栄養学雑誌
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71 巻 , 4 号
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原著
  • 飯野 久和, 青木 萌, 重野 千奈美, 西牟田 みち代, 寺原 正樹, 粂 晃智, 水本 憲司, 溝口 智奈弥, 小泉 明子, 竹田 麻理 ...
    2013 年 71 巻 4 号 p. 171-184
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/11
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】プロバイオティクスを添加していないブルガリアヨーグルトの整腸作用を調べるため,ブルガリアヨーグルトの摂取による糞便中ビフィズス菌増加作用をランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で評価する。
    【方法】女子学生62名をヨーグルト摂取群(ブルガリアヨーグルトを摂取する群)と酸乳摂取群(ヨーグルトと同じ乳成分からなる乳飲料に乳酸を加えてヨーグルトと同じpHとした酸性乳飲料を摂取する群)に分けた。両群ともに摂取前観察期(2週間),ブルガリアヨーグルトまたは酸乳を1日 100 ml摂取する摂取期(4週間:前半2週間,後半2週間),摂取後観察期(2週間)を設け,糞便中の腸内細菌叢の解析を2週間毎に行い,糞便中ビフィズス菌数を調べた。
    【結果】試験の除外対象者(過敏性腸症候群様の者,抗生剤の使用者等)および脱落者を除いた女子学生(ヨーグルト摂取群が20名,酸乳摂取群が25名)を評価対象として統計解析した。試験食品を4週間摂取した際の糞便中ビフィズス菌の生菌数は,酸乳摂取群に比較してヨーグルト摂取群が有意に高値となった。
    【結論】以上の結果より,ブルガリアヨーグルトの摂取によって糞便中ビフィズス菌数が増加し,腸内細菌叢が改善されることが示された。
  • 大塚 礼, 加藤 友紀, 今井 具子, 安藤 富士子, 下方 浩史
    2013 年 71 巻 4 号 p. 185-195
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/11
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】中高年男女における出生コホート別の10年間の魚介類摂取量とEPA・DHA摂取量の推移を明らかにする。
    【方法】第1次(1997~2000年)から第6次調査(2008~2010年)まで,2年に一度,地域から無作為抽出した中高年者において3日間の食事秤量記録調査を実施し,第1次と,第2次から第6次調査に1回以上参加した40から79歳の男女1,799人を解析対象者とした。線形混合モデルを用い,第1次から第6次調査の約10年間における魚介類,EPA・DHA摂取量に対する年齢群(第1次調査の40,50,60,70歳代),第1次調査からの経過年数,両者の交互作用の効果を推定した。エネルギー摂取量を考慮した際の効果も推定した。
    【結果】魚介類摂取量は,男女ともに50,60歳代でのみ低下したが,2,000 kcal摂取した場合の魚介類摂取量を推定すると,女性の50歳代では 1.19 g/年,男性の60歳代では 0.85 g/年,摂取量が低下傾向を示した。他の年齢群では魚介類摂取量の有意な低下は認められなかった。EPA・DHA摂取量は,40歳代では女性で 8.16 mg/年(p=0.04),男性で 9.53 mg/年(p=0.053)増加傾向が認められた。
    【結論】エネルギー摂取量を調整しても,10年間に魚介類摂取量は女性の50歳代と男性の60歳代では低下していた。40歳代の男女ではEPA・DHA摂取量が上昇傾向を示した。
  • 加藤 美智子, 池上 幸江, 青江 誠一郎
    2013 年 71 巻 4 号 p. 196-203
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/11
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】高脂肪食の摂取は,白色脂肪組織の活性酸素種(ROS)の生成を促進し,酸化ストレスを増大して動脈硬化の発症を促進する可能性があることが示唆されている。本研究では,新規に育種された国産の高β-グルカン含有大麦ならびにβ-グルカン欠失大麦の摂取が,自然発症ApoE欠損マウスの脂肪組織の炎症と動脈硬化に及ぼす影響を比較することにより,大麦中のβ-グルカンの作用を評価した。
    【方法】5週齢のC57BL/6 系統のApoE欠損マウスに高コレステロール・高脂肪食を与えた。飼料中のβ-グルカン含量は,高β-グルカン含有大麦群が2.1 %,β-グルカン欠失大麦群が0.0%となった。各飼料と水は55日間自由摂取させた。心臓の大動脈弁の切片はOil Red Oで,摘出した大動脈はズダンIVで染色した。脂肪組織の炎症に関わるmRNA発現量はリアルタイムPCR法,血清インスリン濃度はELISA法にて分析した。
    【結果】活性酸素を生成するNADPHオキシダーゼを構成するサブユニットp67phox,p47phox,p40phox,脂肪組織の炎症に関わるMCP-1,F4/80,TNF-αのmRNA発現量ならびに血清インスリン濃度は,高β-グルカン含有大麦群がβ-グルカン欠失大麦群に比べて,有意に低かった。また,心臓の大動脈弁の脂質沈着面積は,高β-グルカン含有大麦群がβ-グルカン欠失大麦群に比べて,有意に低値を示した。一方,大動脈の脂質沈着面積には各群間に有意差が見られなかった。
    【結論】大麦中のβ-グルカンが脂肪組織の抗炎症作用ならびに抗動脈硬化作用に関与している可能性が示唆された。
資料
  • 佐藤 陽子, 中西 朋子, 横谷 馨倫, 千葉 剛, 梅垣 敬三
    2013 年 71 巻 4 号 p. 204-212
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/11
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】胎児の神経管閉鎖障害(Neural Tube Defect; NTD)リスク低減のため,妊娠可能な女性へ積極的な葉酸摂取が推奨されているが,その内容が正しく理解されているか不明である。そこで本研究は,妊娠期の葉酸およびそのサプリメントの摂取に対する妊婦と,妊婦への情報提供を行う管理栄養士・栄養士,管理栄養士・看護師養成校の学生の認識の実態に関する予備的な調査を実施し,その課題を検討することとした。
    【方法】2011年10月~12月に,自治体開催の母親学級の参加者および産院に通う妊婦(東京都,北海道),管理栄養士・栄養士を対象としたサプリメントの講演会の参加者(東京都,神奈川県,広島県),管理栄養士・看護師の養成校の学生(長野県,広島県)を対象とし,無記名自記式のアンケート調査を実施した。
    【結果】妊婦104人,管理栄養士・栄養士69人,養成校の学生175人から有効回答を得た。有効回答率はそれぞれ54.5%,51.1%,65.8%であった。妊婦,管理栄養士・栄養士,養成校の学生ともに,90%以上が葉酸という栄養素を知っていたが,胎児のNTD発症リスク低減のために推奨される摂取時期や摂取量についての知識は十分ではなかった。
    【結論】本研究は限られた対象者で実施した予備的調査であるが,妊婦および妊婦への情報提供を担う管理栄養士・栄養士や養成校の学生に対して,葉酸摂取とNTDリスク低減に関する,より具体的な情報(適切な摂取時期,摂取量,サプリメントの実態)の提供の必要性が示唆された。
  • 野末 みほ, 三好 美紀, 石川 みどり, 草間 かおる, 水元 芳, 吉池 信男
    2013 年 71 巻 4 号 p. 213-224
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/11
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】国際協力の経験がある管理栄養士・栄養士のコンピテンシー到達度を評価し,帰国後の就業や社会活動との関連を明らかにすることにより,国際栄養を担う人材の育成や活用に資すること。
    【方法】帰国年が1989~2011年の青年海外協力隊(以下,JOCV)栄養士の帰国隊員183名を対象に,2012年4月に調査票を郵送し,133名より回答を得た。調査票は,現在の雇用形態,学会等の入会や発表,地域社会との関わり,JOCV隊員としての経験に関する評価,並びに既存の管理栄養士のコンピテンシー測定項目(58項目)等で構成した。各コンピテンシー測定項目の分布及び平均を記述し,基本コンピテンシー4項目の合計得点の高低により回答者を2群に分け,その他の因子との関連を検討した。
    【結果】常勤・非常勤で雇用されていた者は76.5%であった。基本コンピテンシー高値群では,JOCV隊員の経験を自らの成長の糧として評価し,学会への入会,発表や論文投稿,並びに地域社会での活動を行う者が多かった。コンピテンシー測定項目の中で得点が最も高かったのは「自分に与えられた役割を認識し,他の職種と相互理解しながら協働する」であった。
    【結論】基本コンピテンシーが高いJOCV栄養士の帰国隊員は,JOCV隊員としての経験を高く評価し,学術的・社会的な活動において活発であり,JOCVでの経験が帰国後のより活発な行動につながっている可能性が示唆された。
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