栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
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80 巻, 6 号
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原著
  • 木林 悦子, 中出 麻紀子, 諸岡 歩
    原稿種別: 原著
    2022 年 80 巻 6 号 p. 295-306
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2023/01/13
    ジャーナル フリー

    【目的】若年・中年期の朝食摂取習慣がある者における生活習慣病予防のための食事の実践状況を性・年齢階級別に明らかにする。

    【方法】平成28年度ひょうご食生活実態調査に回答した20~50歳代の984名 (男性450名,女性534名) を解析対象とした。朝食摂取頻度により,朝食摂取習慣がある者 (週4日以上) と非該当者に分け,性・年齢階級別に,属性項目やバランスの良い食事が1日2回以上,生活習慣病予防のための食事 (6項目) をχ2 検定により比較し,同時に,独立変数を朝食摂取習慣の有無,調整因子として年齢,家族構成,BMI,生活習慣病既往歴の有無を強制投入した二項ロジスティック回帰分析を行った。

    【結果】ロジスティック回帰分析の結果,40~50歳代 (中年期) では,朝食摂取習慣がある者が非該当者に比べ,男女ともに「バランスの良い食事が1日2回以上」 (オッズ比 (95%信頼区間):男性2.41 (1.04~5.62),女性2.75 (1.08~6.96)) に加え,男性では「塩分制限」 (2.91 (1.21~6.98)) 及び「野菜をたくさん食べる」 (3.76 (1.73~8.17)) を実践している者のオッズ比が有意に高かった。20~30歳代 (若年期) では,男性の「バランスの良い食事が1日2回以上」 (2.83 (1.33~6.05)) において同様な結果であった。

    【結論】若年期の男性及び中年期の男性・女性において,朝食摂取習慣がある者は非該当者に比べて,バランスの良い食事を食べており,加えて中年期の男性では,塩分制限や野菜をたくさん食べることを実践していた。

資料
  • ─窒素フットプリントを用いた分析から─
    鮫島 媛乃, 赤松 利恵, 林 芙美, 武見 ゆかり
    原稿種別: 資料
    2022 年 80 巻 6 号 p. 307-316
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2023/01/13
    ジャーナル フリー
    電子付録

    【目的】地球環境と健康の両方に資する食物選択の推進に向けて,環境負荷の少ない健康な食事の特徴を探るため,窒素フットプリント (以下,NF) を用いて健康な食事の食品群別使用状況を調べた。

    【方法】「健康な食事・食環境」認証制度の外食・中食部門のスマートミール602食の食事データを用いて,N-Calculator法によりNFを算出した。650 kcalあたりに調整したNFで食事を5群に分け,食品群別のNFが1食のNFに占める割合を調べ,χ2 検定,Kruskal-Wallis検定を用いて,食品群別使用量,食品群別出現率,出現時使用量を比較した。

    【結果】解析対象は509食 (解析対象率84.6%) であった。1食あたりのNFは9.46~48.89 g-N/650 kcalであった。NF 5群のいずれの群でもたんぱく質源食品群のNFの割合が最も高かった。NFが最も低いQ1群はその他の群に比べ,いも類,砂糖・甘味料類,藻類,魚介類,油脂類の使用量が多く,野菜類,肉類,乳類の使用量が少なかった。たんぱく質源食品群である大豆・加工品,魚介類,牛肉,豚肉,鶏肉,卵類のQ1群での出現率は順に48.5%,89.1%,0.0%,12.9%,4.0%,38.6%であった。

    【結論】同じ基準で作成した健康な食事でもNFは異なり,NFが低い健康な食事は主に肉類以外のたんぱく質源食品群を使用した食事であった。

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