クロマグロ肝臓にビタミン B
12 が多量に含有されている理由を明らかにするために主要な餌料であるスルメイカの肝臓に含まれるビタミン B
12 化合物を同定し,その含有量を測定した。その結果,スルメイカ肝臓には多量のビタミン B
12(61.2±25.6 μg/100 g)が含まれており,LC/ESI-MS/MS 分析の結果から生理的に不活性なシュードビタミン B
12 は含まれていなかった。以上のことから,クロマグロ肝臓に含まれる多量のビタミン B
12 は主に餌料であるスルメイカの肝臓に由来し,生物濃縮の作用により高濃度に蓄積された可能性を示唆している。
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