【目的】学校給食の食べ残しと児童の体格との関連を検討することとした。
【方法】2009年5~6月,東京都公立小学校に通う5・6年生の児童112名を対象に,給食の食べ残しに関する自記式質問紙調査と残菜調査を実施した。残菜調査は,対象者一人につき2回ずつ行い,延べ人数のデータを用いた。身長及び体重の値は,同時期に実施した調査のデータを用いた。残菜調査の結果から,食べ残しの有無により,残菜率0%の児童を完食群,それ以外の児童を残菜群とした。この2群の身長,体重,BMI(body mass index)の中央値の差について,性,学年を調整し,一般化推定方程式(generalized estimating equation: GEE)を用いて検討した。
【結果】延べ人数で,218名分の残菜データを得た。そのうち,男子104名(47.7%),女子114名(52.3%)であった。全体で,残菜群が80名(36.7%),完食群が138名(63.3%)であった。なお,残菜率は0.2%~84.3%の間に分布していた。2群を比較した結果,児童の身長の中央値(25,75パーセンタイル値)は,残菜群で 141.7(137.1,145.5)cm,完食群で 145.4(139.8,150.2)cmであり(
p=0.289),体重の中央値(25,75パーセンタイル値)は,残菜群で 32.5(30.0,37.5)kg,完食群で 36.0(32.4,40.7)kgであった(
p=0.034)。また,BMIの中央値(25,75パーセンタイル値)は,残菜群で 16.0(15.6,17.8)kg/m
2,完食群で 16.9(16.0,18.9)kg/m
2 であった(
p=0.034)。
【結論】食べ残しをしない5・6年生児童は,食べ残しをする児童に比べて体重が重く,BMIが高いことが示された。
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