クワ又枯病菌は人工培地上で分生胞子を形成しない性質を有する。白色けい光灯照射による明暗各12時間交互条件下で変温培養を行い,人工培地上における分生胞子形成について検討した。
1. 明20C-暗5Cの変温培養で,それぞれ0.2%ぶどう糖を加用したPDAならびにオートミール寒天上では,分生胞子形成は認められなかった。
2. 同じ培養条件のクワ枝樹皮煎汁寒天上では,培養70日後に一部の菌株がごく少量の分生胞子を形成した。表皮はく離クワ枝樹皮煎汁寒天上では,きわめて多量の分生胞子が形成された。0.2%ぶどう糖添加培地が最も良好で,培養60日後に供試12菌株のすべてが分生胞子を形成した。
3. 明15C-暗5Cの変温培養で,0.2%ぶどう糖寒天に置床したクワ枝寒天培地ならびにクワ枝樹皮寒天培地は,分生胞子形成にきわめて好適であった。前者では培養32日後,後者では培養27日後に分生胞子形成が認められた。両培地とも供試10菌株のうち9菌株が,42日後に分生胞子を形成した。
4. クワ枝樹皮煎汁寒天上では,分生胞子は菌糸や枝の先端,分岐した単細胞の枝の先端,または菌糸細胞に直接形成された。
5. クワ枝寒天培地ならびにクワ枝樹皮寒天培地では,自然病斑に酷似した“胞子形成斑”がつくられた。“胞子形成斑”上には分生子座様の菌糸塊が皮目をおし破って現われ,その上に分生胞子が形成された。
6. クワ枝表皮には胞子形成阻害物質,クワ枝皮層部には胞子形成促進物質の存在が示唆された。
7. 供試17菌株のうちS201-4, S201-5, SE79-2の3菌株は分生胞子形成能が高かった。
8. 培地上で形成された分生胞子の形態は自然病斑上の胞子と同じであり,胞子発芽率はきわめて高かった。クワ又枯病菌は人工培地上で分生胞子を形成しない性質を有する。白色けい光灯照射による明暗各12時間交互条件下で変温培養を行い,人工培地上における分生胞子形成について検討した。
1. 明20C-暗5Cの変温培養で,それぞれ0.2%ぶどう糖を加用したPDAならびにオートミール寒天上では,分生胞子形成は認められなかった。
2. 同じ培養条件のクワ枝樹皮煎汁寒天上では,培養70日後に一部の菌株がごく少量の分生胞子を形成した。表皮はく離クワ枝樹皮煎汁寒天上では,きわめて多量の分生胞子が形成された。0.2%ぶどう糖添加培地が最も良好で,培養60日後に供試12菌株のすべてが分生胞子を形成した。
3. 明15C-暗5Cの変温培養で,0.2%ぶどう糖寒天に置床したクワ枝寒天培地ならびにクワ枝樹皮寒天培地は,分生胞子形成にきわめて好適であった。前者では培養32日後,後者では培養27日後に分生胞子形成が認められた。両培地とも供試10菌株のうち9菌株が,42日後に分生胞子を形成した。
4. クワ枝樹皮煎汁寒天上では,分生胞子は菌糸や枝の先端,分岐した単細胞の枝の先端,または菌糸細胞に直接形成された。
5. クワ枝寒天培地ならびにクワ枝樹皮寒天培地では,自然病斑に酷似した“胞子形成斑”がつくられた。“胞子形成斑”上には分生子座様の菌糸塊が皮目をおし破って現われ,その上に分生胞子が形成された。
6. クワ枝表皮には胞子形成阻害物質,クワ枝皮層部には胞子形成促進物質の存在が示唆された。
7. 供試17菌株のうちS201-4, S201-5, SE79-2の3菌株は分生胞子形成能が高かった。
8. 培地上で形成された分生胞子の形態は自然病斑上の胞子と同じであり,胞子発芽率はきわめて高かった。
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