点に対し2度地点では7倍,2度地点に対し3度地点では6倍高いことが示された.これらの結果を用いて,感染地域における本病害発生調査とその対策への指針を提言した.
病害短信
平成24年度日本植物病理学会大会講演要旨
feedback
Top