栄養学雑誌
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56 巻, 5 号
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  • その細胞生物学的考察
    四童子 好廣
    1998 年 56 巻 5 号 p. 243-252
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 藤原 洋子, 新保 國弘, 今江 祐美子, 野々村 瑞穂, 平川 敬二
    1998 年 56 巻 5 号 p. 253-263
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    18~20歳の女子短大生で, 自己申告により便秘と意識している51人 (試験1群) 及び, 便通日数が3日以下/週の便秘の63人 (試験2群) を対象に, 便通状態, 身体の症状, 生活習慣, 食物摂取状況についてアンケート調査を行い, 更にCVを摂取させ, 排便頻度 (日/週), 便の総量, 爽快感, 便の形状に与える影響を観察した。
    1) アンケートの調査結果では, 排便時刻は両群とも不規則の傾向が見られ, 不快感を伴っていた。身体の症状は, 両群とも複数の不定愁訴の症状を有していた。生活習慣では, 試験2群で “遅寝”, “遅起”, “朝食なし” の傾向が見られた。便通によいといわれる豆腐・納豆・大豆製品や野菜の摂取は, 両群ともに少なかった。
    2) 両群ともCVの摂取により便通頻度 (日/週) と便の総量が増加し, 形状指数・爽快感指数の改善が認められた。便通頻度は摂取中止後まで影響が認められ, CVを摂取させることで便秘の改善の可能性が示されたことは, 便秘に悩む人達に, 簡便な食事療法の素材として有用であることを示唆している。
  • 川野 因, 武田 一, 鈴木 妙子, 梶本 雅俊
    1998 年 56 巻 5 号 p. 265-275
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は, 中長距離女子学生ランナー16人を対象に, 合宿中の食事性鉄補足と赤血球合成能との関係を明らかにすることを目的とした。食事性の鉄には, 鉄 (III) +オリゴガラクチュロン酸配合ウーロン茶を用いた。被験者を, 鉄を補足した鉄補足群 (8人) と補足しない非補足群 (8人) の2群に分け, RBC数, Hb, Ht, 網状赤血球数, 血清鉄, フェリチン, TIBCの各値とδ-ALAD活性を測定した。その結果, 以下のことが明らかになった。
    1) 生活時間調査の結果, 合宿中の消費エネルギー量は合宿前に比べ有意に増加していた。
    2) 鉄補足群ではたんぱく質, 脂質, 糖質, カルシウム, 鉄, ビタミンB1・B2・Dの摂取量が, 非補足群ではたんぱく質, 鉄, ビタミンDの摂取量が合宿によって有意に増加した。
    3) 合宿前の両群選手に鉄欠乏性貧血者はいなかった。
    4) GOT活性, GPT活性, γ-GTP活性は非補足群で合宿後に有意に上昇していた。しかし, 鉄補足群ではこのような変化はなかった。
    5) CK活性値とHt値, MCV値, 及び網状赤血球数は両群ともに合宿後に有意に上昇した。
    6) 合宿前の血清鉄は, 非補足群が鉄補足群に比べ有意に高く, 合宿後の両群には有意な差がなかった。合宿によって非補足群の血清鉄は有意に低下した。
    7) δ-ALAD活性 (nmol/ml/hr) は鉄補足群でのみ合宿後に有意に上昇した。
    8) 同一期間の両群のδ-ALAD活性値の間には有意な差がなく, 本酵素活性は合宿前に比べ合宿後に有意に上昇した。
    以上の結果より, 合宿が栄養素等摂取状況を改善する可能性, 食事性鉄補足が血清鉄の変動に影響する可能性, 及び合宿による運動量の増加が赤血球合成能を高める可能性が示唆された。
  • 煮干しの粉末化によるだし汁の嗜好性とカルシウム量の変化
    戸田 貞子, 畑江 敬子, 島田 淳子
    1998 年 56 巻 5 号 p. 277-284
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    Cooked-and-dried small sardine is used in Japan for making soup stock, although the sardine itself is not usually eaten after extraction. This sardine in granular form, however, may be more acceptable for eating as a calcium (Ca) resource. The effects of three different conditions before boiling (0 or 30 min of steeping before boiling, or put directly into boilingwater), and three subsequent boiling times (0.5, 3 or 10 min) were compared by a sensory analysis to find the most acceptable soup stock fortified with ground cooked -and-dried sardine.
    The most acceptable soup stock was made when 3% of ground cooked -and-dried sardine was put straight into boiling water and boiled for 0.5 min, although the fishy odor remained perceptible. This fishy odor was masked when miso was added to produce miso soup. Agrinding time of up to 20s resulted in 2/3 of the ground sardine having a granular size of 355μ m or less. This 355μm size was sufficiently small for the grains to be acceptable in the soup and for the miso soup with suspended sardine particles to be easily drunk. This method would provide about 50mg or more of Ca per day from one bowl of miso soup.
  • 久野 (永田) 一恵, 江頭 美和, 久藤 麻子, 水沼 俊美
    1998 年 56 巻 5 号 p. 285-290
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    さつまいも摂食後の血糖値に及ぼす調理法の影響を検討した。蒸す, 蒸してからマッシュする, 揚げるの3種類の方法で調理したさつまいもを, 糖質として50g含む量を食べさせ, 食後の血糖値の変化を調べた。更に, 同量の糖質を含む白パン摂食時の血糖値の変化と比較した。
    蒸したさつまいもと, 蒸してからマッシュしたさつまいもを食べさせた後の血糖値は, 白パン摂食時より早く上昇し, 最高血糖値も高かった。しかし, 蒸してからマッシュしたものは, 早く血糖低下が起こった。揚げたさつまいも摂食後は, 血糖値の上昇は蒸した時よりゆっくりで, また最高血糖値も蒸した時ほど高くならなかった。
    白パン摂食時の血糖上昇面積と比較したグリセミックインデックスも, 蒸しただけのさつまいもが最も大きく, 揚げたものは最も小さかった。同じ食品を同量食べさせても, 調理法によって, 食後の血糖値の変化が著しく異なり, しかも, 吸油量の分だけエネルギーが増加している揚げさつまいもが, 最も血糖上昇, グリセミックインデックスからみると良好であるという結果が得られた。
  • 咀嚼後の食品の大きさの測定
    鈴木 ひろみ, 松本 仲子
    1998 年 56 巻 5 号 p. 291-298
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 平井 和子, 樋口 寿, 稲次 直樹, 吉川 周作
    1998 年 56 巻 5 号 p. 299-303
    発行日: 1998/10/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    外来通院中のクローン病の3症例 (男性27歳, 31歳, 38歳) を対象に, n-3系脂肪酸錠を1日10錠 (n-3系脂肪酸1.1g) を4~25週間投与し, n-3系脂肪酸によるクローン病の炎症改善維持効果を検討した。
    炎症の指標であるCRPは, 投与前3症例各々5.4, 5.2, 0.8mg/dlに対して, 投与4~25週間後, 各々3.1, 3.3, 0.5mg/dlへと減少し, 炎症の改善が認められた。他の生化学値の赤血球数, 血清ヘモグロビン, 血清鉄, 血清総たんぱく質量やアルブミン値にはほとんと変化が認められなかった。血清中のn-3系脂肪酸は, 3症例各々投与前9.2, 15.6, 22.1mg/dlから投与4~25週間後, 各々18.1, 17.5, 29.6mg/dlへ増加したが, n-6系脂肪酸は同程度であった。従って, n-3系とn-6系の比 (n-3/n-6比) は投与後1.2~2倍となり, 血清中のn-3系脂肪酸量とn-3/n-6比の改善が認められた。これらの結果から, n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取が炎症性腸疾患の炎症改善と緩解維持に有効であることが示唆された。
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