飼育環境下でアサヒガニの卵サイズを測定し, 産卵時, 胚体出現時および発眼時からふ化までの抱卵期間と平均水温の関係を調べた。卵の長径, 短径, 体積は, 産卵当日の約0.66mm, 0.60mm, 0.13mm
3からふ化前日の約0.83mm, 0.79mm, 0.27mm
3まで増大した。抱卵期間は水温の上昇にともない指数関数的に減少した。抱卵期間と水温の関係に三つの非線形モデル式を適用した結果, Belehrádekの式と積算温度則の適合度が良く, 両式の卵発育における理論的な低温側の臨界温度を表すパラメータは, それぞれ16~18℃と14~15℃程度の値を示した。
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