栄養学雑誌
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43 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 栄養指導の立場から
    山口 迪夫
    1985 年 43 巻 5 号 p. 223-232
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 石垣 志津子, 芳本 信子
    1985 年 43 巻 5 号 p. 233-240
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    古来から日本人の嗜好によくあう漬物は, 食物繊維とビタミン, ミネラルの供給源として効果的である。しかしながら, 残念なことに, 食塩の摂取を増加し, 高血圧発現率にも関係するといわれる。そこで, 低い食塩濃度で漬物としておいしく食べられることを目的として白菜漬物を取り上げ, 研究を進めた。
    方法として, 即席白菜漬の食塩濃度計によって測定した食塩濃度, 手持屈折計を用いて測定した糖量, pHとそれらの関係を調べた。
    結果として, 即席白菜漬は夏期は材料の食塩添加2%・12時間経過のもの, 冬期は材料の食塩添加2%・24~36時間経過のものが一番味がよかった。この時の食塩濃度は, 夏期は1.56%, 冬期は1.20~1.24%で, 市販品よりうすくてよい味の即席漬が得られた。食塩濃度と糖量との相関関係は夏冬ともに正の相関がみられた。
    官能テスト結果の分散分析では, 夏冬ともに濃度的にも経時的にも1%危険率で有意差を認め, 味の変化が評価できた。
  • 冨岡 文枝, 北川 人美, 石直 圭治
    1985 年 43 巻 5 号 p. 241-250
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    北海道旭川地区農家の冬期間の食事調査を行った。その結果,
    1) 栄養所要量の充足状態は非常に良好であった。しかし, エネルギー摂取量に占めるPFC比率は15.3:17.8:66.9であり, 適正比率目標に比べるとたん白質が高く, 脂肪が低いなどやや偏りがあった。
    2) 食品群別摂取状況は, 米類, 豆類, 海草類, 魚介類の摂取量が多く, 小麦類, 油脂類, 肉類の摂取量が少ないなど, 国民栄養調査成績に報告されている非農家に対する農家の特徴をより端的に示していた。
    3) 豆類, 野菜類, 海草類がカルシウムや鉄などの微量栄養素摂取に大きな役割を果たしていた。
    4) 1日当たりの平均料理数は12.3品 (主食3.29品, 主菜1.90品, 副菜7.09品) と多く, 中でも副菜は料理数に加えて1料理当たりの材料数も多かった。
  • 福島県4地区中都市について
    菊池 節子
    1985 年 43 巻 5 号 p. 251-260
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    福島県を会津, 県北, 県南, 浜通りの4地区に分け, それぞれの中心都市の小・中学生を対象に豆腐摂取の実態を把握する目的で調査を行った。内容は, 小・中学生には豆腐の嗜好について, その家庭の調理担当者には豆腐料理, 喫食の理由ならびに頻度および購入方法などについて調査を行った。結果は次のとおりである。
    1) 豆腐の嗜好は, 好きが, 小学生66.9%, 中学生38.0%, ふつうが, 小学生27.8%, 中学生53.4%, 嫌いが, 小学生5.3%, 中学生8.6%であり, 小学生に好きと答えた人が多く, 小・中学生間に危険率1%で有意差がみられた。小・中学生の好きな豆腐料理は, 味噌汁, 麻婆豆腐, 冷奴, 湯豆腐などである。
    2) 調理担当者の作る豆腐料理は, 味噌汁, 湯豆腐, 冷奴, 麻婆豆腐で約85%を占め, 炒り豆腐, 煮物, 白和え, 揚げ出し豆腐は, それぞれ6%以下であった。
    3) 豆腐喫食の理由は, 栄養があるが約50%を占め, 豆腐は栄養的にすぐれた食品であると認識されていることがわかった。次いでおいしい, 好き, 調理が簡単, 経済的などの理由があげられた。
    4) 豆腐料理の喫食頻度は, 小学生の家庭では, 週2回27.6%, 週3回25.6%, 中学生の家庭では, 週2回29.9%, 週3回27.1%で, 平均すると週2.9回であった。
    5) 豆腐の種類別嗜好は, 地区平均では, 木綿豆腐59.6%, 絹ごし豆腐39.2%であった。しかし会津地区では, 木綿豆腐26.6%, 絹ごし豆腐68.8%で, 他地区との間に危険率1%で有意差がみられた。その他県北と県南, 県南と浜通り間にも危険率1%で有意差がみられた。
    6) 豆腐の購入先はいずれの地区でもスーパーマーケットからの購入がほとんどで, 豆腐屋からの購入は少ない。また購入店の指定については, いずれの地区も指定していない家庭が多い。
    7) 現在の豆腐に対する要望は, 固さ, 大きさ, 形, 包装について, 今のままでよいが約80%であったが, 固さにおいてもっと固く, 形において料理別にほしいという要望があった。
  • 室屋 敬子, 日高 明美, 蟹江 匡, 岸 正弘
    1985 年 43 巻 5 号 p. 261-266
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    菜食中心の食生活の栄養学的意義を検討するため, 肉食忌避の戒律を重んじている臨済宗の某禅寺の僧侶の食生活を調査し, 下記の知見が得られた。
    1) 肥満者および肥満傾向者は9名中3名認められ, いずれも年齢30歳以上の者であった。
    2) エネルギー, 鉄, ビタミンB1, ビタミンCは全員所要量を充足していたが, 脂質, ビタミンB2は全員所要量を充足せず, 特に脂質の充足率は低かった。たん白質, カルシウム, ビタミンAは半数以上の者が充足していなかった。
    3) 獣鳥鯨肉類は禅寺内および禅寺外でも摂取せず, 動物性食品としては卵および魚介類を摂取していた。魚介類および卵類は寺院内でのみ摂食した者に比して, 法要等で外食した者のほうがその摂取量が多かった。これは, 寺院内では菜食中心の食生活で, 魚介類, 卵類の摂取量が少ないが, 法要等ではその摂取頻度が増加するためである。また, たん白質源である豆類の摂取量が多く, 穀類, いも類, 砂糖類, 菓子類等の糖質含有量の多い食品の摂取量が多かった。
    4) 穀類エネルギー比と糖質エネルギー比が高く, たん白質エネルギー比, 脂質エネルギー比および動物性たん白質比が低かった。
    5) 植物性食品の摂取比率は86.3~98.9%と菜食中心の食事内容が明らかとなった。
    以上のことから, 禅寺の僧侶は動物性たん白質は著しく少ないが, 植物性たん白質を十分に摂取し, エネルギー源としては穀類を偏重している菜食中心の食生活内容であることが明らかとなった。今後この食生活を分析し, 健康増進, 成人病予防のための食生活改善のための資料として検討していきたい。さらにこのような食生活パターンを続けている僧侶の健康状態についても調査し, 食生活と健康との関係についても検討したいと考えている。
  • 安本 教傳
    1985 年 43 巻 5 号 p. 267-269
    発行日: 1985年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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