日本水産学会誌
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77 巻, 3 号
選択された号の論文の45件中1~45を表示しています
平成22年度日本水産学会各賞受賞者
平成22年度日本水産学会賞
平成22年度水産学進歩賞
報文
  • 山崎 淳, 宮嶋 俊明, 藤原 邦浩
    原稿種別: 報文
    2011 年 77 巻 3 号 p. 372-380
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    未成熟で市場価値の低い水ガニのズワイガニ漁期中の入網数とリリース直後の生残率を推定した。底曳網で漁獲された水ガニを篭に入れ,海底に約 6 時間浸漬した後に再び回収し生死を判断した。京都府沖合での水ガニ平均入網数は,2006~08 年の標本船日誌から 168,400 個体と推定され,成熟で市場価値の高い雄ガニの約 1.7 倍であった。生残率は甲幅 90~109 mm では 14.8~95.9%, 110~129 mm では 5.0~89.8%, 130 mm 以上では 0~62.5% と推定された。水ガニ漁期(1~3 月)に水ガニをリリースした場合,平均生残率は 83.6% と高く,雄ガニの増加に寄与すると考えられた。
  • 渥美 貴史, 石川 卓, 井上 誠章, 石橋 亮, 青木 秀夫, 西川 久代, 神谷 直明, 古丸 明
    原稿種別: 報文
    2011 年 77 巻 3 号 p. 381-386
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    水温を一定に保った水槽を用いて養生を行った際のアコヤガイの脱核低減効果を明らかにすることを目的とした。挿核手術直後の貝を,水温を一定に保った水槽と水温を 2-4℃ 上下変動させた水槽(両区とも濾過海水 25 L 入り水槽,止水条件)で 14 日間養生後,脱核率を比較した。その結果,水温を変動させた水槽の脱核率は有意に高かった。また,水温を一定に保った循環濾過水槽と海上で養生したものを比較した結果,後者の脱核率は有意に高く,水温を一定に保った循環濾過水槽を用いた養生は脱核率を低く抑えることが可能と判断された。
  • 藤原 公一, 臼杵 崇広, 根本 守仁, 北田 修一
    原稿種別: 報文
    2011 年 77 巻 3 号 p. 387-401
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    ニゴロブナの繁殖場の造成要件や種苗放流適地を知るため,本種の初期生態を調査した。琵琶湖沿岸の発達したヨシ帯に放流された本種仔魚は,その岸辺付近に蝟集し,標準体長 16 mm まで成長して稚魚期に達するとヨシ帯を離れ始めた。ヨシ帯の岸辺付近は,餌となる動物プランクトンは多いが溶存酸素が著しく少なかった。本種仔魚は貧酸素耐性が高いうえ体比重が小さく,酸素の溶け込みが見込める水面に浮上することでその環境に適応していると考えられた。この水域は本種仔魚の摂餌場や捕食者からの退避地として機能していると思われた。
  • 永井 崇裕, 福馬 敬紘, 中津 沙弥香, 柴田 賢哉, 坂本 宏司
    原稿種別: 報文
    2011 年 77 巻 3 号 p. 402-408
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    凍結含浸法による魚介類の軟化方法について,マダラおよびスルメイカを用いて検討した。凍結解凍した試料にプロテアーゼ製剤を減圧下で含浸し,一定時間酵素反応させることで,試料の形状を保持したまま,介護食レベルとなる 5×104 N/m2 以下の硬さにまで軟化させることが可能であった。酵素反応後の試料は 40~60℃ の加熱で大幅に軟化したが,加熱に伴う筋肉タンパク質の変化が電気泳動により認められた。また,軟化したタラの遊離アミノ酸量は処理前と比較して増加したが,タンパク質構成アミノ酸の増加が顕著であった。
  • 横山 純, 笠井 久会, 古屋 温美, 吉水 守
    原稿種別: 報文
    2011 年 77 巻 3 号 p. 409-415
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/06
    ジャーナル フリー
    漁港における港内海水の大腸菌および大腸菌群の分布に,漁港の形状が与える影響について検討した。北海道内の 36 漁港において全ての漁港内海水から大腸菌群が,30 漁港から大腸菌が分離され,河川が付近にある漁港では特に高い値を示す傾向がみられた。漁港内で分離される大腸菌および大腸菌群は河川水の流入と関係があることが示された。漁港の入り口と河川の位置との関係を中心に 3 漁港を調べたところ,漁港の入り口が河川のある方向を向いている場合に,分離菌数が多くなる傾向が明らかとなった。
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