調理済み食品利用に関し, 家庭の食事づくりを担当する主婦の食事づくりの状況, 料理の喫食及び手づくり経験, 料理をつくる知識と意欲について調査した。調査は, 1984年12月から翌年1月, 大阪周辺に在住する調理担当者1,332人を対象に行った。
1) 食材料の購入回数は, 週3~4回が約1/3以上あり, 40歳代, 50歳代の者は週5~6回が多かった。
2) 夕食づくりに要する時間は45~60分が最も多かった。職業別では有職者は30~45分, 無職者は60~90分が多かった。
3) 10種の料理中, 過去1年間の手づくり経験は卵豆腐24%, コーンポタージュ41%であった。手づくりしなかった者は, 卵豆腐, ポテトコロッケ, ぎょうざ, 焼き魚などの調理済み食品をよく利用していた。利用理由は, 簡単に食べられる, つくるのが面倒である, 購入が手近でできるなどであった。
4) 手づくりされない卵豆腐, コーンポタージュ, 麻婆豆腐などの料理は, つくり方を知らない者, 1年間食べたことのなかった者, つくり方は知っているがつくらなかった者が示す料理とほぼ同じ料理であった。
5) 10種の料理を, 手づくりする者はいつも手づくりし, 手づくりしない者は簡便性を理由に購入に頼る傾向がみられた。
6) 面倒と思う料理過程は, みじん切り・皮でつつむなどの細かな作業, 魚の下ごしらえ・冷ますなどの時間を要する部分, 蒸す・だしの合わせ方・上手に巻くなどコツを要する部分に多くみられた。
7) 夕食づくりにい時間をかける者は, 無職の主婦, 料理が好き, 家族数が多い, 年代が高い (60歳以上は除く), 調理器具所有率が高い, 10種の料理の喫食や手づくり経験が多い, つくり方の知識・意欲がある者などであった。
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