Vibrio fisheri由来の
luxオペロンと
Burkholderia glumaeゲノムDNA由来のプロモーター領域を有するpNP126で
Ralstonia solanacearum OE1-1を形質転換し,
in vitroでの誘導期から定常期にかけての増殖能と生物発光に正の相関関係を示し,OE1-1と同等の病原性を示すYN5を得た。青枯病抵抗性品種LS-89と感受性トマト品種大型福寿の接木トマトにおけるYN5由来の生物発光と青枯病の発病について画像解析システムARGUS50を装着したVIMカメラを用いて経時的に観察した。根と地際部における
R. solanacearum増殖量の程度が青枯病発病に重要な要因であり,LS-89の青枯病に対する抵抗性は,第一葉下の
R. solanacearumの増殖抑制に起因することが明らかとなった。LS-89を子葉下の台木として,大型福寿を穂木として用いた接木トマトでは,
R. solanacearumはいずれの接木トマトの台木においても潜在感染しており,未発病の接木トマトの穂木からも
R. solanacearumは検出された。一方,
R. solanacearumが穂木で著しく増殖した接木トマトはすべて萎凋・枯死した。すなわち,抵抗性台木LS-89の
R. solanacaerumに対する何らかの増殖抑制機能が,感受性穂木大型福寿における
R. solanacearumの増殖にも影響を及ぼし,青枯病の発病率を量的に調整していることが示唆された。
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