男爵, その他の品種のジャガイモをメークインに core graft したときの top necrosis 発現の有無についてしらべた。その結果, すべての個体がXウイルスに感染している品種 (男爵, 紅丸, その他), および一部の個体がXウイルスに感染している品種 (農林1号, その他) のXウイルス感染個体を, メークインに core graft した場合には top necrosis を生じたが, Xウイルス感染個体が存在しない品種 (金時, 北海白, その他) では, メークインに core graft しても top necrosis を生うじなかつた。この結果から, メークインに top necrosis を起こすウイルスはXウイルス自身か, Xウイルスと常に混在するある種のウイルスであることが想像される。
もしメークインに top necrosis を起こすウイルスがXウイルス自身であるならば, Xウイルスに感染しているジャガイモをメークインに core graft した場合に, 100% top necrosis が生じてよいわけであるが, 実際に top necrosis を生じない場合もかなり多い。しかし, 2, 3の実験の結果から, top necrosis を起こすウイルスを core graft しても, かならずしも top necrosis が発現するとは限らないことがあきらかとなつた。
次に, メークインに top necrosis を起こすウイルスとXウイルスとの関係を知るため, cross protection test をおこなつた。1959年3月に嬬恋馬鈴薯原原種農場で発見されたメークインのXウイルス感染個体を用い, core graft により cross protection test を試みた。その結果, メークインに top necrosis を起こすウイルスはXウイルスのひとつの系統であることがあきらかとなつた。
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