栄養学雑誌
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40 巻 , 4 号
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  • 小川 久恵, 松本 仲子
    1982 年 40 巻 4 号 p. 183-189
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    ポテトサラダ料理などのためのゆで, 蒸し調理における馬鈴薯の水さらしの効果をみるために, さらし時間を0, 10, 30, 60, 150分に設定し, 馬鈴薯の品種, 調理法をかえて試験した。さらし水中のK, Naの測定, 加熱後の馬鈴薯のテクスチュロメーターによるテクスチャーの測定および官能検査を行って相異を分散分析により検討し次の結果を得た。
    1) さらし水中の馬鈴薯から溶出するK, Na量は, さらし時間の経過に伴い増加する傾向を示すが, さらし時間の長短による有意な差は認められなかった。
    2) テクスチュロメーターによる硬さ, 凝集性, もろさの測定結果は, さらし時間の長短による有意な差は認められなかった。
    3) 官能検査における外観, 香り, あくっぽい味, ごりごり, ほくほく, べたつきといったテクスチャーおよび総合評価のいずれの項目についても水さらし時間の長短による有意な差は認められなかった。以上のことから, ポテトサラダ料理などのためのゆで, 蒸し調理においては, 馬鈴薯を水さらしする必要はないということができる。
  • 東條 仁美
    1982 年 40 巻 4 号 p. 191-195
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    雄雌幼若ラットに鉄不足飼料を7週間投与し, 血液中Hb, Ht, RBC値の経時的変化を観察し, また, 7週間飼育後の各組織鉄含量を測定し, 性差の有無について検討し, 下記の結果が得られた。
    1) 7週間飼育後の体重は雄雌ラットとも対照群と欠乏群に有意差が認められた。
    2) 7週後の雄雌欠乏群のHb, Ht, RBC値は雄雌群間に有意差がみられ, 雌が高い値を示したが, 対照群の雄雌間ではこれらの値に有意差は認められなかった。
    3) 雌欠乏群の肝臓, 脾臓, 筋肉の鉄含量は雄欠乏群より高い値を示した。
    4) 以上より, 鉄欠乏飼料を投与することにより, ラットの鉄代謝に性差のあることが示された。
  • 東條 仁美
    1982 年 40 巻 4 号 p. 197-202
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    親ラットの鉄摂取不足が胎仔発育に及ぼす影響を検討するため, 妊娠ラットに鉄含量の異なる飼料を妊娠期間中投与し, 母体の貧血度および胎仔の発育状態について観察し, 以下の結果が得られた。
    1) 欠乏群のHb, Ht, RBC値は妊娠日数に伴って減少し, 第21日のこれらの値は低鉄群, 対照群に比べ, 明らかに低かった。
    2) 欠乏群の親ラットの肝臓, 脾臓, 筋肉の鉄含量は他の2群に比べ, 明らかに低かったが, 子宮, 胎盤, 羊水の鉄含量は各群よく似た値を示した。
    3) 胎盤重量, 胎仔数および胎仔1匹の平均体重は各群よく似ていたが, 欠乏群の胎仔肝臓, カーカスの鉄含量は対照群に比べ, やや低かった。
    4) 妊娠時に親ラットの鉄摂取が不足しても, 胎仔の体重増加は正常であった。胎仔は母体組織鉄を優先的に利用したと推定される。
  • 服部 イク, 後藤 桂葉, 大野 知子, 中野 典子, 石川 昌子, 熊沢 昭子, 磯部 しづ子
    1982 年 40 巻 4 号 p. 203-222
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    乳幼児, 小学生, 中学生を対象とした文献のうち栄養素摂取量の記載があるもの176報をとりあげ, 年次別出現数, 調査の主題, 同時調査項目および栄養素・食品群別摂取量などについて経年的にその推移を考察した。
    1) 1940年以降1975年に至る35年間のうち文献の最も多く出現している年代は1966~1975年であった。
    2) 発育期に該当する調査対象のうち文献の最も少ないものは, 中学生を対象としたものであった。
    3) 乳幼児, 小学生, 中学生に共通している調査の主題および同時調査は栄養素・食品群別摂取量をはじめ発育と栄養, 身体状況, 生活時間, 嗜好, 弁当, アミノ酸, 間食などであった。また特色ある調査項目としては, 乳幼児では, 離乳食, 食形態, 小学生では, 肥満, たん白価・アミノ酸, 中学生では, 貧血, 臨床検査, 欠食などがとりあげられていた。
    4) 年次により増加していく傾向のみられる栄養素は, いずれのライフステージにおいても動物性たん白質と脂肪であった。なお乳幼児では, エネルギー, たん白質, VA, VB1, VB2であり, 食品群では, 油脂類, 肉類, 卵類, 乳類, 淡色野菜, 果実類であった。小学生ではVB1とVB2, さとう類, 油脂類, 肉類, 卵類, 菓子類であった。中学生では, エネルギー, たん白質, 糖質であった。
    5) 減少傾向を示す食品群はいずれにおいてもいも類, 大豆類, 緑黄色野菜であった。さらに小学生では, エネルギー, 糖質, 穀類, 魚介類, 乳類中の脱脂粉乳があげられ, 中学生では, VB1であった。
    6) 調査文献の報告者により指摘された不足栄養素はいずれのライフステージにおいてもVA, Ca, VB1, 動物性たん白質の順にあげられていた。また不足食品群は, 緑黄色野菜, 乳および乳製品であった。
    以上, 乳幼児, 小学生, 中学生を対象とした栄養調査文献を収集・分類し, 内容について概観してきたが, これは従来より日本において数多く行われてきた栄養調査について, ある“まとめ”をしようとしたものである。このことが, ひいては栄養指導の体系化のステップとして活用されることを願うものである。
  • 後藤 桂葉, 服部 イク, 大野 知子, 中野 典子, 石川 昌子, 熊沢 昭子, 磯部 しづ子
    1982 年 40 巻 4 号 p. 223-237
    発行日: 1982年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    1940年以後日本において行われた栄養調査のうち, 高校生, 短大生, 大学生を対象とした栄養調査について経年的にその特徴を明らかにすることを試みた。
    1) 文献数の最も少ないものは高校生を対象としたもので, 多かったのは女子短大生の調査であった。
    2) 女子大生および短大生調査では, 家政科系でしかも普通の学生生活を営む学生を対象とした報告が多い。栄養素摂取量は1965年以後VAとCaを除き, バラツキの幅が少なくなる傾向がみられる。しかし, VAは1970年以後, 中部地区の調査において低値の報告がみられるところから, 今後の動向が注目される。
    3) 女子大生調査の傾向は, 短大生と類似していた。
    4) 食品群別摂取量の記載は, 1965年以後に多くみられた。このうち, 多くの報告に緑黄色野菜の少ないことを示していた。
    5) 男子大学生は寮生, 寮食の調査が多くみられた。栄養素量では, たん白質摂取量は1958年以後77g程度に集中していた。
    6) 各文献の報告者が指摘する問題点としてあげられている栄養素は, いずれのライフステージにおいてもVAとCa, 次いで, VB1, VB2など微量栄養素であった。
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