1) 本研究においては蛋白の質および量の高低による振動の影響を見るとともに, 前報において寒冷区が制限飼料の影響を強く受けたため, 自由摂取時の寒冷負荷の影響を見た。臓器機能については内臓全般の計測を行ない, ストレス負荷の影響を研究すると同時に, 心理実験では学習テストを一部行なつた。
2) 良質, 高含量の蛋自飼料ではこれ迄の報告同様成長が良くストレス負荷に耐え得るが, 低質, 低含量では著しく影響を受ける。
3) 寒冷区は摂取量が対照区, 振動区の倍以上であるが, 体重増加はいずれも悪く, 動物および植物蛋白による影響は余り見られない。
4) 臓器機能におよぼす「ストレス」負荷および飼料の影響を見るとP. S. 95群では肝脂肪コレステロール値などが高くなつているがこれは全卵粉を使用したため卵黄中の脂肪 (動物性) が影響を及ぼしたものと思考される。全般的には植物蛋白群に著差が認められた。
5) 白鼠の心理におよぼす「ストレス」または飼料の影響を行動量について検討したが, 振動区に動きが多く, また良質飼料群も動きが多い。しかし同一個体について連続長期の値を測定すべきであると考える。
6) 学習テストは対照区について飼料の影響を検討した。傾向として良質蛋白群に良い反応を認めたが, 匹数の少ないことや個体差を考慮すると更に今後の研究が望まれる。
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